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「CFCL」が掲げる"コンクリートネス"とは? ニットの透明感と素材の力

2026年春夏コレクション

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Image by: CFCL

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「CFCL」が掲げる"コンクリートネス"とは? ニットの透明感と素材の力

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Image by: CFCL

 「シーエフシーエル(CFCL)」がパリで発表した2026年春夏コレクションのテーマは「ニットウェア・コンクリートネス(KNITWEAR CONCRETENESS)」。ブランドのシグネチャーである3Dコンピューターニッティングを軸に、透明感を帯びた素材と構築的なフォルムを組み合わせながら、「具体性」と「生活に根差した機能性」を静かに浮かび上がらせていく。

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 私たちは実をつける植物のように創造したいのである。再現するのではなく。代理を介してではなく、直接に創造したいのである。

 これは、1944年に具体芸術を提唱した彫刻家、ジャン・アルプ(Jean Arp)の言葉。デザイナー、高橋悠介はこの思想に共鳴し、コレクションを結実させた。道具としての衣服のあり方を刷新し、抽象でも自然模倣でもなく、素材そのものが持つ力をデザインに転換したという。

透明感をまとう「POTTERY」

 冒頭を飾ったのは、ブランドを象徴する「POTTERY」シリーズのアップデート版。「OVERWRAPPED POTTERY」は、内側にミントカラーの再生ポリエステル、外側に透明感あるナイロンポリエステルを編み重ねた二層構造。高橋は「POTTERYのコンセプトをガラスの花瓶に置き換えてみようと考えた」と話し、森万里子やエミール・ガレの作品から着想を得た透明感を投影した。

Image by: Courtesy of CFCL

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淡いむら染めに宿るリアリティ

 「DYEING」は、有機栽培綿をベースに愛知・有松の職人が一点ずつ染め上げたもの。春の光を思わせる淡いピンクやグレーのむら染めは「模様ではなく、染色のプロセスそのものから生まれたデザイン」なのだという。このシリーズでは、伝統と革新が交差し、日常に寄り添う新しいリアリティを描き出した。

Image by: Courtesy of CFCL

唯一にして強いグラフィック

 今シーズン、唯一のグラフィックモチーフ「TERRACED DRESS」は、ジャン・アルプの妻であるゾフィー・トイバー=アルプ(Sophie Taeuber-Arp)の作品から着想を得たもの。ネオンカラーのストライプは、パステルを基調とするコレクションの中で鮮やかに浮かび上がり、コレクション全体を引き締めつつ、軽やかなリズムを添えた。

Image by: Courtesy of CFCL

揺らめくタッセル

 一際目を引いたのは、ベースニットにタッセル状の糸を通して仕上げる「FLUFFY」シリーズ。メタリックフィルムをカバーリングした糸が煌めきを放つ。「ベースは機械で編み、そこから先は手作業。両方を介在させることで唯一無二のバランスが生まれる」と高橋。デジタルとクラフトを重ね合わせるCFCLの世界観を華やかに示した。

Image by: Courtesy of CFCL

ヴェジャとの初コラボ

 今季は、サステナブルを掲げるフランスのシューズブランド「ヴェジャ(VEJA)」と初のコラボレーションを実現。B Corp認証を持つ両者が手を組み、スニーカーを展開。日常にしなやかに溶け込むデザインでありながら、環境配慮と都市感覚を兼ね備えた一足は、両ブランドの美学を反映した取り組みだ。

Image by: ©Launchmetrics Spotlight

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Image by: Courtesy of CFCL

デザイナーが語る「コンクリートネス」

 今季のテーマ「ニットウェア・コンクリートネス」について、高橋はこう語る。「コンクリートには建材としての意味と『具体的な』という意味がある。今シーズンはジャン・アルプが定義した後者の考え方に近い。抽象でも自然模倣でもなく、機能や素材そのものを生かすことで具体性を表現した」。

 透明感、手仕事、そしてサステナブル。そのすべてを編み込み「具体性」へと昇華させたコレクションは、都市生活における衣服の役割を問い直すと同時に、CFCLの現在地を鮮明に映し出していた。

CFCL 2026年春夏コレクション

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「CFCL」2026年春夏コレクション

2026 SPRING SUMMERファッションショー

最終更新日:

EDITER / WRITER

岡本真実

MAMI OKAMOTO

東京生まれ。大学卒業後、Huge、装苑のエディターを経て渡仏。現在、パリを拠点にフリーランスの編集者として活動中。

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