アマゾンジャパン合同会社 バイスプレジデント ファッション事業部門 統括事業本部長ジェームズ・ピータース氏
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Fashion インタビュー・対談

【インタビュー】アマゾンは東京ファッションウィークの冠スポンサーで何を得たか?AT TOKYOの意義

アマゾンジャパン合同会社 バイスプレジデント ファッション事業部門 統括事業本部長ジェームズ・ピータース氏
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 アマゾン ジャパン合同会社が東京のファッションウィークの冠スポンサーとなってから6シーズンが経過した。アマゾン ファッションが2017年3月から継続的に実施している東京発のブランドを支援するプログラム「AT TOKYO」では今回、グラフィックアーティストVERDYが手掛ける「ガールズドントクライ(Girls Don't Cry)」とコラボレーションしたカフェ併設型のイベントを開催。一般消費者向けに開かれたプログラムとして展開する。会場に訪れたアマゾン ジャパン バイスプレジデントのジェームズ・ピータース(James Peters)氏に、AT TOKYOの目的やこれまでの東京ファッションウィークの成果について聞いた。

ブランドのヴィジョンを実現するAT TOKYO

ーAT TOKYOではこれまで、「サカイ(sacai)」と「アンダーカバー(UNDERCOVER)」による合同ショー「10.20 sacai/UNDERCOVER」などを、ファッション関係者や一部の学生の招待制で開催してきました。今回から一般の来場者も参加できる内容にシフトした理由は何でしょう?

 AT TOKYOは参加ブランドが目指すヴィジョンを実現するためのプログラムなので、内容を考えるのはブランドの方々なのです。ガールズドントクライではこれまでポップアップなど限られた場所でしか販売の機会がなかった。「もっと多くの人に買えるようにしたい」というVERDYさんの要望と、奥様との思い出の場所であるカフェをイメージした空間を作りたいという提案があり、我々がそれをサポートした結果として一般の方々がアクセスしやすいイベントになったという経緯があります。

ーこれまでは東京ファッションウィークの期間中のプログラムでしたが、なぜ変わったのでしょうか。

 狙ってスケジュールを組んだのではなく、VERDYさんが思い描くカフェを開催できる期間と場所を検討していった結果としてこのような時期になったんです。キャットストリート周辺に出店したいというのも彼からの要望の一つでした。昨年11月に行った「アンブッシュ®(AMBUSH®)」とのポップアップストアもファッションウィーク期間外でしたから、開催時期についてアマゾン ジャパンとして強いこだわりがあるのではなく、ブランド側の求めるものを最適な場所と期間に発表するのが我々のスタンスです。

Girls Don't Cry Meets Amazon Fashion "AT TOKYO"の様子 

 

ーAT TOKYOのこれまでの成果について、どのように評価していますか?

 満足しています。というのも、実施後にブランドやバイヤー、ジャーナリストといった様々な人からポジティブなフィードバックをいただけているからです。あるブランドから聞いた話では、AT TOKYOへの参加により消費者やバイヤーとの接点が創出できたそうです。これは商品と消費者を繋げることを目的としているリテーラーの我々にとっても喜ばしいことです。AT TOKYOではアマゾンのサイト内に特設ページを開設していますが、ブランドを国内外に発信するという点においても、各所から好意的な感想をいただいています。

ー今後のAT TOKYOのヴィジョンについて聞かせてください。

 常にその時代に消費者が求めていること、ブランドが実現したいことをサポートするのが我々のポリシー。ですので、我々が「ああしたい、こうしたい」とかを考えることはないですね。将来の具体的な計画については公にできませんが、これだけ楽しくブランドの方々とともに仕事ができるわけですから、続けない理由はありません。

 

 

ファッションウィークの今後、アマゾンができること

ー冠スポンサーを務める「Amazon Fashion Week TOKYO」では、どんな目的や課題意識を持って活動してきましたか?

 日本のデザイナー達を取り上げ世界に発信することと、消費者に喜びと楽しさを提供することを軸にしてきました。具体的な施策は一般社団法人日本ファッション・ウィーク推進機構(以下、JFWO)の方々が常にベストなものを考えて下さった。我々はそれを実現する最適な方法を模索してきたのです。東京は各国と比較してもデザイナーやブランド数が多く非常に活況で、可能性がある地域だと思っていて、ファッションウィーク自体の規模を拡大することでそれを世界に発信できると考えていました。2018年秋冬シーズンは我々がスポンサーについてから最多となる59ブランドの参加を実現したので、規模の拡大という点に関してはある程度達成できたのではないでしょうか。JFWOのメンバーとも回を追うごとに親密になりましたし、意見を求められれば我々としてベストを尽くした回答をしてきました。

ー11年間国際ディレクターを務めてきた信田阿芸子さんが先月で退任されましたが、何か話しましたか?

 私はこれからゆっくり話せたらと思いますが、チームのメンバーはすでに信田さんと話したようです。彼女は寛大で、常に東京のファッションシーン、ファッションウィークの魅力を発信する方法を考えてくれました。

ー今回のAT TOKYOは主にBtoCですが、これからのファッションウィークの方向性は?

 これまでブランドのクリエイションが世に出るまでは、デザインに始まり資金集め、ショーの開催、バイヤーやプレスへの発信、店舗に置かれてようやく消費者の目に留まるという過程において大変な手間と時間がかかっていました。それがインターネットやSNS、メディアの発展により、個人の作品が他人に届くまでの時間とコストが削減されました。この状況の中で我々が為すべきこととしては、商品と顧客をスムーズに繋げること。世界67ヶ国に展開している我々のマーケットプレイスを活用して、海外のバイヤーや消費者へのリーチをさらに高めることができると思いますね。

ー冠スポンサー契約の継続について、降板の可能性が報道されていますが、今後については?

 具体的な動きや体制、我々のスポンサーシップについては正式な発表まで待っていただくことになりますが、東京のファッションシーンはデザイナーの数が多く、消費者は膨大な商品にアクセスできるという点から、将来性があるのは間違いありません。我々としてはファッションウィークのスポンサーとしての立場に限らず、多方面からシーンの発展をサポートできたらという気持ちでいます。

ー最後に、ピータースさんがこれまでファッションウィークに携わってきた中で印象に残っている瞬間を教えてください。

 これは回答が難しいですね。毎回デザイナーの方々には驚かされるので(笑)。AT TOKYOのプログラム内で行った「ティー(TTT_MSW)」のショーでクラッシュした車の中からモデルが登場した時や、「アンブッシュ®︎(AMBUSH®)」のショーで会場に芝生が出現したこと、「トーガ(TOGA)」が国立新美術館で開催したショーでエスカレーターでモデルが降りてきたこと...挙げるとキリがありません。その驚きや興奮と共に、素晴らしい商品を世界の人々に届けるのが我々のミッションだと考えています。

(聞き手:平原麻菜実)

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