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【令和のマストバイヴィンテージ】今買っておくべき名品は? vol.57 オールドステューシー Tシャツ編

オールドステューシー Tシャツ

Image by: FASHIONSNAP

オールドステューシー Tシャツ

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【令和のマストバイヴィンテージ】今買っておくべき名品は? vol.57 オールドステューシー Tシャツ編

オールドステューシー Tシャツ

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 歴史的な背景を持つ、ヴィンテージ古着。製造された年代が古いものや希少性が高いものが一般的に珍重されていますが、ヴィンテージの楽しみ方はそれだけではありません。この連載では、さまざまな視点でヴィンテージ古着の楽しみ方が味わえるアイテムを、国内最大規模のヴィンテージの祭典を主催するVCM代表 十倍直昭が「令和のマストバイヴィンテージ」として毎週金曜日に紹介。第57回はオールドステューシー Tシャツ編。

VCM inc.代表取締役

十倍直昭

2008年よりヴィンテージショップを運営。その後2021年には、ヴィンテージ総合プラットフォーム VCM(@vcm_vintagecollectionmall)を立ち上げ、来場者を1万人以上を動員する、日本最大級のヴィンテージの祭典「VCM VINTAGE MARKET」を主催している。
また渋谷パルコにて、マーケット型ショップの「VCM MARKET BOOTH」、エルメスジュエリーを専門に取り扱う予約制ショップ「VCM COLLECTION STORE」、イベントスペース「VCM GALLERY」を運営。
2023年10月には初の書籍「Vintage Collectables by VCM」を刊行するなど、ヴィンテージを軸とした様々な分野で活動し、全国のヴィンテージショップとファンを繋げる場の提供や情報発信を行っている。

コラボレーションの草分け、ファッションシーンに与えた影響

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 今回は「ステューシー(STÜSSY)」のTシャツをピックアップしました。ステューシーは、サーファーでありシェイパー(サーフボードの原型をデザインし形を作り上げる職人)でもあったショーン・ステューシー(Shawn Stussy)が、1980年に創業。「ショーンフォント」と呼ばれる独特なサインをプリントしたTシャツをサーフボードとあわせて販売したことがきっかけだったそうです。

オールドステューシー Tシャツ

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 ステューシーはストリートブランドの草分け的存在で、これまで数多くの革新的な試みを打ち出してきました。そのひとつが、今やファッションの世界では当たり前の手法となった「コラボレーション」です。当連載第1回目で紹介したカーハートのジャケットのようなコラボをかなり早い段階で行っており、その手法は「グッドイナフ(GOODENOUGH)」や「ア ベイシング エイプ®︎(A BATHING APE®︎」に代表される裏原系ブランドに引き継がれ、その後は「シュプリーム(Supreme)」によって全世界に拡散(ちなみにシュプリーム創業者はステューシーの運営に携わった経験あり)。ストリートから最も遠い存在だったラグジュアリーブランドでも現在は頻繁にコラボが行われていますが、その源流となったのがステューシーなので、ファッションシーンに与えた影響は絶大だと言えるでしょう。

 そんなステューシーのTシャツは1990年代から支持を集めており、1980〜90年代初期の人気アイテムのなかにはその頃から数万円の価格が付けられているものもありました。そのひとつが、フォトTシャツです。特に、下の画像左中央の男の子がアップになっているものは、「トヨダくん」と呼ばれるオールドステューシーのなかでも屈指の人気アイテム。現在も活躍する日本人スケーター 豊田貢さんの幼少期の写真にショーンフォントを組み合わせた、インパクト満点の逸品です。

 ステューシーはDJやミュージシャン、ラスタカルチャーとも深い繋がりがあったブランド。左のTシャツはボブ・マーリー(BOB MARLEY)の大きなプリントに、ラスタを象徴するレッド、イエロー、グリーンのカラーが大胆にあしらわれています。右のアイテムは名作映画「ローマの休日」の印象的なシーンである、ベスパに乗るふたりをモチーフにしています。ステューシーのフォトTシャツは、既存の写真を引用したアイテムが少なくありません。著作権などの規制が緩かったであろう、この頃の時代感が伝わってきますね(笑)。

オールドステューシー Tシャツ

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オールドステューシー Tシャツ

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 フォトTに続いて人気なのが、ドラゴンモチーフのTシャツです。ドラゴンはステューシーを象徴するモチーフのひとつで、Tシャツだけでなくジャケットやシャツにもあしらわれており、ドラゴンモチーフに強い思い入れを持って蒐集している人も多いようです。

オールドステューシー Tシャツ

少なくとも7種類のドラゴンモチーフTシャツが確認されている

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オールドステューシー Tシャツ

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バラエティ豊かなデザイン、ステューシーの魅力とは

 ステューシーのアイテムは製造年代によってタグが異なります。1980年代から90年代中盤まで用いられた「黒タグ」「白タグ」のアイテムはショーン・ステューシー自身がデザインを手掛けていたと言われており、この頃のアイテムで人気なのがキャラクターのイラストTシャツ。程よく力が抜けた、茶目っ気のあるキャラクターは時代を超えて愛されています。そのなかでもこちらの3アイテムはそれぞれピエロやジョーカー、シャドーマンと呼ばれている人気のデザインで、特にジョーカーはオールドステューシーTシャツのトップピースと言える逸品です。

オールドステューシー Tシャツ

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オールドステューシー Tシャツ


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オールドステューシー Tシャツ

通称「黒タグ」

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オールドステューシー Tシャツ

通称「白タグ」

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 また、ユーモアのあるパロディデザインもステューシーが得意とするところ。例えば下の画像右のTシャツのプリントは、某大手スポーツブランドのスニーカーのようですが、よくよく見るとサイドに走る線が4本。そして、「OLD SKOOL FLAVOR」のショーンフォントがあしらわれています。ストリートカルチャーの背景を知っていると、クスリと笑える遊び心のあるデザインですね。

オールドステューシー Tシャツ

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 今回掲載したアイテムは、オールドステューシーを専門的に扱う東京・高円寺のヴィンテージショップ「curb」にご提供いただきました。オールドステューシーのTシャツは希少な人気アイテムになると80万円以上の価格になることもありますが、ブランドの歴史が長く、市場に多くの商品が流通しているため、アンダー1万円から手に入れられるアイテムも少なくありません。現行品でも素敵なデザインのTシャツがたくさんあるので、自分にぴったりの一着を探してみてください。

オールドステューシー Tシャツ

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編集:山田耕史 語り:十倍直昭

(BOB MARLEY)

最終更新日:

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