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リアーナの押さえておくべき功績【連載:いまさら聞けないあのアーティストについて】

まずは聴いておくべき10曲も紹介

リアーナ

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リアーナの押さえておくべき功績【連載:いまさら聞けないあのアーティストについて】

まずは聴いておくべき10曲も紹介

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 全く異なるジャンルでありながら、古くから蜜月関係にあるファッションと音楽。ここ十数年でその結び付きはさらに強くなり、今やファッションメディアでなにがしのアーティスト名を見ない日は無いと言ってもいいほどである。だがアーティスト名は目にするものの、彼/彼女らがファッションシーンへと参画した経緯や与える影響力、そして何よりも楽曲に馴染みが薄く、有耶無耶の知識のまま名前だけを認知している人も少なくないだろう。

 そこで本連載【いまさら聞けないあのアーティストについて】では、毎回1組のアーティストをピックアップし、押さえておくべき音楽キャリアとファッションシーンでの実績を振り返り、最後に独断と偏見で「まずは聴いておくべき10曲」を紹介。第13回は、“21世紀最大の歌姫”と称されるバッドガール・リリ(Badgal Riri)ことリアーナ(Rihanna)についてをお届けする。(文:Internet BoyFriends)

■いまさら聞けないあのアーティストについて:連載ページ

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運命の出会いから「デフ・ジャム」所属に

 現在35歳のリアーナの本名は、ロビン・リアーナ・フェンティ(Robyn Rihanna Fenty)で、1988年2月20日にカリブ海に浮かぶ島国バルバドスにて、バルバドス人の父ロナルド・フェンティ(Ronald Fenty)とガイアナ人の母モニカ・ブレイスウェイト(Monica Braithwaite)との間に生まれた。幼い頃から歌うことが大好きで、特にカリブ音楽を好んでいたが、のちに「“Black Madonna”になりたかった」と振り返るほど、マドンナ(Madonna)に強い影響を受けていたという。また、通っていた中学校のミスコンテストで優勝するなど、当時からそのエキゾチックな美貌と抜群のスタイル(身長173cm)から地元でも知られた存在だったそうだ。

 そして、15歳の時に人生の転機が訪れる。なんでも、休暇でリアーナの実家近くに滞在していた人気音楽プロデューサーのエヴァン・ロジャース(Evan Rogers)が主催したオーディションに友達2人とトリオで参加し、デスティニーズ・チャイルド(Destiny's Child)の「Emotion」やマライア・キャリー(Mariah Carey)の「Hero」を披露したところ、皮肉にもリアーナだけがロジャースの目に留まり、すぐさま歌手デビューの手配が進んだというのだ(諸説アリ)。その中で、デモ音源が送られた先のレーベルの1つにジェイ・Z(Jay-Z)の率いる「デフ・ジャム(Def Jam)」もあり、リアーナの歌声を耳にしたジェイ・Zはすぐさまアメリカ・ニューヨークの事務所まで呼び出し、「ここから出るには、2つの方法がある。契約書にサインしてドアから出るか、(29階の)窓から出るかだ」と半ば強引に勧誘。しかし、リアーナはこれを誉なことだと捉え、晴れて16歳にして「デフ・ジャム」の所属アーティストとなったのである。

17歳の“クイーン・オブ・ダンスホール”

 2005年初頭に「デフ・ジャム」と契約すると、同年5月にデビューシングル「Pon de Replay 」を発表し、8月にはデビューアルバム「Music of the Sun」をリリース。バルバドス出身らしいレゲエやダンスホールを押し出した同作は、見事全米R&B/ヒップホップ・アルバムチャートで初登場1位を記録し、早くも17歳にして“クイーン・オブ・ダンスホール”と称され、新世代の歌姫の誕生を知らしめた。

 続く2ndアルバム「A Girl like Me」は、「Music of the Sun」のわずか8ヶ月後の2006年4月にリリースされると、ルーツの影響が色濃いポップとR&Bを融合した作品として高い評価を得ただけでなく、リードシングル「SOS」が全米シングルチャートで3週連続で1位を獲得する快挙を達成。そして、約1年後の2007年6月に発表した3rdアルバム「Good Girl Gone Bad」では、「グッド・ガールがバッドになった」というタイトル通り10代のピュアなティーンネイジャーのイメージを払拭すべく、美の象徴的存在やセックス・シンボルとしての方向性にシフト。当初は懐疑的な意見もあったが、恩師とも言えるジェイ・Zとのコラボ楽曲で、翌年にはグラミー賞で最優秀ラップ/ソング・コラボレーション賞を受賞する収録曲「Umbrella」のヒットも手伝い、前作の倍以上となる売り上げを見せ一気にスーパースターの座に上り詰めた。

デビュー7年目にして念願の全米1位を獲得

 その後、当時のボーイフレンドだったクリス・ブラウン(Chris Brown)からの暴行事件も影響し、それまでで最もリリース間隔が空く形で2009年11月に4thアルバム「Rated R」をリリースした。邦題が“R指定”であるように、全体的にロックやダブステップの要素を取り入れたダークな雰囲気を特徴とし、「Good Girl Gone Bad」ほどの伸びは見せなかったが、批評家からは肯定的評価を獲得。一方、ちょうど1年後にリリースされた5thアルバム「Loud」は、空前のEDMブームの渦中だったこともあり、これまで以上にダンスが中心のポップで爽やかなサウンドに仕上げ、全米アルバムチャートでは3位と首位を獲得することはできなかったが、ほぼ全ての国と地域でチャート上位に食い込む成功を収めた。

 さらに1年後の2011年11月にリリースした6thアルバム「Talk That Talk」も、「Loud」同様にマーケットを意識したダンス色の強い作品で、カルヴィン・ハリス(Calvin Harris)とのリードシングル「We Found Love」は全米シングルチャートの首位に10週間も留まる大ヒットを記録。また、奇しくも4年連続11月のリリースとなった7thアルバム「Unapologetic」は、積極的にヒップホップとレゲエの要素を取り込み、デビューから7年目かつ7作目にして念願の全米アルバムチャート1位を手にし、名実共に全米No.1となったのである。

カムバックは2024年以降?

 「Unapologetic」までのリアーナは、ほぼ毎年のようにアルバムをリリースしていたが、以降は後述するファッションやビューティなどのジャンルにも活躍の幅を広げたこともあり、しばし制作活動を休止。それと同時に「デフ・ジャム」との契約を解消し、新たにジェイ・Zが設立したレーベル「ロック・ネーション(Roc Nation)」へ移籍して心機一転、8thアルバム「Anti」の制作に着手した。3年以上の制作期間が充てられた同作は、収録曲がインターネットでリークされたため当初の予定から早めて2016年1月にリリースされ、サウンドもそれまでと打って変わって全体的に落ち着いた雰囲気だったが、それを物ともせず2作連続で全米アルバムチャートの1位を獲得。特にドレイク(Drake)との収録曲「Work」は、全米年間シングルチャートで4位を記録するメガヒットとなり、のちのダンスホール・ポップの流れを決定付けたエポックメイキングな楽曲に位置付けられている。

 「Anti」を最後にリアーナはソロ活動から一旦離れ(フィーチャリングにはたびたび参加)、ライブも2018年を最後に一切行っていなかった中、2022年に「第57回NFLスーパーボウル」のハーフタイムショーに出演することをアナウンス。続けて、映画「ブラックパンサー/ワカンダ・フォーエバー」のサウンドトラックのリード曲で、ソロとしては約6年9ヶ月ぶりの新曲「Lift Me Up」を発表し、4年以上にわたって“リアーナ飢餓”に陥っていたファンたちを沸かせたのである。

第57回NFLスーパーボウル:YouTube

 この一連の動きから音楽シーンへのカムバックかと思われたが、2022年5月に誕生したエイサップ・ロッキー(A$AP Rocky)との第1子レザ・アセルストン・メイヤーズ(RZA Athelston Mayers)に続き、2023年後半に出産予定の第2子を妊娠中ということで、本格的な音楽業界への復帰は早くても2024年になってからだろう。

ウィメンズのストリートシーンを席巻した「フェンティ プーマ」

 ここからは、ファッションおよびビューティの側面でリアーナを掘っていきたい。彼女は、“21世紀最大の歌姫”であり、セックスシンボルであり、ファッションアイコンでもある。17歳のデビュー時から多くのファッションブランドが“ダイヤの原石”を注視する中、当時フリーダ・ジャンニーニ(Frida Giannini)が率いていた「グッチ(GUCCI)」は、リアーナが18歳で慈善団体を立ち上げた人道主義者としての面も高く評価し、ユニセフ支援プロジェクトのアンバサダーに任命。以降、フリーダ退任後も「グッチ」とは良好な関係を続けている。

 また、2014年に「プーマ(PUMA)」は女性への影響力の高さから、リアーナをグローバル・アンバサダーおよびウィメンズのトレーニングラインのクリエイティブ・ディレクターに招へいし、リアーナの本名「フェンティ」に由来するオリジナルライン「フェンティ プーマ(Fenty PUMA)」を設立。この頃、メンズのストリートシーンではカニエ・ウェスト(Kanye West)ことイェ(Ye)が主宰する「イージー(YEEZY)」が絶対的王者だったが、ウィメンズのストリートシーンは「フェンティ プーマ」が席巻しており、アイコンスニーカー「フェンティ プーマ クリーパー(Fenty Puma Creeper)」は世界的スニーカー専門メディア「フットウェア ニュース(Footwear News)」が発表する“2016年のベストスニーカー”に選出されていた。なお同ラインは、「他のプロジェクトに専念する」という理由から2017年のコレクションを最後に休止されていたが、先日「プーマ」の公式アカウントにて再始動のアナウンスがあったので、今年中になんらかの動きがあると見て間違いないだろう。

実業家としても成功

 「プーマ」とのタッグを組んで以降、リアーナはアーティストではなく実業家としてファッションおよびビューティシーンへの参画をスタート。2017年にLVMHモエ ヘネシー・ルイ ヴィトン(LVMH MOET HENNESSY LOUIS VUITTON)のバックアップを受けて立ち上げたビューティブランド「フェンティ ビューティ(FENTY BEAUTY)」は、幼い頃に肌の色が原因で差別された経験をもとに、「Beauty For All(全ての人を美しく)」を掲げ、あらゆるタイプの肌に効果的な処方と誰にでも合うカラーで展開。リアーナという看板以上に、白人主義の美容業界で長らく無き声とされていたダークトーンの肌を持つ消費者たちのニーズに応えたことで、初月だけで1億ドル(約139億円)以上の売り上げがあったという。

 さらに、2019年にまたしてもLVMHと共にラグジュアリーブランド「フェンティ(FENTY)」を設立。LVMHがブランドを立ち上げるのは1987年の「クリスチャン ラクロワ(CHRISTIAN LACROIX)」以来2度目で、なおかつ有色人種の女性として初めて同グループとパートナーシップを締結したことでかなりの注目を浴びていたものの、パンデミックの影響からわずか2年で休止となってしまった。それでも、先の「フェンティ ビューティ」と2018年設立のランジェリーブランド「サヴェージ X フェンティ(SAVAGE X FENTY)」、2020年設立のスキンケアブランド「フェンティ スキン(FENTY SKIN)」は絶好調で、昨年には“アメリカにおける自力で財を成した最年少女性ビリオネア”となるなど、多様性や包括性の実現に取り組みながら大きな成功を収めている。

型破りなマタニティコーデ

 最後に、マタニティコーデについて。そもそも妊娠中の女性は、免疫力や感染症の観点から体を冷やすことが御法度とされており、マタニティコーデといえばお腹をカバーするのが主流だったが、リアーナはふっくらしたお腹も含めたスタイリングを発案。当初、この肌見せを積極的に取り入れたマタニティコーデには批判の声もあったが、アメリカをはじめとするマタニティ市場に新風を吹き込み、今や多くのブランドが肌見せを想定したアイテムをラインナップするようになったのである。

まずは聴いておくべき10曲

1曲目:Pon De Replay

1stアルバム「Music Of The Sun」(2005年)収録曲で、デビュー・シングル。“ダンスホール・レゲエに強力なビートを合わせたポップ・ソング”として高く評価された。

2曲目:Umbrella

3rdアルバム「Good Girl Gone Bad」(2007年)収録曲で、恩師ジェイ・Z(Jay-Z)とのコラボ楽曲。作曲者が多くのアーティストに同時に売り込んでいたため、メアリー・J. ブライジ(Mary Jane Blige)やブリトニー・スピアーズ(Britney Spears)が歌う可能性もあったが、紆余曲折ありリアーナのものとなった。グラミー賞では最優秀ラップ/ソング・コラボレーション賞を受賞。

3曲目:Love The Way You Lie

エミネム(Eminem)の11thアルバム「Recovery」(2010年)収録曲。DVの加害者と被害者の歪んだ関係を表現した楽曲で、エミネムの“最も売れたシングル”となっている。

4曲目:Only Girl (In The World)

5thアルバム「Loud」(2010年)収録曲。全米シングルチャートの首位を獲得した9作目かつ、グラミー賞ではベスト・ダンス・レコーディング部門を受賞した一曲。

5曲目:We Found Love

6thアルバム「Talk That Talk」(2011年)収録曲で、カルヴィン・ハリス(Calvin Harris)とのコラボ楽曲。アップテンポのテクノ曲で、全米シングルチャートの首位に10週間も留まる大ヒットを記録し、27ヶ国でも1位を獲得した。

6曲目:Diamonds

7thアルバム「Unapologetic」(2012年)収録曲で、リアーナを代表するパワーバラード。「第57回NFLスーパーボウル」のハーフタイムショーでは、同楽曲がラストソングとして披露された。

7曲目:FourFiveSeconds

アルバム未収録曲(2015年)で、ポール・マッカートニー(Paul McCartney)とイェ(Ye)ことカニエ・ウェスト(Kanye West)との豪華コラボ楽曲。ポールは歌わずギターで参加し、イェはラップではなく歌うという新鮮な作品。

8曲目:Work

8thアルバム「Anti」(2016年)収録曲で、ドレイクとのコラボ楽曲。その年の全米年間シングルチャートで4位を記録するメガヒットを記録し、楽曲名は“仕事”ではなくカリブ海周辺国で使われている“セックス”を意味するスラング。

9曲目:This Is What You Came For

アルバム未収録曲(2016年)で、カルヴィン・ハリスとのコラボ楽曲。ハリスの元恋人テイラー・スウィフト(Taylor Swift)について歌っており、テイラー本人も制作に携わっている。また、「FIFA ワールドカップ ロシア 2018」の決勝戦後に会場で披露された。

10曲目:Lift Me Up

映画「ブラックパンサー/ワカンダ・フォーエバー」(2022年)のサウンドトラックで、ソロとしては約6年9ヶ月ぶりの新曲。監督ライアン・クーグラー(Ryan Coogler)らと共に、主人公を演じた故チャドウィック・ボーズマン(Chadwick Boseman)に捧げるために制作された。

■いまさら聞けないあのアーティストについて:連載ページ

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東京とロンドンを拠点に活動するエディターやライター、スタイリスト、フォトグラファー、グラフィックデザイナーが所属。

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