
Image by: AMUSE CREATIVE STUDIO/サンライズプロモーション

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7月4日から12日まで東京・有楽町の劇場「I'M A SHOW」で再演され、大盛況のうちに幕を閉じたオリジナル音楽劇「超、Maria」。根本宗⼦が作・演出を、⾳楽ユニットのチャラン・ポ・ランタンが音楽を手掛ける同作において、俳優たちの熱量の高い演技や生演奏に加え、作品の独創的な世界観を強く印象付けていたのが衣装と舞台装飾だ。
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神秘的かつダークでロマンティックな美しさが目を引くそれらを手掛けたのは、ファッションブランド「ルルムウ(rurumu:)」デザイナーの東佳苗。リアルクローズとしてのコレクション製作や衣装製作だけでなく、空間演出やアートディレクションなども得意とする同氏に、思いとこだわりが詰まった今回の衣装と舞台装飾の背景を聞いた。

音楽劇「超、Maria」のポスター
Image by: AMUSE CREATIVE STUDIO/サンライズプロモーション
「超、Maria」は、劇作家・演出家・俳優としてマルチに活動する根本宗⼦と⾳楽ユニット チャラン・ポ・ランタンがタッグを組んだ完全オリジナル⾳楽劇として、2020年に初演。チャラン・ポ・ランタンのボーカル ももと、根本による2⼈芝居に、同じくチャラン・ポ・ランタンの⼩春が⾳楽を手掛け、⼩春とカンカンバルカン楽団の⽣演奏が舞台を彩った。
再演を望む声に応え、6年ぶりの上演となった今回は、初演メンバー(もも × 根本宗⼦)によるオリジナルペアに加え、根本との親交が深い俳優の⽥村芽実と清⽔くるみのペアを新たに迎えたWキャスト制で上演。同じ作品ながら異なる魅力を2つのチームが熱演した。
「超、Maria」あらすじ
⼩学校に⼊ったばかり勉強嫌いな 6歳のかな(もも/⽥村芽実)はノートを⾒せてもらったことをきっかけに、ゆう(根本宗⼦/清⽔くるみ)と仲良くなる。2⼈は⽗親が忙しく、なかなか会えないという境遇が似ており、意気投合。⾃分たちのお⽗さんは忙しくて最⾼にかっこいい!とお互いに⾔い合い楽しすぎる毎⽇を送っていく。そんなある⽇、下校途中にひょんなことから 2⼈は⼈⽣最⼤の秘密を知ることになり……その⽇から⾃分たちが予想もしていなかった⼈⽣のジェットコースターがスタートする。「わたしの不幸は誰かの幸せ」そう歌う2⼈が導き出す幸せの答えとは。
10年続く、根本宗子との共作関係
東が今回衣装と舞台装飾を手掛けることになったきっかけは、10年前の2016年に遡る。根本が主宰する劇団 月刊「根本宗子」による演劇作品「そのバレリーナの公演はあの子のものじゃないです。」初演時に、舞台装飾の依頼を受けたことが始まりだったという。その後、同劇団による2018年の「バー公演」、2020年の「バー公演」「超、Maria」の舞台装飾の担当を経て、今作での再タッグに至った。

東佳苗
2016年の時は、脚本の細部が完成する前に舞台装飾の依頼をいただき、「バレリーナ」「白基調」というキーワードからガーリーなアンティークショップと女子更衣室を混ぜたような異空間を作りました。当時ねもちゃん(根本宗子)は、私が手掛けた美術のイメージを元に脚本の構想を膨らませたと話してくれたのですが、それが10年の月日を経て、今回はダブルキャストの衣装制作にスタイリング、グッズ監修など、ヴィジュアル面全体に携われたことがとても光栄で、楽しすぎる仕事でした!
少女から大人へ、衣装が物語の「説得力」に
今回東は、主演4人の宣伝用ヴィジュアルの衣装スタイリングと、本番用の衣装デザインを担当。宣伝用ヴィジュアルでは、“シリアスなのに笑えて泣けるエンターテインメントコメディ”である同作の作風に合わせ、「過剰で非現実なMaria様感」をイメージしてスタイリングしたという。

かな役・もも

ゆう役・根本宗⼦

かな役・⽥村芽実

ゆう役・清⽔くるみ
舞台衣装では、2人の少女が幼少期〜大人になるまでを演じる作品であることを踏まえ、「少女性と上品さ、私たちのような大人になりきれない女性を意識してデザインした」と東。大人になるにつれて衣装のパーツを脱いでいく演出に合わせ、襟・エプロン・ワンピースの3ピースから成る衣装を制作した。全体的に散りばめたビジューの花やラインストーン、パニエを履かずに生地感のみでボリュームを出したワンピースがデザインポイントになっている。








かな役・⽥村芽実

東佳苗
前で結んだリボンを、お互いが後ろから解いて取り合うシーンがあるのですが、大きな襟を取ると鎖骨が見えて急にお姉さんに変身するので、リハーサルではじめてその演出を見た時に感動しました。終盤でエプロンを脱いでワンピース1枚になると、大人になって憑き物が取れた開放感のようにも見えて。物語の一部になれている感動と、衣装が説得力にもなれた気がして、誇らしい気持ちになりました。
「見ちゃいけない場所を覗く気分に」──聖なる空間を演出
2020年の初演時にも手掛けた舞台装飾は、主人公2人のカラーである白黒トーンで作り上げた前回に対し、再演では白基調にアップデートすることで、より物語に入り込みやすい雰囲気を演出。一方色調以外の要素は大きく変えず、宗教画を増やしたり十字架を映えるように配置したりすることで、より厳かで聖なる空間を目指したという。



Image by: AMUSE CREATIVE STUDIO/サンライズプロモーション

東佳苗
舞台装飾に関しては、初演の時から「男性のお客さんが、見ちゃいけない場所を見ているような気分になると良いよね」という話をねもちゃんとしていました。
今回、上演を客席でも観たのですが、ゆうちゃんとかなちゃんのような娘がいるかもしれない男性のお客さんたちが大笑いしたり舞台セットの写真を撮ったりしているのを見て、なんだか泣けてきました(笑)。笑えるのにふと我に返ったら泣けてくるような物語で、大好きな作品です。
最終更新日:
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