メゾン マルジェラ 2022年春夏「Co-Ed」コレクション
Image by: Maison Margiela
「メゾン マルジェラ(Maison Margiela)」が、ウィメンズとメンズを統合した2022年春夏「Co-ed」コレクションをフィルム形式で発表した。クリエイティブ・ディレクターのジョン・ガリアーノ(John Galliano)が描いたのは「ユートピアンユース(夢想家の若者たち)の願望」。ガリアーノによるオリジナルコンセプトをベースに、フィルムディレクターのオリヴィエ・ダアン(Olivier Dahan)が、月明かりのもとに集まるモデルたちの姿を幻想的に映し出した。
ユートピアンユース(夢想家の若者たち)の願望
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インスピレーション源の一つとなったのは、イギリスの詩人・画家であり、英国ロマン主義の先駆者でもあるウィリアム・ブレイク(William Blake)。その詩から着想を得て、新しい世代が共有する勇気に刺激された歓喜を表現したという。モデルたちは釣り竿を手にしたりボートを漕いだり、霧の深い風景の中で戯れる。ストーリーは抽象的だが、海を連想させるカラーリングや、フィッシャーマン(漁師)風にアレンジされたニーハイブーツなどが象徴的に映る。
時の痕跡を衣服に取り入れる
今回のコレクションでは、「アーティザナル」コレクションで提起したネオアルケミー(新錬金術)の概念をさらに探究。エンザイム・ストーンウォッシュ加工によって生地のテクスチャーや色調を一変させる「Essorage(エソラージュ)」と呼ばれる手法が採用された。「エソラージュ」を用いたアウターは、まるで時間の経過によって変色したかのよう。ガリアーノはこれを「時の痕跡」と表現し、エクリュやラベンダーなど色褪せた色調を効果的に取り入れた。
また、「自然との再結合」も重要な要素に。ウサギやフクロウの刺繍をあしらったニットやソックスはユーモラスな表情をプラス。クロッグサンダルやダンシングダービーシューズには、植物染色が用いられた。映像には、ボートやキャンプといった自然と共存するアウトドアの要素が盛り込まれている。
リサイクルラバーの「タビ」
そして質素なトワルのコートのライニングに精巧な刺繍を施すなど、「反転」のアイデアはメゾン マルジェラならでは。今シーズンの「5AC」バッグは、生分解性ラバーを採用し3Dのフィッシュネットプリントが施されたタイプが登場。さらにタペストリーモチーフのプリントや、色あせたクロコダイルプリントといったバリエーションも豊か。また、フィッシャーマンのワードローブに着想を得てリサイクルラバーで作られた「タビ」ブーツや「タビ」ダービー、「タビ」パンプスなども、メゾンのアイコンに新たな息吹と変化をもたらしている。
Image by: Maison Margiela
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Fuyuko Tsuji
セントラル・セント・マーティンズ出身。モード誌の編集者、通信社のニュース記者を経て、フリーランスのファッションエディター/ライターとして独立。ファッション以外では、現代アートやフィギュアスケートについての記事執筆もこなす。
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