韓国・ソウルで最新おしゃれスポット、聖水(ソンス)にあるカフェ「タルティエ(tourtière/뚜르띠에르)」。行列が絶えないこのカフェで、訪れる人の多くがオーダーすると言われるミートボールパイがある。このミートボールパイを手掛けるのが、メイクアップアーティストのPark Tae-Yun(パク・テユン)氏だ。K-POPグループ 少女時代をはじめ、大御所 韓国女優のメイクを担当するという、人気メイクアップアーティストのパク氏がなぜミートボールパイを?日本での展開が決まり、来日したパク氏に話を聞いた。
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■Park Tae-Yun(パク・テユン)
ソウル、上海、東京を中心に活躍する人気メイクアップアーティストデュオ、Son & Parkのひとり。グローバルな視点から織りなすメイクには世界中にファンも多く、たくさんのセレブリティを顧客に抱える。2005年「Laneige」(韓国コスメブランド)シニアアーティスト、2007年「Stila」(米国コスメブランド)チーフメイクアップアーティスト、2011年「Son & Park」(韓国コスメブランド)ローンチ。現在は自身のコスメブランド「gesgep」CEO、Woosong大学ビューティー学科教授も務める。
ーなぜメイクアップアーティストでありながら、食べ物を作って売ろうと思ったのでしょうか?
元々、食べるのが好きで料理をするのが楽しかったんですね。
韓国では撮影中はあまり食事はせず、終わってから食べる感じなんです。だから撮影中でも、食事というよりはデザート感覚で簡単で食べやすいものがあるといいなと思って。このミートボールパイを作って持って行ったら、女優さんやセレブリティの方々が気に入ってくれて、韓国で話題になったんです。
ーいわゆる欧米のミートパイは大きいサイズが主流ですが、このミートボールパイは見た目がデザート感覚でかわいいですよね。でも中のミートボールがジューシーで、実はしっかりご飯という感じも。その発想はどこから生まれたのですか?
メイクアップアーティストとして雑誌の撮影で海外に行くことも多くて、食べ物から多くのインスピレーションを得ていました。茶色と茶色の掛け合わせとか、国と国のクロスオーバーとか…。そういうことが自然に身についたんです。このミートボールパイは、中のお肉はトッカルビ(粗めに刻んだカルビをミンチにして丸め、濃いめのタレとともに炭火焼きにした韓国料理)で、外はフランスのパティスリーのパイで包んでいます。撮影の現場で簡単に食べれるようにこの形で作ってみました。
作り方は、簡単ですよ。国産牛のバラ肉とモモ肉を使い、それぞれのミンチの大きさなどを調整し、肉々しさを実感できるように仕上げています。見た目はかわいいけど、肉を65g使っているから結構ボリュームがありますよね。ミートボールの味付けは、ミンチ肉に練り込んだ秘伝のタレ。洋梨と一緒にじっくりと煮込むことで、ほのかな甘味とまろやかな旨味が引き立ちます。美味しいでしょ?
Image by: タルティエ
ーはい、美味しいです。最初は“趣味”だったんですか?
趣味というか…。実は以前、ワインバーを経営していて、私が食べたい物とワインをディレクションしていたんです。順調だったけど、コロナで営業が出来なくなってしまって。だからその中のメニューをテイクアウトしてみようと思ったのが、このミートボールパイ。そしたらすごくニーズがあって、夜のワインバーに手が回らなくなった…。だからミートボールパイに集中することにしたんですね。
パク氏おすすめの食べ方
ソウルのカフェでは、同店で販売しているマロンペーストを添えて、甘じょっぱく味変させるのも人気。買った状態でももちろん美味しいけれど、家庭用のオーブントースターなどでアルミホイルを敷いて数分焼けば、出来立ての味や食感を再現できます。ミートボールにチーズを乗せてオーブンやトースターで温めるのも美味しい。サラダと一緒に食べればランチに、また赤ワインやシャンパンのお供としても◎。
ーほかのメニューもありますか?
キンパ(海苔の上にごま油や塩などを混ぜ込んだごはんと具材をのせて巻いた、韓国風のり巻き)があります。韓国の伝統的なのではなく、中にアンチョビやイタリアのドライトマト、チーズを入れたりして。
ーそれも国と国のクロスオーバーですね。
韓国とイタリアですよね。ワインと一緒に美味しく食べるって感じです。
ー多くの女優やセレブリティが、このタルティエのファンだとか。メイクアップアーティストとしてはどんな人を担当されているのですか?
最近は大御所の女優さんが多いんだけど、日本で有名なグループだと少女時代とか。ミートボールパイ、少女時代の人たちも食べましたよ。撮影に持っていくと喜んでもらえます。
ーメイクアップから食べ物のヒントを得ることもありますか?
もちろん。色のバランスやセンスなどはメイクアップの経歴が自然に役立っていると思います。美味しそうに見えないとダメですよね。それは意識してますね。あとはボックスにもこだわっています。特別な食器を使わなくても、テーブルの上に置いたらテーブル全体が可愛くなるような…。誰かにプレゼントするときにも、スタイリッシュなボックスだと受け取る人も喜んでくれますよね。
ービューティとフードって似てますか?
似てますよ。両方とも芸術ではないけど、アートに近いかな。生活の中で何かを手で作る感覚は同じ。あとメイクをすることで美しくなることと、おいしい物を食べて美しくなることも同じ。美味しいもの食べたら気分も良くなるし、メイクをして心が明るくなることもあります。
ーではビューティとフードの違いは?
うーん。材料かな(笑)。
ー最後に日本での目標は?
大きな目標というのはないですね。コロナ前までは年に3回ぐらいは日本に遊びに来ていたんです。だから仕事で日本に来れられて嬉しいですね。
■タルティエ
運営:カフェ・カンパニー
取扱店舗:フタバフルーツパーラー アーバンドックららぽーと豊洲店、フタバフルーツパーラー FOOD & TIME ISETAN YOKOHAMA店
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