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【あの人の東京1年目】オカルトコレクター田中俊行と清澄白河

【あの人の東京1年目】オカルトコレクター田中俊行と清澄白河

 地方出身の著名人たちが、上京当時を振り返る連載企画「あの人の東京1年目」。4人目はオカルトコレクターの田中俊行さん。怪談師として知名度を上げる傍ら、42年間“子ども部屋おじさん”として実家で暮らす中で、イベントでもらった人形「チャーミー」との出会いをきっかけに呪物を集め始めると徐々に東京での仕事が増えるように。母との別れを決意して3年前に上京したオカルトコレクターは、新しい環境で挫折や苦悩をどのように乗り越えたのか?夢追い人たちへ贈る、明日へのヒント。

登場人物

オカルトコレクター/怪談師

田中俊行

1978年、兵庫県・神戸の東灘で魚屋を経営する家の4人兄弟の3番目、長男として誕生。オカルト好きな母の影響で怪談を集め始め、関西テレビの「稲川淳二の怪談グランプリ2013」で素人で初出場にも関わらず優勝を飾る。怪談のほか世界中から呪物を集め、呪物に関する展示や書籍の執筆も行う。

怪談師

チビル松村

怪談師として自身で取材した話をイベントやYouTubeなどで披露している。田中俊行の友だちとして取材当日に突如現れる。上京をサポートした話や上京してからのエピソードを田中さんの助っ人として語ってくれた。

チャーミー

田中さんの呪物第1号。滋賀県の介護施設でこの人形を可愛がった人が次々に亡くなったという曰くを持つ。名前は大型台風に由来する。

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受験に失敗してインドに逃亡、帰国してオカルトコレクターになるまで

━ オカルトコレクターになる前の田中俊行 ━
高校時代に美大受験のために絵画の教室に通うも、受験当日に寝坊し、怒られるのを恐れて教室に渡すために預かっていたお金で逃亡を図る。タイ、ネパール、インドにそれぞれ1ヶ月滞在し、インドで耳掻き屋として生計を立てようと耳掻きの方法を習ったところで帰国した。

 実家は魚屋を営んでいて、客は猫しかいないみたいですが今でも営業してますわ。インドから帰国して1〜2年くらいは何もせずにいたんですが、友だちのコネで「ビームス(BEAMS)」に入って1年くらい働きました。倉庫でストック整理をしていたんですが、俺も接客してみたいなと思って女性服やったんですけど「いらっしゃいませ」って言ったら「おぉ店員かい。客かと思ったわ」とびっくりされて、それ以来自信を無くしてしまい接客はしなくなりましたね。ただ1回だけ売り上げ全国1位になったことがあって。中国人のバイヤーが来店した時に「お前レジしろ」って言われて200万円くらい買ってくれて、レジをするとその人のポイントになったので、頑張ることなく1位になりました。ずっとサボっていたから社員の女の子が「なんでこんなガリガリのお洒落じゃないやつに抜かされなあかんねん」って朝のミーティングで悔し涙を流してね。俺もそう思うって感じでした。

 それから意を決して「稲川淳二の怪談グランプリ2013」に出て優勝できてから、怪談師としてイベントに出るようになりました。その時は呪物を集めていなくて、イベントに出始めて2年後くらいにチャーミーをプレゼントされたんですよね。それをきっかけに呪物を集めるようになって、オカルトコレクターと名乗るようになりました。

子ども部屋おじさんから42歳で上京

オカルトコレクター田中俊行と呪物
オカルトコレクター田中俊行の自宅の呪物部屋

自宅の呪物収納部屋

 東京は2021年の春からですね。もともと住む気はなかったんですよ。オカンと離れるのが不安だったんで。家の自室のドアには「出てけ」って紙が貼られていたんですけどね。ただ、もう東京で仕事をするためにいちいち通うのはしんどいし、何よりもチャーミーが人気になって東京から帰って来なくなったんですよ。だからチビル松村に「家賃3万円で住めるとこ探して」って頼んだらここ(清澄白河)になったんです。

 ただこれには裏話があって、実はもう1個物件を決めていたんですよ。それは藤沢の辺りの強烈な事故物件で、そこに住む気でいたんですけどオカンが知り合いの占い師に聞いたら「そこに住んだら死ぬ」って言われてしまって...。それで、チビル君が紹介してくれた今の家を占い師に見てもらったら「ここに住んだら下妻物語の嶽本野ばらさんみたいな作家になれる」って言われたのでこっちにしました。初めて来た時は「めっちゃええな」って思いました。3万3000円で2部屋分ですもんね。風呂なし・共同トイレだけど近くに銭湯があるからもう完璧だと。サクセスストーリーの始まりだと思いました。

チビル談 ①:田中さんの家について
田中さんが上京したての頃は鍵を開けっぱなしにしていたのもそうですけど、みんな泊まりにきてて、僕は朝に遊びに行ったら6畳くらいの部屋におっさんがテトリスみたいに寝ているなんてこともしばしば。あと、一時期少年が住み着いていたこともありました。一緒に山下陽光さんがやっている「途中でやめる」の展示会に行ったら、デカい少年が1人でぼーっとしていて、話を聞いたら「大学に落ちて長崎に住んでいるんだけど、浪人するのに東京で住まいを探そうと思って...」と悩んでいたので「多分もうすぐ来るおじさんに言ったら泊めてくれるよ」と田中さんを紹介しました。

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田中俊行

デカい少年は2週間住みました。その時は「俺のうちに来ないか?」って聞いてね。俺だったらあんな呪物に囲まれて刺激が耐えられんと思うわ。その少年とは今だに付き合いがあって、時々部屋を片付けてくれます。

東京に来てから広がった人との縁、仕事の縁

 東京に来てから呪物を集めるスピードはめっちゃ加速していきました。僕が集めた呪物が注目されてきて、それに対して気持ちの盛り上がりもあってどんどん集められるようになりましたやっぱり実家にいたら集めにくかったので。それから上京した時は考えもしなかった執筆の仕事をしたり、冠番組を持たせてもらえるようになりましたね。

 東京に来て価値観における変化はないけれど、新しい友だちが増えて輪が広がりました。東京は人が多い分、面白い人に会う確率が高いのでそこは凄くいいなって思っています。最近も近所のミリタリー好きのおじいちゃんにドライブに連れて行ってもらって。実際、僕自身はほんまに何もしてないんですよ。チビル君とか周りの人が紹介してくれることが多くて、ほんまに人に恵まれているなと思います。本当、ずっと、おんぶに抱っこ。でもね、東京来てから1回だけ人間関係で「うわぁー」って限界を感じたことがあって、そん時にいざこざがあったものは全て捨てて呪物だけを守ったんですよ。仕事の縁が広がったのはそこからだと思っています。

オカルトコレクターの田中俊行

一息つきたい時にいつも来る小名木川の川沿い。チャーミーが川を見たそうにしているな、と思ったら一緒に連れてくることも。

オカルトコレクターの田中俊行
オカルトコレクターの田中俊行が作った掲示板

定位置に犬のフンが多くイラついていたら右の掲示板が設置されて、共感したので左に自分で掲示板を追加。「オカルトコレクター田中俊行」ってサインしようとしたらペンが合わなくて途中までしか書けなかったという。

チビル談 ②:田中さんはアンコントローラブル

田中さんはスケジュールが読めなくて、携帯も見てくれないから連絡もつかないアンコントローラブルな人。時間も守らないので、近くにいてもらえるだけで仕事の関係者はみんな嬉しかったと思います。なんかあっても家に迎えに行けるので。それでも怪しい時は、他のスタッフは現地集合なのに田中さんだけ前泊させるなどして対策しています。

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田中俊行

時間はいつも嘘を教えられるんですよ。1時間前とか。でもたまにちゃんと行くとめっちゃ驚かれる。最近は間に合うことも多く、東京に来てから時間を意識するようになりました。それは変化の1つですね。

呪物に祈ったら温泉が沸いた

 上京して辛かったことは、これが本当に無いんですよね。辛いとは思わなかったけど、1回近くの銭湯が老朽化で潰れてしまって。100年くらい続いていたところだったから限界が来たんでしょうね。その時は3〜4ヶ月風呂に入らず、全部ふきふきシート(ボディシート)で対処していました。顔用のやつで全身を拭いていたからヒリヒリしましたね。流石に不便に感じたので呪物たちに「銭湯をなんとかしてください」って祈ったんですね、そしたら温泉が湧いたんですよ。それで今は通えています。

 普通の人が辛いと思うようなことを辛いと思わないのは、海外での経験が活きてると思います。逃亡した時にネパールからインドに行く際に乗る予定の飛行機がハイジャックされ、陸路で行くことになったのは思い出深いです。夢中で歩いていたら国境を越えちゃってしまい、焦って戻りましたね。今でも東南アジアに呪物を探しに行くことはありますけど、その時はもう風呂なんて入らないですよ。毎日風呂に入ったら逆に免疫が下がるって言うしね。

チビル談 ③:田中さんの人格
田中さんはお金と女性に執着せず、無垢に近い。芯をしっかり持っていて環境が変わろうが、関わる人が変わろうが、お金の量が変わろうが自分を保ち続ける強さがある。

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田中俊行

占い師に前世は木霊(こだま)と言われました。

タイのお守り「プラピッター」

首元につけているのはタイのお守り「プラピッター」。チビルさんもいつも身につけているそう。

なんでも素直に受け止める

 上京してからよく行くようになった場所は門前仲町のコーヒー屋「アライズ」や「いきなりステーキ」、それから古着屋「タロス」や辰巳新道にある居酒屋、蕎麦屋...全部人から教えてもらいました。だからほんまに1人で動いてないんですよね。1人でいるのは呪物を集める時くらい。人に紹介してもらった仕事、人に紹介してもらったカフェと呑み屋、人から教えてもらった怪談、人にもらった呪物だけで生きているんですよ。ただ自分が素直なのは認めます(笑)。

 今は携帯1つでなんでもできてしまうし、人とも出会えるからSNS上でのやりとりでやり切った感が出てしまうと思うけど、やっぱり外に出向いて人に会おうとした方がいいと思います。特に引越ししたら住んでいる場所の周辺を散策するのは絶対にやった方がいい。僕はあまりコミュ力が高く無いけど、出向いた先では自分から話しかけてみたりはしますね。ご飯屋さんだったら帰り際に「美味しいですね」って言ったり(笑)。初めてだとやっぱり間があって気まずくなるんだけど、その気まずさも面白がってしまいます。僕は良くも悪くも自分を良いように見せたいという気持ちが無い。上手いことをしようとしたら、マジで上手いこといかないので。初めての環境だったらそこの素直さを意識してみてもいいのかもしれません。

 あと、伝えておきたいのはゴミ捨ての曜日は守ったほうがいいです。毎日捨てられると思って好きな時に捨てたら近所のおばちゃんに怒られた。曜日も時間も場所も違うって。それでいつでも捨てられないと知ったので皆さんも気をつけてください。

清澄白河のコーヒー屋「アライア」の前で写真を撮る田中俊行

コーヒー屋「アライズ」

オカルトコレクターの田中俊行と怪談師のチビル松村

清澄白河の「ブルーボトルコーヒー」

「いきなりステーキ」門前仲町店の前でポーズをとる田中俊行

「いきなりステーキ」門前仲町店

辰巳新道の前でポーズを取る田中俊行

お気に入りの呑み屋がある辰巳新道

富岡八幡宮の前でポーズをとる田中俊行

富岡八幡宮もよく通る

(編集:鴨下奈留)

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