
FASHIONSNAPによる業界の職業図鑑。ビューティ業界にはどんな職業があるのか。名前は聞いたことがあっても、実際にはどんな仕事をしているのか。そんな疑問を解消すべく立ち上がった連載企画です。業界の最前線で活躍する人に、リアルな職務内容や必要なスキルをファイリングしていきます。ビューティ業界への理解を深めるとともに、将来この分野を志す人にとって、進路や就職活動を考える際の手がかりとなることも目指します。
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ビューティ編第1弾は研究職(化粧品メーカー)編。花王で化粧下地やファンデーション、コンシーラーなどのベースメイク品の処方開発を担当する村井日奈子氏の協力を得て、この職業の魅力に迫ります。
目次
研究職ってどんな仕事?
化粧品メーカーの研究職は、商品の開発や改良に関わる研究業務を請け負う仕事。業務範囲は会社や部署によって異なるが、原料の組み合わせや使用感を設計する「処方開発」、製品としての使用が可能かを検証する「安全性評価」、成分や肌の仕組みに関する知見を蓄積する「基盤研究」などが含まれる。加えて、既存商品の改良や品質に関する検証、他部署との連携業務を担う場合もある。

私はスキンビューティ 第3研究所に所属し、ベースメイク品(化粧下地、ファンデーション、コンシーラーなど)の処方開発を担当しています。コンセプトにあった品質実現のため、仕上がりや感触、機能だけではなく、購入者が安心して使うための安全性や安定性、使いやすさなども考慮するようにしています。
例えば、ひとつの製品に対して、いつ頃から処方開発を始めるのでしょうか?

FASHIONSNAP

目安としては、商品が発売される1年以上前など、比較的早い段階から進めています。限られた時間の中で、創意工夫しながらお客さまの期待に応えられる処方を実現していく所が腕の見せ所ですね。

そのほかにも、商品の処方開発だけでなく、基盤技術の研究も行なっていて、ケア効果のあるベースメイク技術開発などにも取り組んでいます。

村井氏が所属する研究所で担当する商品の一例
処方を決定したら、村井さんのお仕事は終わりですか?


そういうわけにはいきません(笑)。工場での生産に向けたスケールアップ検討や、商品の魅力を消費者に伝えるための情報作りも、マーケティングや商品開発部門と連携しながら担当します。
スケールアップでは、実験台で作ってるものを工場の機械で作っても問題ないかを、生産技術部門と連携しながら確認します。このように他部門と関わる機会も多いため、コミュニケーション力も大切になってきます。

情報作りでは、商品のどの価値を訴求するかをマーケティングや商品開発部門と連携しながら検討し、それを裏付けるエビデンスを構築します。お客様に商品を魅力的に思ってもらうために、トレンドを踏まえながら価値や訴求ポイントを明確にしていきます。これは中身作りと同じぐらい難しく重要なんです。
商品のどの価値を訴求するかを検討するのも研究職のお仕事なんですね!そういうことはマーケティング職だけのお仕事だと思っていました。

研究職になるには?
化粧品メーカーの研究職になるためには、理系分野の大学院や学部、高専を卒業後に就職するのが一般的。学校での研究経験を活かして就職する人が多い分野だ。

化学・生物・薬学などさまざまなバックグラウンドを持つ人が働いています。「大学で何を専攻してきたか」よりも、「どのように研究に取り組んできたか」が採用において重要だった印象です。
何か資格は必要ですか?


必須の資格は特にありませんが、色を扱う仕事でもあるため、色彩検定などに興味があれば仕事にも活かせると思います。

研究職のある日のスケジュール



(上)化粧品仕上がりを評価する様子、(下)保湿効果を評価する様子


ベースメイクの色味を評価する様子
研究職のやりがいは?

苦労して開発した商品が無事発売されて、店舗に並んでいるのを見たときにやりがいを感じます。また、SNSや雑誌で紹介いただいたり、お客さまが実際に手に取ってくださっている様子を見たり、クチコミで良い評価をいただいたりしたときは、とても嬉しく感じます。
研究職の収入はいくら?
収入は会社や経験年数や役職によって変動。
研究職のキャリア発展性、転職などは?
研究職として専門性を高めていくキャリアのほか、処方開発経験を活かした品質保証や商品開発など関連部署へ異動するケースや、技術に特化した広報(PR)を担う場合も。

花王は化粧品だけでなく、ヘアケア、日用品など幅広い事業を展開しているため、他の研究分野へ異動して経験を広げる機会があることも特徴だと思います。
また、大学など研究機関で研究を続ける道に進む人もいます。

研究員に向いている人や大切なこと

処方開発では、目標品質を目指してほんの数%の違いにもこだわることが求められます。開発過程で、商品開発などの関連部門と相談しながら何度も試作と評価を繰り返すこともあり、想像よりも地道な仕事だと感じます。だからこそ、誠実にコツコツと取り組むことができる人が向いていると感じます。
化粧品会社ならではの向いていると思う人はいますか?


新しい商品やトレンドに興味を持てる化粧品好きな人も向いていると思います。
研究員には、SNSや雑誌、店舗の状況をチェックする人が多いです。花王には海外展開しているブランドがあるので、国内外問わずトレンドにアンテナを張っている印象で、新しいことに敏感な人も向いているのではないでしょうか。
研究職を目指す人に向けて

こだわりを持って最後までやり抜ける人にはそれに見合ったやりがいが得られる仕事です。キラキラで華やかな部分も、その裏の地道な努力も、どちらも味わえるのが魅力だと思います。ぜひ気になる人は目指していただきたいなと思います。

研究職の年間スケジュールの一例


取材してみて、研究者は処方開発だけを担当すると思っていましたが、実際は各部門と連携して、生産技術やマーケティング、商品開発部門とも連携する仕事だと分かりました。また、黙々と研究を行うイメージがありましたが、実際は“真面目”な雑談が多い和気藹々とした雰囲気というのも意外でした。

最終更新日:
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