2016年に半澤慶樹が立ち上げたウィメンズブランド。コンセプトは「ユニークな実験を通してそのプロセスから衣服と生命の新しいかたちを創造する」。立体裁断を得意とし、シェイプの効いたアイテムがブランドの象徴となっている。2021年からはシーズン表記を無くし、季節ではなく"気温のレンジ"を軸に制作している。
PERMINUTEのコレクション
1992年福島県生まれ。文化服装学院、ここのがっこうを卒業し、2016年より「パーミニット(PERMINUTE)」をスタート。また、TAV GALLERYでのキュレーション企画展や、パルコ広告のファッションディレクションを行うなど、多岐に渡り活動を行っている。
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目次
- BRAND CONCEPT -
「ユニークな実験を通してそのプロセスから衣服と生命の新しいかたちを創造する」
2016年にスタートした半澤慶樹(ハンザワ ヨシキ)がデザイナーを務める「パーミニット(PERMINUTE )」。初めて東京ファションウィークへ参加した2018年春夏コレクション以降、定期的にファッションショーやインスタレーションを開催し、ブランドの地位を確立してきた。
ブランドコンセプトは、「ユニークな実験を通してそのプロセスから衣服と生命の新しいかたちを創造する」。30分以内でドレーピングを仕上げるスピード製作や、独自で制作したフォントからアイディアを膨らませたコレクションなど、パーミニットのクリエイションは製作過程の独自性が鍵となっている。
- BRAND NAME -
"毎分"を意味する「パーミニット」
半澤は、リサーチには膨大な時間を費やすが、服を作るスピードは異様に速い。アイディアの鮮度を意識するようになってから、思いついたものを瞬時に形にする術を身に着けていったという。制作過程の中で時間に対する意識が強かったこともあり、ブランド名は"毎分"を意味する「パーミニット」に決めた。
- CHARACTERISTIC ITEM -
パーミニットを代表するアイテムは、袖の立体感が特徴的なワンピースドレス
身頃から続くオーバルな袖が印象的な立体裁断で作られたワンピースドレス。生地やディティールを変えながら毎シーズン展開しており、ブランドの定番アイテムとなっている。今ではブランドの要となっている立体裁断だが、元々は苦手意識があったという。「既成のやり方にこだわらず遊ぶ感覚で取り組んでいるうちに、体全体を包むワンピースドレスを作ることに手が慣れていったことを覚えている」とデザイナーは振り返る。
また、これまでトリアセテートやレーヨンのような落ち感の良い生地を多く選んでいたが、最近は粗野なコットンのように立体感が出やすい生地を使用しているという。生地を変えることで肩や首周りの印象が変化し、同じデザインでも違った表情を生み出すことができる。
ワンピースドレス
Image by: PERMINUTE
- DETAIL -
パーミニットを象徴する「流線型のシェイプ」
ブランドが象徴するパターンとして挙げるのが、「洋服が溶けたような流線型のシェイプ」。このシェイプは、"定数化できない手の癖を活かす"ことを意識して服作りを続けた結果、辿り着いたという。「パターンに曲線を多く取り入れているので、フロントとバックの2面だけではなく、どの角度からみてもユニークな形になるのが特徴」とデザイナーは話す。
- RECOMMEND SHOP -
オススメの店舗は、WALL原宿
立ち上げ当初から取り扱いがあるラフォーレ原宿の「ウォール(WALL)」は、ブランドと縁の深いショップのひとつ。「店頭で展開されるスタイリングに意外性があり魅力的」とデザイナーも太鼓判を押す。また「デスティネーション トーキョー(destination Tokyo)」や 「デルタ(DELTA)」など、国内のブランドに力を入れるセレクトショップでも展開している。
- PERSON -
ブランドと関係が深い人物は、グラフィックデザイナーの浅田農
半澤が関係が深い人物として挙げるのは、グラフィックデザイナーの浅田農(あさだ みのり)。ブックデザインやポスターデザインなど幅広く手掛ける浅田とは、知人を介して知り合った。ファーストシーズンから現在に至るまでのすべてのインビテーションのデザインを手掛けており、ブランドのコンセプトを可視化してくれる重要な人物だ。
21年秋冬コレクションのインビテーション
Image by: Minori Asada
- NEW COLLECTION -
2021年3月に発表した最新コレクションの特徴
パーミニットは今回からシーズン表記を無くし、季節ではなく"気温のレンジ"を軸に発表することを決めた。「シーズンを表記することは、ユーザー視点ではあまり意味をなさないのではないかと思った」とデザイナーは話す。
「5-15℃/28℃(41-59°F/82.4°F) 」をテーマに掲げた最新コレクションでは、気温のレンジとそれに連動するワードローブの提案に挑戦した。サーモグラフィーをイメージしたテキスタイルなど、テーマを効果的に反映させた素材が印象的だった。都内のギャラリーを会場に発表されたインスタレーションでは、ライブストリーミングを同時配信。コロナウィルスの影響で来場人数に制限があり、これまでよりも多角的に見せることを意識したコレクションとなった。
- FAVORITE LOOK -
最新コレクション デザイナー半澤のお気に入りルック
デザイナーは最新コレクションのお気に入りルックとして、サーモグラフィー柄の生地で作られたワンピースドレスのルックを挙げている。「ゴブラン織りを思わせる懐かしさと、有機的なカッティングが新鮮に感じられた」とデザイナーは振り返る。
モデルが手に持っているのは、「ミキオサカベ(MIKIO SAKABE)」のデザイナー坂部三樹郎と、CAMPFIREの取締役でファッションアワード「big design award」を主宰する会社bigの中島真 代表取締役が設立した持株会社「スリー トレジャーズ(THREE TREASURES)」と一緒に立ち上げたバッグブランド「アウトランド(OUTLAND)」の新作だ。パーツを組み替えることでウエストポーチやショルダーバッッグとして使用できるリュックなど、機能性と実用性を兼ね備えたプロダクトを発表している。
主要年表
【2021年】
坂部三樹郎と、CAMPFIREの取締役でファッションアワード「big design award」を主宰する会社bigの中島真 代表取締役が設立した持株会社「スリー トレジャーズ(THREE TREASURES)」のグループ傘下に。
【2020年】
渋谷・原宿エリアのショップが参加するファッションイベント「シブヤ・ハラジュク・ファッション・フェスティバル(SHIBUYA HARAJUKU FASHION FESTIVAL)」で、ファッションショーを開催。
また、「スリー トレジャーズ」と一緒にバッグブランド「アウトランド(OUTLAND)」を立ち上げる。
【2019年】
ファッション業界の次世代リーダーの育成やデザイナー支援を目的に今年設立された新会社bigによるファッションコンペティション「ビッグ デザイン アワード(big design award)」の第1回ファイナリストに選出される。
【2018年】
日本メンズファッション協会が主宰する「第47回 ベストドレッサー賞」にて、若手クリエイターを支援する「ベストデビュタント賞」を受賞。また、パルコの18年秋冬キャンペーンの広告ビジュアルおよびムービーのファッションディレクションを務める。
【2017年】
2018年春夏コレクションで参加した「Amazon Fashion Week TOKYO 」で、初となるランウェイショーを発表。2018年秋冬コレクションでは、経済産業省資源エネルギー庁の省エネプロジェクト「SAVE THE ENERGY PROJECT(STEP)」に参加し、エイガールズと協業したニットを発表した。
また、パーミニットが理想とする研究室を可視化させるためのキュレーション企画として、「乾いたアサガオ日記の跡」をタブギャラリー(TAV GALLERY)で開催する。
【2016年】
文化服装学院を卒業後にブランドを立ち上げ、2017年春夏コレクションを発表。
また、H&Mが主催する第6回「H&M DESIGN AWARD 2017」で、ショートリストにノミネートされる。
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