
アンドエスティHDの2026年3〜8月期連結業績は、売上高が前年同期比1.9%増の1521億円、営業利益が同34.6%増の107億円、純利益が同0.6%減の59億円だった。天候不順や自然災害の影響を受けたものの、売上高と営業利益は上期として過去最高を更新した。最大ブランド「グローバルワーク(GLOBAL WORK)」はセールを抑制したことで微増収にとどまったが、粗利率の改善や広告宣伝の効率化で利益を伸ばした。
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グローバルワークの1000億円達成時期は後ろ倒し
全社の粗利率は前年同期から1.3ポイント改善して56.5%となった。在庫コントロールによる値引きの抑制や、原価低減による値入率の改善が寄与した。販管費率も、従業員の処遇改善による人件費増などがあった一方、広告宣伝の効率化などによって0.3ポイント改善して49.5%。営業利益率は前年同期の5.3%から7.1%へ上昇した。純利益の微減は、創業者への特別功労金12億円などの特別損失を計上したことによる。
主力子会社のアダストリアでは、3〜5月の売上高が前年同期比6.3%増と好調に推移したものの、6〜8月は同0.9%増と伸びが鈍化した。梅雨時期の低気温に加え、地震や台風などによる店舗の臨時休業や営業時間短縮も影響した。「6〜8月は売り上げの伸びが鈍化したが、粗利改善によって3〜8月として営業利益を大きく伸ばせたことに強い手応えを感じている」と福田泰生社長。
特に、2025年以降に成長の鈍化が目立つ基幹ブランドのグローバルワークで自信を深めている。同ブランドの3〜8月の国内売上高は前年同期比0.1%増の261億円。「前年は値引きを頻発し、テレビCMも打って売り上げを作っていたが、今年はCMを抑制し、プロパー価格での販売を追求した上で前年同期並みの売上高を達成できた。2026年秋冬はトレンド要素を従来よりも強め、トータルコーディネートを強化。9月の売り上げは好調だった」と北村嘉輝アダストリア社長は話す。同ブランドでは2030年2月期に売上高1000億円の目標を従前から掲げていたが、「達成時期は後ろ倒しとなる見通し」とした。
自社ECモールは他社ブランドの出店が拡大
成長戦略の柱に位置付けるプラットフォーム事業では、ECモール「アンドエスティ(and ST)」への他社ブランドの出店が拡大した。当期間中に、TSIの「ナチュラルビューティーベーシック(NATURAL BEAUTY BASIC)」やバロックジャパンリミテッドの「アズール バイ マウジー(AZUL BY MOUSSY)」など11ショップが新たに出店。8月末時点の他社ショップ数は、前年同期から45ショップ増えて82ショップとなった。3〜8月のアンドエスティのGMV(流通総額)は同10.9%増の248億円。うち、自社ブランドによるGMVは同4.0%増の210億円だったのに対し、他社ブランドは同77.7%増の37億円と大きく伸びた。アンドエスティの総会員数は前期末から100万人増の約2270万人、アクティブ会員数は約810万人となった。
一方、プラットフォーム事業のBtoB領域では、イトーヨーカ堂と取り組んでいた「ファウンドグッド(FOUND GOOD)」事業が2026年2月で終了したことなどから、卸の売上高が約10億円減少した。9月からはセブン-イレブン・ジャパンとの共同開発商品を全国の店舗で順次発売しており、新たなBtoB事業の育成を進める。
ベトナムで現地向けブランド立ち上げへ
海外事業は、2025年7月に米国事業から撤退した影響で売上高が同11.4%減の110億円となった。ただし、米国を除くと同21.8%増。中国大陸が同24.2%増、香港が同16.2%増、台湾が同22.5%増と、アジア各地域では増収となった。中でも台湾は売上高が52億円、営業利益が10億円と好調だった。一方、中国大陸は増収ながら上期の営業損益は1億円の赤字となり、目指していた今期での黒字転換に黄色信号が点っている。
今後は、売り上げ、利益ともに好調な台湾で、日本と同様にECモールのアンドエスティを他社ブランドにも開放し、台湾での販路拡大を目指す日本ブランドの取り込みを図る。また、東南アジアでは既に進出しているタイ、フィリピン、マレーシアに加え、2026年内をめどにベトナムに現地法人を設立予定。ベトナムには生産拠点があることから、現地で生産・販売する新ブランドも立ち上げる。現地の気候や価格帯を踏まえ、「既存ブランドを持ち込むより、同国で新規ブランドを立ち上げた方がいい」(北村社長)と判断した。将来的には同ブランドを東南アジア各国へ広げる考え。
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