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デザイナー浅川喜一朗が手掛ける「シュタイン(stein)」が好調だ。2024年春夏コレクションで16シーズン目を迎えるが、売上はデビュー以来右肩上がりで伸長しており、春夏シーズン、秋冬シーズンごとに前期比約10〜15%ずつ拡大しているという。現在では、幅広いカテゴリーのアイテムが販売開始後即完売するなど順調に業績を伸ばしている。
シュタインは、セレクトショップ「キャロル(CAROL)」をオープンしたばかりの浅川が2016年秋冬コレクションでブランドを始動。「Stillness and motion , minimal and maximal , mode and tradition.」「無から有へ。そのはざまの部分を表現する。」をブランドコンセプトに、クラシックさを残しながらジェンダーレスに着用できるアイテムを中心に展開している。
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ブランドの転機は2019年秋冬シーズン。それまでも売れ行きは好調だったものの、頭の中のイメージを服に落とし込むことに対して課題を感じることもあったそうだが、浅川は「2019年秋冬コレクションで初めて自分が脳内に描いた通りのヴィジュアルを作ることができた」と振り返る。また、「明確な成功体験ができたことで、自分が作りたいものをアウトプットする方法論を掴むことができた。そこからクリエイションは進化したと思うし、アイテムが即完売することも目に見えて増えていった」と分析している。
シュタインの2019年秋冬コレクション
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浅川が服をデザインする上で特に意識していることの一つが、着用時のシルエットだ。シュタインでは、ほとんどのアイテムをオーバーシルエットに仕上げているが、ただ単に大きい服を作っている訳ではなく、肩周りの“落ち感”や身幅とアームホールのバランス、シルエットは縦長で横に広がりすぎないことなどを意識して服作りを行っている。「タイトに着用する格好良さもあるが、僕は今のシュタインのシルエットが好き。自分の美学が多くの人に支持していただけるのはすごく嬉しい」(浅川)。
シュタインの価格帯は、アウターで9〜20万円、ジャケットで7〜9万円、シャツで2万5000〜5万円、パンツで3万5000〜5万円程度(すべて税込)。決して安価な価格帯ではないが、顧客からは「満足感を考えるとコストパフォーマンスが良い」といった声も聞かれるという。浅川は「作っているのはあくまでデイリーウェアなので、着心地の良さを何よりも意識し、生地にこだわって製作している。原価率も一般的なブランドと比べると高いと思うので、そういった意味ではコスパが良いと言えるのでは」と語る。
また、カテゴリーに偏りなくアイテムを販売できているのも強みとなっている。ブランドスタート時はセットアップなどに人気が集中する傾向があったそうだが、近年は全てのカテゴリーで高い消化率を記録。セットアップのほかコートやニット、デニムパンツなどが幅広く人気を集めている。
シュタインの2024年春夏コレクション
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現在、シュタインの卸先は国内で約40店舗、海外で約20店舗で、熱量が高い店舗に限定しつつ、今後も取引先の拡大は進めていく。「現在はアジアの店舗が中心なので、今後はヨーロッパ、アメリカにも取引先を広げていきたい」と浅川。ブランドヴィジョンとしては「最近はこれまであまり多くなかった40代以上の顧客様が増えているので、この調子で老若男女問わずより幅広い世代の方々に愛されるブランドを目指す」と抱負を語った。
■シュタイン:公式サイト
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