「ランバン」2021年春夏キャンペーンに起用されたパリス・ヒルトン
「ランバン」2021年春夏キャンペーンに起用されたパリス・ヒルトン
Image by: LANVIN

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2021年のファッションクイーンは「パリス・ヒルトン」に? 今改めて注目を集める理由

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「ランバン」2021年春夏キャンペーンに起用されたパリス・ヒルトン
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 パリス・ヒルトン(Paris Hilton)が、ファッション業界で再び注目を集めている。昨年後半から、「ランバン(LANVIN)」「コーチ(COACH)」「ヴァレンティノ(VALENTINO)」といったブランドがパリスをモデルとして続々と起用。2000年代に「お騒がせセレブ」として一世を風靡してから約20年の時を経て、今改めてファッションアイコンとして注目を集める理由とは?

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「元祖インフルエンサー」としての存在感

 「ランバン」は3月15日、パリス・ヒルトンをモデルに起用した2021年春夏キャンペーンを発表。撮影は、写真家デュオ マート・アラス&マーカス・ピゴット(Mert Alas & Marcus Piggott)が手掛けている。1950年代のニューヨークの社交界の女性(通称スワン)のポートレートに着想を得たヴィジュアルで、現代のスワン=インフルエンサーとして捉え、元祖インフルエンサーのパリス・ヒルトンを被写体に抜擢したという。

 2000年代初頭に奔放なライフスタイルやリアリティショーへの出演で注目を集めたパリスに今改めて熱視線を注ぐのは、「ランバン」だけではない。米VOGUEが昨年12月に掲載した「ヴァレンティノ」の特集ページでは、パリスに加えて妹のニッキー、そして母のキャシーをモデルに起用。パリス一人だけ、iPhoneでセルフィーした「パリス・ヒルトン」というパーソナリティを強調したヴィジュアルとなっている。

「Y2K スタイル」の人気

 約20年の時を経て今改めて注目を集める背景にあるのは、先の「元祖インフルエンサー」としてのポジションに加えて、「Y2Kスタイル」の流行がある。Y2Kとは、Year2000の略で、1990年代後半〜2000年代半ばに流行したスタイルを指す。インターネットが浸透し始めた時代で、フューチャリスティックな要素を持ちながら、今から振り返るとノスタルジックに映るのが特徴だ。

 Y2Kスタイルを代表するアイテムとしては、「ジューシー クチュール(JUICY COUTURE)」のベロアジャージ、小脇に抱えて持つショートハンドルのミニバッグ、「アグ(UGG®)」ブーツ、ブラックベリー、ローライズジーンズ、折りたたみ携帯電話、ラインストーンやラメ、ビーズアクセサリー......などが挙げられるだろう。InstagramでY2Kスタイルを意味する「#y2kaesthetic」で検索すると約53万件の投稿がヒットし、YouTubeではY2Kスタイルのハウツー動画が投稿されている。

 「Y2K」トレンドの兆しは数年前からあった。特筆すべきは、2016年に「ヴェトモン(VETEMENTS)」が「ジューシー クチュール」とのコラボを発表したことだろう。続いて2017年には「バレンシアガ(BALENCIAGA)」が「クロックス(Crocs)」とコラボ。2018年には「ワイ・プロジェクト(Y/PROJECT)」と「アグ(UGG)」のコラボ、そして「セックス・アンド・ザ・シティ」の主人公キャリーが愛用した2つのバッグ、「ディオール(DIOR)」のサドルバッグ(2000年に誕生)と、「フェンディ(FENDI)」のバゲット(1997年に誕生)が復刻。2019年には「サムスン」から折りたたみ式スマートフォン「Galaxy Fold」が登場するなど、Y2Kを象徴するアイテムに改めてスポットライトが当てられていったのだ。

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 トレンドはミラノコレクションにも。現在30歳のクリエイティブ・ディレクター ニコラ・ブロナーニョ(Nicola Brognano)が手掛ける「ブルマリン(Blumarine)」は今年2月、Y2Kをテーマにした2021年秋冬コレクションを発表。ピンクやパープル、ライトブルーをカラーパレットに、ローライズ、フレアジーンズ、ファー、バタフライモチーフ、クリスタル......といったY2Kトレンドを詰め込み、2021年向けのウェアに落とし込んだルックがランウェイに登場し注目を集めた。実際、ニコラ・ブロナーニョは今季のインスピレーション源にブリトニー・スピアーズやパリス・ヒルトンの名を挙げている。

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 Y2Kスタイルのトレンド下において、当時「ジューシー  クチュール」のベロアジャージに「ヴォン・ダッチ(Von Dutch)」のハンドバッグを持ち、アグブーツを履く姿が度々パパラッチされていたパリス・ヒルトンが再評価されているのは頷けるというわけだ。パリスが出演し、昨年12月に公開された「コーチ(COACH)」のショートハンドルミニバッグ「スウィンガー(Swinger)」のキャンペーンフィルムは、2000年代のインターネットの風景を彷彿とさせる、非常にY2K的な仕上がりだ。

 2000年代のカルチャーに触れて育った世代が現在20代後半〜30代となり、クリエイティブシーンにおいても「制作側」となったことで、自身にとってノスタルジックなカルチャーを提案する事例が増えているという可能性も考えられる。細かな時期やジャンルは違えど、日本においても現在「エンジェルブルー(ANGEL BLUE)」や「ベティーズブルー(BETTY'S BLUE)」など、同じ世代にとって「エモい」ブランドの復刻という似たような現象が起こっているのだから。20年の時を経て、当時の美貌のままファッションアイコンとして返り咲いたパリス・ヒルトンの活躍に今年は注目したい。

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