
Image by: ©Launchmetrics Spotlight

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2027年春夏シーズン、メンズバイヤーの注目を集めたブランドは? FASHIONSNAPでは前シーズンに引き続き、国内有力ショップのバイヤーにアンケートを実施。2027年春夏メンズコレクションで気になったトレンドや良かったブランド、買い付け予定のブランド・アイテムなどを調査した。
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目次
アンケートに回答してもらったバイヤー
1. バイイングの軸は?
- 阪急メンズ東京 日比野智之:プロダクトとしてのクオリティや、クリエイションとしての背景を軸に、リアルな価格や実用性のバランスも意識したいと思います。
- ユナイテッドアローズ 内山省治:軽さ柔らかさのあるジャケット、ショート丈アウター、トラウザーズ。
- 伊勢丹新宿店 梅本優太:長期化する夏に向けて、春夏らしいカラーリングのリゾートスタイル。
- アマノジャク 小山逸生:引き続きそれぞれのブランドらしい"コアスタイル"を表現することを基軸に、軽やかな素材や新しさを感じるアイテム・提案を大事にしていく。
- リステア 浅野康行:先シーズンから引き続き、ブランドのジャンルやカテゴリを問わず、タイムレスなワードローブとシャープネス。その融合。
- GR8 高橋善将:数字で見ると「リック・オウエンス(Rick Owens)」、「バレンシアガ(BALENCIAGA)」、「アクネ ストゥディオズ(Acne Studios)」等のいわゆるハイブランド中心に、ここ2、3年で成長してきたブランド、もちろん新しいブランドもバイイングの軸になってくると思います。
- スーパー エー マーケット 磯久純一:気分の上がるような華やかな色、柄をセレクションしようと考えています。
- エストネーション 川本純也:エストネーションの「上質・上品・リラックス」は引き続きベースに、日本の環境、気温などに合う素材と「心地いいのに崩れないクラス感あるシルエット」を追求したい。大人がファッションを純粋に楽しめる、エッジの効いたカラーやデザインでの「ファッションとしての高揚感」を掛け合わせてバイイングしていきたい。
- インターナショナルギャラリー ビームス 井上透 :快適でいて、ファッションを楽しめるアイテム。
バイイングの軸として共通していたのは、上質さや実用性、価格とのバランスを見極める姿勢。軽やかな素材やリラックス感、鮮やかな色柄など春夏らしい高揚感を取り入れつつ、夏が長期化する日本の気候やライフスタイルに寄り添い、長く愛せるワードローブを重視する傾向が見られた。
2. 一番良かったブランド
- 阪急メンズ東京 日比野智之:「ドリス ヴァン ノッテン(DRIES VAN NOTEN)」。素材のテクスチャーの良さ、力の抜けたエレガンスさ、また魅せる美しさだけでなく機能美まで高次元で両立しており、現代の価値観を象徴するようなコレクションに感じました。
- ユナイテッドアローズ 内山省治:「コム デ ギャルソン オム プリュス(COMME des GARÇONS HOMME PLUS)」。ポジティブなコレクションと共にランウェイショーの持つ意義を改めて感じさせてくれた素敵なショーでした。
- 伊勢丹新宿店 梅本優太:「エレヴァン(erEvan)」。南仏サントロペのライフスタイルを感じさせる世界観が魅力です。コレクション全体の統一感が高く、ブランドのストーリーを売場で表現しやすい点に惹かれました。
- アマノジャク 小山逸生:「ヨーク(YOKE)」。強みであるテーラード系のアイテムは完成度高く感じられ、レザーウェアには新しいアプローチが際立った。
- リステア 浅野康行:引き続き「サカイ(sacai)」。全カテゴリ・全方位型で毎シーズン進化し続ける商品ラインナップと、話題性のあるコラボレーション。
- GR8 高橋善将:「RANZE」。新規のブランドで展示会に行きました。ここ最近、ファッションブランドが全体的に飽和している感じがしていて、その中で自分たちは常に新しいブランドを探しているんですが、見た瞬間にシンプルですが『めっちゃいい!!』となりました。トレンド感と自分達の好きなことが反映されていて、何より展示会でブランドのデザイナー含めてチームが細かく説明してくれたり、いいエナジーを感じたのでそこが非常によかったです。クオリティ、プライスポイントもしっかりしていて、そこもいい点でした。
- スーパー エー マーケット 磯久純一:「ドリス ヴァン ノッテン(DRIES VAN NOTEN)」。シーズンテーマとショーの構成のマッチングがとても良かったです。落ち着いた色から始まり、徐々にトーンが暗くなっていくグラデーションのようなショーでした。順序通りに歩いていたモデルが最後に交差するように歩き、色が混ざりあう姿に感動しました。
- エストネーション 川本純也:「ドリス ヴァン ノッテン(DRIES VAN NOTEN)」。ステファヌ・マラルメの詩『半獣神の午後』から着想を得たという背景を聞いた上でランウェイを実際見させていただいて、ストーリーとカラーパレットが自然に重なり、コレクションの世界観をより深く感じられた点が非常に印象的でした。
- インターナショナルギャラリー ビームス 井上透:「Morgane Kricher」。テーラードが軸にある女性デザイナーのブランドを気にして見ていた中で、出会えて個人的にすごく良かったです。全てフランス製の丁寧で緻密なパターンや、ブランドのムードも素敵でした。ヴィジュアルもデザイナー本人が撮っていて、ブランドの世界観、ムードづくりに一貫性がありました。アトリエもおしゃれでデザイナーのMorganeさんもすごく素敵でした。




DRIES VAN NOTEN
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展示会やショールームで発表したブランドを含めて「一番良かったブランド」については、引き続き「ドリス ヴァン ノッテン」に支持が集まった。一方で、新鋭ブランドや国内ブランドへの注目も高い。評価のポイントとして共通していたのは、ブランドの哲学がコレクションに一貫して落とし込まれていること。さらに、ショーの演出や色彩、プロダクトの完成度、価格とのバランスまで含めた説得力が高く評価された。
3. 今季を象徴するアイテム
- 阪急メンズ東京 日比野智之:テーラードジャケット、スリムパンツ、バミューダショーツ、アクセサリー(小物)。
- ユナイテッドアローズ 内山省治:リネン素材のアイテム。
- 伊勢丹新宿店 梅本優太:カラーシャツ。今シーズンは、各社が夏素材を用いてバリエーションを拡充しており、軽やかさと色彩を取り入れた提案が目立った。
- アマノジャク 小山逸生:ナポレオンジャケット、スリムフレアボトム。
- リステア 浅野康行:ツイストの効いたパンツ。デイリーに着用できながらちょっとした変化を与えられるもの。
- GR8 高橋善将:「ソウシオオツキ(SOSHIOTSUKI)」のショーで使用していた「アシックス(ASICS)」のシューズが絶妙なデザインでキーアイテムになりそうだなと感じました。
- スーパー エー マーケット 磯久純一:シャツとショーツ。着られる季節も長くスタイリングの幅が広がるアイテムがキーに感じます。
- エストネーション 川本純也:シアーレイヤード、シアー素材をテーラリングと合わせるスタイル。また、メンズにおける装飾性の高まりとしてアクセサリーが印象的でした。ベルトバッグやスカーフ、チャーム、カマーバンドなど、特に腰回りにアクセントを加え、視線を集めるアイテムが多く見られました。
- インターナショナルギャラリー ビームス 井上透:膝上ショーツ。




PRADA
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世界的に記録的な暑さが続く近年の気候を反映して「軽さ」が今季を象徴するキーワードに。夏素材を用いたカラーシャツやショーツ、テーラードジャケット、細身のパンツなどが多く挙がり、軽快さと上品さを兼ね備えたアイテムに注目が集まった。さらに、レイヤードで提案するシアー素材やアイキャッチなアクセサリー雑貨が、装いに新鮮さをもたらすキーアイテムとして浮上した。
4. 買い付けたいブランドとアイテム
- 阪急メンズ東京 日比野智之:「ガブリエラ コール ガーメンツ(GABRIELA COLL GARMENTS)」のコットンボイルジャケット。「コルボ(Colbo)」のセットアップ。


GABRIELA COLL GARMENTS
- ユナイテッドアローズ 内山省治:「ソウシオオツキ(SOSHIOTSUKI)」のサファリジャケット。「ドリス ヴァン ノッテン(DRIES VAN NOTEN)」のサファリタイプジャケット。


SOSHIOTSUKI
- 伊勢丹新宿店 梅本優太:「ソウシオオツキ(SOSHIOTSUKI)」のジャケット、「エレヴァン(erEvan)」のビスコースシャツ。

SOSHIOTSUKI
- アマノジャク 小山逸生:「ヨーク(YOKE)」のデニムトロンプルイユレザージャケット。「アン ドゥムルメステール(ANN DEMEULEMEESTER)」のナポレオンジャケット。「キミノリ モリシタ(kiminori morishita)」のブザムシャツ。



YOKE
- リステア 浅野康行:「サカイ(sacai)」のビッグポケットパンツ。「アワー レガシー(OUR LEGACY)」のプリントデニム。「Maharishi x Aitor Throup」のショーツ。



sacai
- GR8 高橋善将:「ジヨンキム(JIYONGKIM)」のRe Worked Denim。「ERL」のコーデュロイチノパンツ。「RANZE」のクロップドトラックスーツ。



JIYONGKIM
- スーパー エー マーケット 磯久純一:「ドリス ヴァン ノッテン(DRIES VAN NOTEN)」の刺繍シャツ。ドリスらしい柄や刺繍などインパクトのある商品が多く、それらを中心に買い付けしました。「WILLIAM FREDERICK」のアイリッシュリネンのシャツ。「SIX 95」のコイン付きバッグ。



DRIES VAN NOTEN
- エストネーション 川本純也:「ジバンシィ(GIVENCHY)」。サラ・バートンによる初の本格的なメンズコレクションとして、ブランドの新たな方向性と今後の可能性を強く感じました。テーラリングを軸にしながら、デコンストラクションや装飾性を加えたコレクションは、今シーズンを象徴するムードとも重なり、改めて提案したいブランドだと感じました。「MORJAS」のシューズ。スカンジナビアデザインに基づく普遍的で洗練されたデザインと、上質なものづくりに魅力を感じ、買い付けました。クラシックなスタイルへの回帰が見られる中、現代のワードローブにも自然に馴染むシューズとして、エストネーションの新たなスタイル提案に繋がるブランドだと感じています。「ジョンストンズ オブ エルガン(Johnstons of Elgin)」はスコットランドの風景やアートから着想を得た、軽やかでモダンなムードが印象的でした。ブランドが持つ伝統的なクラフツマンシップをベースに、ニュートラルカラーと鮮やかな色を掛け合わせた色彩や、素材の軽さ、繊細なテクスチャーに新鮮さを感じました。歴史あるブランドの新たな側面を提案できるコレクションだと感じ、買い付けました。









GIVENCHY
- インターナショナルギャラリー ビームス 井上透:「テクラ(TEKLA)」のパジャマショーツ。「Morgane Kriche」のプルオーバー。「KRISTIAN KRISTIAN」のブーツ。



TEKLA
買い付けたいアイテムとしては、サファリジャケットやナポレオンジャケット、リネンシャツ、デザイン性のあるパンツなど。素材の表情やテクスチャー、クラフツマンシップ、ブランド独自の世界観が感じられるプロダクトにも関心が高まった。長く愛用できる普遍性と、店頭で映える新鮮さを兼ね備えたアイテムが支持される結果に。
5. 気になったトレンドは?
- 阪急メンズ東京 日比野智之:ソフトなテーラリング、落ちる素材、透ける素材。
- ユナイテッドアローズ 内山省治:ソフトなテーラーリングウェア。
- 伊勢丹新宿店 梅本優太:シルエットの変化。
- アマノジャク 小山逸生:グランジ・ロック。
- リステア 浅野康行:スキニーシルエット。スキニーとまではいかずとも、現在のルーズなシルエットからの反動。
- GR8 高橋善将:全体的に共通したトレンドはあまり感じませんでしたが、みんなが着ているのを見て受動的にトレンドとなるより、4で挙げたようなアイテム自体が良くて着る人が自然と増えて、トレンドになってくれたらいいなと思いました。
- スーパー エー マーケット 磯久純一:プレッピー、レイヤードスタイリング。
- エストネーション 川本純也:「プラダ(PRADA)」に見られたようなタイトシルエットが気になりました。現在エストネーションで主流となっているシルエットから大きく逸脱するのではなく、今後のスタイリングの中に新たなエッセンスとして少しずつ取り入れ、提案していきたいと考えています。
- インターナショナルギャラリー ビームス 井上透:リゾート、快適さ。





Celine
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ソフトなテーラリングや落ち感のある素材、シアーなど、「軽さ」を感じさせる提案がトレンドキーワードに挙がった。加えて、オーバーサイズからタイトへのシルエットの変化に焦点が当たっている。スタイルでは、プレッピーやグランジ・ロックに注目するバイヤーも。
6. 期待のニューカマー
- 阪急メンズ東京 日比野智之:「YEARLY PLAN」。
- ユナイテッドアローズ 内山省治:「WILLIAM PALMER」。
- アマノジャク 小山逸生:「DSM Kei Ninomiya」。ブランド初のショーとなるピッティでのランウェイはパワーを感じた。
- リステア 浅野康行:(全てニューカマーではなくカムバックですが)「ゴーシャ・ラブチンスキー(GOSHA RUBCHINSKIY)」「アイター スロープ(Aitor Throup)」「クレイグ グリーン(CRAIG GREEN)」。
- GR8 高橋善将:「RANZE」。
- スーパー エー マーケット 磯久純一:「A SHELL」。イタリアのブランドでデッドストックのファブリックを使用。デッドストックファブリックならではのクオリティに対して値段が安く選ぶ素材にセンスを感じました。
- エストネーション 川本純也:「フィキ(FICHI)」。コペンハーゲンを拠点に、スカンジナビアの感性と地中海のリラックスしたムードを掛け合わせたブランドで、特に色や素材感を活かしたアンダーウェアの提案が印象的でした。
- インターナショナルギャラリー ビームス 井上透:「TOWERS」。




DSM Kei Ninomiya
Image by: Pitti Immagine Uomo
ニューカマーに挙がったブランドに共通していたのは、独自の世界観やクラフツマンシップ、素材使いへのこだわり。ピッティで存在感を見せた「DSM Kei Ninomiya」やコペンハーゲン発の「フィキ」など。デッドストック素材を使用した「A SHELL」のサステナブルな視点を取り入れたものづくりも評価され、期待が寄せられた。
最終更新日:
Chikako Ichinoi
1986年神奈川生まれ。慶應義塾大学商学部を卒業後、三越伊勢丹に入社。伊勢丹新宿本店メンズ館の紳士雑貨でアシスタントバイヤーを務めた後、2011年にINFASパブリケーションズ入社。「WWDジャパン」記者として、主にメンズファッションを担当。ピッティ、ミラノ、パリメンズコレクション取材を始め、セレクトショップや百貨店、ファッションビルのビジネス動向を取材。現在はフリーランスとして、ファッションやライフスタイル系の記事執筆を手がける。男児と女児の母。
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