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2027年春夏パリメンズ注目株 アップカミングブランド4選

岡本真実編集村田太一

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 2027年春夏パリ・メンズファッションウィークでは、大手メゾンだけでなく、ショールームやプレゼンテーションを通じて、数多くの新鋭ブランドが存在感を示した。クラフトマンシップを軸に独自の表現を追求するブランドから、テーラリングやジュエリーの新しい可能性を提示するブランドまで、そのアプローチはさまざまだ。本稿では、今後の飛躍が期待できる4ブランドをピックアップして紹介する。

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CACHÍ カチ

 フランス人のエリーズ・ジロー(Élise Girault)と、アルゼンチン出身のベレン・フリアス(Belén Frias)が手掛ける、パリ発のメンズウェアブランド「カチ(CACHÍ)」。2人はパリとブエノスアイレスの服飾学校で学び、「ランバン(LANVIN)」などで経験を積んだ。2023年には「AMI × IFM Entrepreneurship Award」を受賞し、2026年に初のコレクションを発表している。

 ブランドが掲げるのは、フランスの精密さとアルゼンチンの感性をつなぐこと。クラシックなシャツやジャケット、パンツといったワードローブをベースに、現代的なバランスへと再構築するクリエイションが特徴だ。

 ボクシーなジャケットやワイドパンツなどによって見慣れたプロポーションをわずかにずらしながら、ハイウエストや彫刻的な袖、刺繍、襟、カフス、位置を移動させたラインなどの巧みなディテールワークを合わせることで、新鮮な印象を生み出している。

 キーワードは「ラテン・ラバー」。フランスとアルゼンチン、両国の職人技を現代の男性像へと落とし込み、クラシックと官能性が共存する独自のメンズウェアを提案している。

Image by: © CACHÍ — Model represented by Universe Scout.

CACHÍ:Instagram

WILLIAM PALMER ウィリアム パーマー

 2025年に自身のブランドを立ち上げた英国人デザイナー、ウィリアム・パーマー(William Palmer)。セントラル・セント・マーチンズのMAファッションを卒業し、卒業コレクションで「ロレアル プロフェッショナル クリエイティブアワード 2025」を受賞。2026年の「ITS Contest」では3部門を制した。

 英国郊外の日常や1990〜2000年代のメンズウェア、ラッドカルチャーを起点に、誇張したプロポーションや意表を突くディテールを用いて、伝統的な男性像をユーモラスに揺さぶる。

 2027年春夏コレクション「Brief Exposure」は、新聞の事件記事を模したルックブックで発表。バス停に集う会社員や通勤者などを登場人物に見立て、日常着の中に英国的な皮肉と遊び心を忍ばせた。巨大なピンストライプコート、パンツの役割を担うロングシャツ、行き場を失ったネクタイなど、テーラリングの構造を誇張しながら解体している。

Photography: Alex Raduan

WILLIAM PALMER:Instagram

AGAIN アゲイン

 フランス人デザイナー、バジル・ダドー(Basile Dadaux)が2022年に設立した「アゲイン(AGAIN)」。ダドーはパリでファッションデザインとパターンメイキングを学び、「ジャンポール・ゴルチエ(Jean Paul Gaultier)」や「エルメス(HERMÈS)」で経験を積んだ後、独立。故郷であるジュラ地方に広がる自然や季節の移ろいを着想源に、テクニカル素材と天然素材を組み合わせたアウターやニット、シャツなど、快適さ、機能性、均整の取れたプロポーションを備える日常着を展開している。

 2027年春夏シーズンのテーマは「MOSS AFTER RAIN」。夏の雨上がりに立ち上る苔やシダの香り、木漏れ日の暖かさと冷たい影が共存する一瞬を、湿気を帯びたような褪せた色彩で表現した。

 軽やかな素材と粗い質感、端正な仕立てと時間の痕跡を思わせる表面を組み合わせ、コーティングリネンのトレンチやレザージャケット、流動的なパンツに静かなリラックス感をもたらしている。

Photography: Martina Bjorn

AGAIN:Instagram

AXEP アクセップ

 「アクセップ(AXEP)」は、パリで育ったアナ・ゼニア・エネ・ピエネスク(Ana Xenia Ene Pienescu)が2022年に設立したアクセサリーブランド。アナは「メゾン マルジェラ(Maison Margiela)」と「フセイン チャラヤン(Hussein Chalayan)」でレディ・トゥ・ウェア、「バレンシアガ(Balenciaga)」と「ロエベ(Loewe)」でレザーグッズやアクセサリーの経験を積んだ。

 ブランドコンセプトは「JEWELRY FOR YOUR OUTFIT」。ジュエリーを身体ではなく、ボタンホールやベルトループ、破れたデニムや虫食いのニットなど、衣服そのものに装着するジュエリーを提案している。素材には、シルバー、ヴェルメイユ、真鍮、エナメル、半貴石、ガラスなどを使用。パリとリモージュの職人によって、一点ずつ丁寧にハンドメイドされている。

 既存の服に新たな用途と表情を与えながら、装飾とリペア、ファッションとプロダクトの境界を横断する。その自由な発想がブランドの大きな魅力だ。

AXEP:Instagram

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最終更新日:

文・岡本真実

MAMI OKAMOTO

EDITER / WRITER

東京生まれ。大学卒業後、Huge、装苑のエディターを経て渡仏。現在、パリを拠点にフリーランスの編集者として活動中。

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