【知ったか脱却メタバース入門】〜最終話〜ファッションとメタバースの関係性、できることとできないこと
Image by: FASHIONSNAP/前田デザイン室DOTOWN
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【知ったか脱却メタバース入門】〜最終話〜ファッションとメタバースの関係性、できることとできないこと
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突如話題になった「NFT」について、今さら聞けない基本知識からファッションの親和性までをわかりやすくお届けした連載「知ったか脱却NFT入門」。今回FASHIONSNAPでは、スピンオフ企画として近年注目を集めている「メタバース」にフォーカスを当てた「知ったか脱却メタバース入門」を全5回に分けてお届け。前回から引き続きナビゲーターに弁護士でクリエイティブ・コモンズ・ジャパンの理事を務める永井幸輔さんと、メタバース用のNFTを製作しているメケゾー(mekezzo)さんを迎え、メタバースの気になるあれこれを聞いてみました。最終回となる今回は、ファッション業界とメタバースの親和性について。日本国内でも様々なブランドがメタバースに参入し始め、盛り上がりを見せているいま"できることとできないこと"をお二人に聞きました。
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先日、メタバース空間上で働き手を探しているという話を小耳に挟んだのですが……。
FASHIONSNAP(以下、F)
mekezoo
ありますよ、イベントスタッフとかが多いですね。列の整理をしたり、困っている人に話しかけたり。
お給料は?
F
mekezzo
現実世界の銀行口座に振り込まれます。
メタバース空間上だけで存在する通貨って無いんですか?
F
mekezzo
ないですし、必要ないです。
「この通貨がないとデジタル上では生きてはいけません、米国通貨みたいなものです」みたいなことも一切ないです(笑)!
日本国内でも様々なブランドがメタバースに参入し始めました。「ナイキ(NIKE)」が最近買収した「アーティファクト(RTFKT)」や「アディダス(adidas)」も独自のメタバースへのアプローチを始めたりと、ファッション業界にも着々とメタバースブームの波がきているのかな、と。
F
mekezzo
実は現状では、アバターに着用させた上でメタバース空間上をあるけるような「NFTデジタルウェア」は少ないんですよね。
永井
そういうユーティリティのあるものは、「デジタルファッション」という言い方もされますよね。
それを持っていて「嬉しい」という気持ちをユーザーに持たせることが難しい、と。
F
永井
そうですね。メタバースで本当に「着られる」NFTが普及するのは、まだまだこれからなのではと。
mekezzo
ウェアラブルにすることが難しいんですよね。
服を着て歩いたら生地が揺れるようなディテールをデジタル空間上で表現することは愚か、技術的に、メタバース空間で希少性のある服をアバターに着せることはハードルが高いはず。
永井
できたとしても、Aの空間では着用できるけどBの空間では着ることができないということが実際に起こり始めているんですよね。
mekezzo
例えるなら、メタバース空間上ごとでSサイズ、Mサイズ、Lサイズの大きさの定義が違うんです。
日本ブランドのSサイズと、海外ブランドのSサイズだと同じ「Sサイズ」という表記でも全然大きさが違う、みたいな現象と近しいです。
その現状を聞くとたしかに、デジタルファッションがNFTである必要も無いし、ユーティリティの創出はなかなか難しそうですね。
F
mekezz
もし現状でユーティリティが生まれそうなデジタルファッションを考えるとしたら、モデルがしっかりと着こなした服、そのアバターのための服を持つことなのかな、と。
永井
バービー人形や、リカちゃん人形のような「着せかえ人形」という形で、アバターと服を楽しむということですね。
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