Fashion インタビュー・対談

【インタビュー】STUDIOUS 谷正人 30歳社長の挑戦

店舗も増えて、売上も増加していますね。

 正直「急成長」という実感はないです。石橋を叩いて渡るタイプなので、7割くらい勝つ見込みのある勝負しかやっておらず、一か八かのチャレンジをしたことはありません。ですから売り上げ30億というのは、私としては遅い成長の中でも、着実に店舗は増え、社員も育っている実感はあります。

好調の理由は。

 あらゆる判断をお客様視点で行うことを徹底した結果が今に繋がっていると思います。例えば在庫管理。売上目標を設定して在庫量を決めるのではなく、お客様のニーズに応じて商品発注を行っています。そうすれば不良在庫もなくなり過剰なセールをする必要も無くなるので、従来のしきたりや決まり事に囚われずに済む。お客様の視点で判断して来たことが成長の理由だと思っています。

販売員が展示会に行くのも珍しいですよね。

 私が考える販売員の理想は、地方の個人店のオーナーなんです。地方の個人店は外的環境が厳しい中でも、オーナーさんが自ら展示会に足を運んで、自らお客様を作り、自ら販売し、スタッフも育てて、販売促進もしかける。そういうスタイルを全員ができるようになるのが理想です。

 逆に「こんな販売員にはなりたくないな」というのが、センターオペレーションの本部にだけ良い人材が集まって、販売は現場にお任せというスタンス。従来のセレクトショップにはカリスマバイヤーがいますが、これからのセレクトショップは一人のカリスマバイヤーに頼るのではなく、全員が何でもできる万能プレイヤーになるという組織力が大切だと思います。

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メイドインジャパンではなく、「日本発のクリエイション」という言い回しにこだわりを感じます。

 すごく良い質問ですね。メイドインジャパンのものづくりは既に世界的には認知されている。例えば海外のラグジュアリーブランドが、日本の岡山でデニムを作ることがあるように、メイドインジャパンの素晴らしさは既に世界に伝わっているんです。だからこそ私たちは、メイドインジャパンの良さの上に、創造性をプラスした"日本発のクリエイション"を発信したいと考えています。日本発のクリエイションの良さって、年代や文化、テイストなどに囚われず、自由な発想で表現できるところ。日本のデザイナーは最近、特にその傾向を持っていると思います。

 ヨーロッパのデザイナーは比較的保守的なブランドが多い。また韓国、香港、台湾などアジアにも斬新なブランドはありますが、ものづくりの技術が追いついていないところもあります。日本発のブランドの良いところは、昔からの伝統的なメイドインジャパンのものづくりに、斬新な発想がしっかりとプラスされている。世界に自信を持って発信できるコンテンツだと思います。

「日本のブランド」の基準は継続していくのでしょうか?

 少なくとも、セレクトショップ「STUDIOUS」に関しては日本ブランド以外の取り扱いは行いません。もちろんイタリアの生地など海外のマテリアルを使うことはありますが、「日本人デザイナーが手掛ける東京ブランド」は外さないですね。だからデザイナーが誰だかわからない企業ブランドとは積極的に取引はしていません。バイイングするときの私たちの基準でもあるのですが、基本的には洋服だけでなく、服を手掛けたデザイナーともしっかりと話し、デザイナーの持っている世界観やブランドの付加価値までバイイングするようにしています。

日本に住んでいる外国人デザイナーは含まれますか?

 よく社内でも議論になりますが、基本的には含まれません。海外に住んでいる日本人デザイナーは含まれます。

どういったブランドをセレクトしているのですか?

 取り扱うブランドは大きく分けて2種類あって、1つはインキュベートしていきたい若いブランド。「SHAREEF(シャリーフ)」のように一緒に育っていって有名なブランドになるというケースです。もう1つは、昔は私たちの実力がなく、取り扱うことができなかった「FACTOTUM(ファクトタム)」「White Mountaineering(ホワイトマウンテニアリング)」「plumpynuts(プランピーナッツ)」など既に東京コレクションに出ている知名度があるブランド。最近、このようなブランドとも一緒に仕事ができるようになったので、今後も日本の有力なブランドと一緒にやっていきたいです。

セレクトの基準は?

 テイストに関してはブランドによって柔軟に対応していくので、セレクトの基準という基準はあまり無いのですが......。あえて基準をあげるならばやはり"人"ですね。デザイナーを含めたブランド自体の考え方や、言っている事と表現しているクリエイションにギャップはないのか、確実に前回の展示会よりも進化しているかどうかが重要です。

 STUDIOUSではメイドインジャパンでオリジナルのものづくりをしているので、ある程度のことは判断できます。どこにでもあるような生地を「珍しい生地でわざわざ引っ張ってきて......」みたいな表層的な営業をしているところとは付き合えないですよ。

―今後取り入れたいブランドは?

 世界で活躍しているブランドとは一緒にやりたいと思っています。

展示会には今でも行くのですか?

 昔ほどではないですが、今でもメンズウェアの展示会は全部行っています。ほかにも新たに獲得したいブランドは必ず行きますよ。

年間、どれくらいの展示会に行くのでしょうか。

 約200ブランドですかね。


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