ADVERTISING

“ファッションのふくよかさ”を届ける場に 「ケイスケヨシダ」初の直営店が東京・神宮前にオープン

デビューからの歩みをたどるアーカイヴ展も

Image by: FASHIONSNAP(Atsuya Sano)

Image by: FASHIONSNAP(Atsuya Sano)

Image by: FASHIONSNAP(Atsuya Sano)

 「ケイスケヨシダ(KEISUKEYOSHIDA)」が、ブランド初の直営店「KEISUKEYOSHIDA Tokyo」を4月17日に東京・神宮前にオープンする。オープンを目前に控えた店内で、デザイナーの吉田圭佑が記念すべき初店舗に込めた思いを語った。

ADVERTISING

 同店は、東京メトロ明治神宮前駅から徒歩10分ほどの場所に位置するVORT神宮前三丁目の地下1階に入居。モノトーンのサインを目印に階段を降りると、全面ガラス張りのウィンドウの奥にアイボリーのカーテンが広がり、シグネチャーのブラックのトレンチコートがヴィンテージのラックに掛かった、削ぎ落とされつつも特別感のある空間が来店者を出迎える。

 「わずかな緊張感を大切にしながらも、戸を開けば優しい空気が流れているような、誰もが純粋にファッションを楽しめる空間」を目指したという店内は、コンクリート打ちっぱなしの壁や床で構成された無機質な空間がやわらかなアイボリーのカーテンで仕切られた、大きな邸宅の中を一部屋ずつ進んでいくような作りが特徴だ。店内には、余白を持たせたラックが並んでいるほか、吉田が選んだというヴィンテージの家具や絨毯、ライト、花瓶などが点在し、モダンな空間の中にあたたかみや親しみやすさを添える。

 店内の調度品は今後も少しずつ増やしていくほか、商品も頻繁に入れ替えるなど、「来るたびに印象が少しずつ変わっていく場所」にしていく予定だという。

人とクリエイションが交差し発展する「場」としてのショップ

 オープン時には、2026年春夏コレクションのアイテムを中心に、オープンに際した特別なアイテムも用意。以前もコラボレーションした、吉田が敬愛するアントワープのグラフィックデザイナー トム・トセイン(Tom Tosseyn)とのTシャツ(1万6500円)を数量限定で販売するほか、コレクションラインとは別で手掛けたという、ユニセックスで楽しめるカジュアルなウェアコレクションの展開もスタートする。

 カジュアルウェアコレクションの第1弾として、ブランドのシグネチャーでもあるリボンディテールのTシャツ(2色、2万2000円)や、コットンツイル素材のジャケット(4万9500円)とパンツ(2万6400円)、東京藝術大学大学院出身のアーティスト 金森桜子のリトグラフ作品のコラージュをあしらったコラボTシャツ(2色、2万4200円)をラインナップ。「ブランドとしてのアイテムやカテゴリーの幅を広げていきたい」との思いのもと、今後はコレクションとは別軸でのアイテムの製作や展開の拡大も視野に入れる。

リボンTシャツ

 こうした試みは、ショップという「場」ができたからこそ、より活発になっていくという。「せっかく場ができたということもあり、僕自身が興味がある人や、これまで親密な関係を築いてきた人々との新たな関わりや繋がりを増やしていけたら」と吉田。店内のBGMは、中学時代からの友人でもあり、ブランドのショーの音楽も手掛けるDJのNomizo(CMYK)が手掛けているほか、5月1日にはブランドのタブロイド紙の発行も予定。創刊号では、吉田自身がブランドの10年間を振り返った内容となっているが、今後は気になる作家やクリエイターとの対談などのコンテンツも検討している。また、オープン後は数ヶ月に1回のペースで、コラボを含めたイベントの開催も計画しているという。

デビューから現在までの歩みをたどる、貴重なアーカイブ展

 4月17日から5月10日までの期間、店内奥のスペースでは、デビューシーズンの2015年秋冬から最新の2026年秋冬までのアーカイヴ展示を開催。同空間は今後常設の店舗スペースとしては使用しないが、期間限定でブランドの歴史を総覧する空間として開放する。

 等身大の自分自身を反映したメンズウェアからスタートした初期、コロナ禍を経てゴシックなムードやJロック的な表現にはじまり、より洗練された女性像へと変化していった中期、そして「ファッションのふくよかさ」の表現を目指した最新の2026年秋冬に至るまで、ブランドの歩みとその変遷を体感することができる。

 「僕はこの12年間、根幹の在り方は変わっていないと言い続けてきたのですが、実際はめちゃくちゃ変わっていたと思います。でも、こうやって並べてみると意外とちゃんとつながりながら今に来ていることを実感しました」と、吉田自身も新たな気づきを得たと明かす。ショーを行わずルックでの発表のみだったシーズンや、顧客を招かずにクローズドに発表を行ったシーズンも含めて展示される同展は、長年のファンにとっても新たなファンにとっても見応えのある、ブランドの現在地までの歩みをたどる貴重な機会となっている。

“ファッションのふくよかさ”を次世代に届ける場として

 元々展示会やショーを一般にも開放するなど、顧客との距離が近いブランドとしてスタートしたケイスケヨシダ。近年は、「自身の内省的な物語」から「社会への向き合い方」へとクリエイションの焦点を移すとともに、ブランドとしての成熟を目指したビジネス・体制面での変化なども経て、現在は一般的なブランドのあり方に近づき、よりクローズドな形式での発表と運営へとシフトしてきた。ブランドにとって新たな挑戦である今回の直営店オープンは、吉田にとって、ブランドの成長とともに失われつつあった「ブランドを好きでいてくれる人たちとのコミュニケーションが取れる場所」でもあるという。

 吉田は初の直営店オープンとその展望について、「コレクションと同じ」だと語る。「今はインターネットの発達であらゆることが便利になりすぎていますが、自分が10代の頃は足を使っていろいろなショップに行き、そこでいろいろな人にものを教えてもらい、さらに本を読んで知るといった経験を通して、とても楽しくて豊かな、今振り返ると非常に大事なものを得ることができた。そんな“ファッションのふくよかさ”を、今後はコレクションと同じく、このショップを通してファッションが好きな今の時代の人たちに伝えていきたいですし、そういう方たちが楽しめる場所になったらいいなと思っています」。

 また、近年ラグジュアリーブランドの価格が高騰し、ハイファッションが再び一部の人のためのものになりつつある現状に、吉田は「ファッションがカルチャーとして衰退していくきっかけにもなるのではないか」と危機感を抱いているという。「だからこそ、自分たちのようなラグジュアリーではないブランドが、モードの豊かさみたいなものをハイじゃないところにも届けていくということをしなきゃいけない。今後は自分たちのようなデザイナーのありようが、今まで以上に問われてくるんじゃないかなと思っています」と、未来に向けて自身やブランドが担うべき役割と在り方についても語った。

デザイナーの吉田圭佑

最終更新日:

■KEISUKEYOSHIDA Tokyo
オープン日:2026年4月17日(金)
所在地:東京都渋谷区神宮前3-30-12 VORT神宮前三丁目 地下一階-A
営業時間:12:00〜20:00
定休日:水曜日・木曜日
公式インスタグラム

FASHIONSNAP 編集記者

佐々木エリカ

Erika Sasaki

埼玉県出身。早稲田大学国際教養学部卒業後、国内大手アパレルメーカー、ケリング傘下ブランドのMDなどを経験した後、2023年にレコオーランドに入社。現在はウィメンズファッションをメインに担当。ファッションやカルチャーへの熱量と同様にジェンダーや社会問題にまつわるトピックにも関心があるため、その接点を見出し、思考や議論のきっかけとなるような発信をしていけたらと願っている。

ADVERTISING

現在の人気記事

NEWS LETTERニュースレター

人気のお買いモノ記事

公式SNSアカウント