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【トップに聞く 2022】TOKYO BASE 谷正人代表 「ヨウジの売れ行きは圧倒的」 中国市場戦略を聞く

 新しい生活様式はもはや日常へと移行し、それに伴い企業の舵取りも大きく変化している。FASHIONSNAPは経営展望を聞く「トップに聞く 2022」を今年も敢行。第18回は「ステュディオス(STUDIOUS)」などを展開するTOKYO BASEの谷正人代表。積極出店からステュディオスのオリジナル商品撤退、新業態の立ち上げまで、ゲームチェンジャーを掲げ仕掛けてきた「攻めの経営」の全容と手応えを聞いた。

TOKYO BASE 谷正人CEO Image by FASHIONSNAP
TOKYO BASE 谷正人CEO
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■谷正人
1983年生まれ、静岡県浜松市出身。中央大学商学部卒業後、2006年にデイトナインターナショナルに入社。翌年にステュディオス原宿本店オープン事業部長としてステュディオス業態を立ち上げ、2009年に同社ステュディオス事業部 事業部長を経て、MBOにて独立。2009年にSTUDIOUS(現TOKYO BASE)代表取締役として事業開始した。

「攻めの経営」から得たもの

―2021年はどんな一年でしたか?

 テーマに「ゲームチェンジャー」を掲げ、「攻め」の施策に取り組みました。新規出店数は2021年だけで29店舗、この秋冬でも18店舗でしたから、例年と比べても割と多かったですね。中国出店も加速させましたし。あとは、「ザ トウキョウ(THE TOKYO)」と「エープラス トウキョウ(A+ TOKYO)」という新業態を秋に始めたり、オフィスは移転して以前の2.5倍に拡大しました。また、一部の社員の給与水準も上げたりと、“他社がこの時期にしたがらない”ことを積極的に仕掛けていきました。

コロナ禍の小売業で事業縮小の動きが広まる中で異例かもしれません。

 “ゲームチェンジャー”側からすると攻めやすい環境が生まれましたね。例えば、路面店では明治通りに「ユナイテッド トウキョウ(UNITED TOKYO、以下ユナイテッド)」や「パブリック トウキョウ(PUBLIC TOKYO、以下パブリック)」の大型店を出店しましたが、家賃が下がったこのタイミングだったからこそ実現できたことです。オフィスや路面店の家賃、人材採用だけではありません。商品の仕入れにおいても良いブランドや工場、取引先とお取り組みしやすくなりました。

中国の“ヨウジ人気”はラグジュアリー並み

―2021年は中国に12店舗を出店しました。

 セレクト業態の「ステュディオス(STUDIOUS)」、オリジナルブランドのユナイテッドとパブリックそれぞれ店舗を展開していますが、どのブランドも現地のマーケットから高い評価をもらっているので、好立地の出店提案が届いています。今では中国国内だけで21店舗(EC3店舗を含む)あります。

―好調な店舗と苦戦している店舗の傾向としては?

 ステュディオス事業は動きがいいですね。上海、北京、深セン、広州などのいわゆる一線都市が非常に調子がいいです。

 ユナイテッドとパブリックに関しては、僕たちの基準では売り上げがちょっと低い印象がありましたが、周りのテナントに比べると売れていますね。まだ一線都市のみの出店ですが、地域による気候の寒暖差への対応が課題です。

―人気のアイテムはやはりベーシックです

 最初はデザインが派手なものしか売れないかと思っていたんですが、実際はベーシックなものでもそれぞれのブランドが得意とするアイテムが人気ですね。2ブランドともに2022年も継続して出店する方針です。海外比率が多くなってくると、中国の納期に応じたものづくりができるようになるので、さらに売り上げを伸ばしていきたいですね。

―中国におけるヨウジヤマモトの店舗運営代行もスタートしました。

 「寧波阪急」内にオープンした店舗が運営代行としては初の取り組みになりましたが、売れ行きは圧倒的ですね。ヨウジヤマモトは本当にすごい。さらに中国市場を知り尽くしたうちの営業力が積み重なって、寧波阪急内に出店するテナントとしてはラグジュアリーブランドと同様の売り上げを取っています。ヨウジさんとは今後もこのような取り組みを続けていきたいです。

―他のブランドの運営代行も検討していますか

 お問い合わせはいくつか届いていますが、我々としては世界で本気で勝負できるコンテンツと一緒にやっていきたいと思っています。ステュディオスで扱っている、あるいはこれから扱うブランドを含めてチャンスがあれば前向きに取り組みたいですね。

Image by FASHIONSNAP
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―中国の単体売上高は日本国内の規模にはまだ及びませんが、長期的に見ると日本を上回る可能性も出てきそうですね。

 このままいけば可能性はありますね。中期時点で日本の実店舗の売上構成比は50%ですが、期末には中国の売上構成比が20%を超えてくると思います。

■2022年1月期第3四半期 売上高の内訳
TOKYO BASE(単体):115億9300万円(前年同期比13.2%増)
香港現地法人:1億8100万円(前年同期比19.5%増)
中国現地法人:18億2800万円(前年同期比432.1%増)

日本の実店舗の売上高:72億3900万円(前年同期比40.1%増)
海外の実店舗の売上高:21億8700万円(前年同期比212.5%増)※香港を含む
ECの売上高:38億2900万円(前年同期比14.2%減)
※日本と香港は3月〜11月、中国は1月〜9月

―日本市場を成長させていくためには、やはり売り上げの「前年超え」は欠かせない指標でしょうか。

 昨対比は絶対です。逆を言うと昨対比を上げられない市場には出ない。日本の店舗は東京・名古屋・関西にしか出店していませんし、中国についてもある程度人口が伸びていく場所にしか出していません。昨対比を取れる前提での出店は大事にしてします。

―地方の商業施設から出店を望む声は?

 昔はありましたが「東名阪にしか出さない」と言い続けているので、今ではお声がけもなくなりました(笑)。

―中国向けのECとして、Tモールにも出店しました。

 スタートしましたが、ゾゾタウンより客単価が低いモールで価格競争に巻き込まれてしまう可能性が出てきたので、3ヶ月で休止しました。実店舗に振り切って顧客を作っていくことが未来のECにつながるだろうという判断で、“実験的出店”として傷が浅いうちに判断しました。

政治的背景が中国事業にマイナスの影響を与える懸念もあります。

 さすがに人の命に関わるようなことが起こった時には事業継続が難しくなると思います。ただ、難しいことは考えずに中国も日本も香港も、僕たちは来てくれるお客さまのことだけを考えて事業をやることに徹した方がいいと結論付けています。

>>ステュディオスのオリジナル廃止は間違っていなかった

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