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伝統工芸の職人に利益還元 ファッション編集者が手掛けるジュエリー「アークエルフ」始動

文・橋本知佳子

Image by: ARCELF

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 日本発のジュエリーブランド「アークエルフ(ARCELF)」がデビューした。受注生産を基本とし、デビューコレクションは公式オンラインストアでオーダーを受け付けている。また、11月27日から29日までデザイナーズジュエリーイベント「New Jewelry TOKYO 2026」で披露する。

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 ファウンダーでデザイナーの藤井由香里は、京都で生まれ、テキスタイルデザイナーの母や呉服に関わる親族の影響を受けて幼少期から織物や工芸に親しんで育った。同氏は、「イッセイ ミヤケ(ISSEY MIYAKE)」で販売とVMDに携わったのち、編集者・ライターとして独立。ファッションメディアやブランドのオウンドメディアでキャリアを積み、有志プロジェクト「JAPAN MADE」を通して日本各地の工房を取材し、素材や技術、文化への理解を深めた。日本の伝統工芸に携わる職人たちを取材する中で、美しい技術や文化が失われつつある現実と、その持続の難しさを目の当たりにし、メディアを通して発信するだけでなく、工芸の現場に継続的に還元できる仕組みを作るためにブランドを立ち上げたという。

 アークエルフは、コンセプトに「Re-Edit Fragments — 美の断片の編集」を掲げ、日本各地の職人との協業を通じて、受け継がれてきた素材や技術、文化を現代のジュエリーとして再構築。各シーズンごとにさまざまな工芸の職人たちの仕事風景からインスピレーションを得てコレクションを制作し、協業した職人たちに製品の売り上げの一部を還元する。なお、継続して利益を職人たちに循環させるために、既存のコレクションは翌シーズン以降も継続していく。

 ファーストコレクションは、藤田が生まれ育った京都の西陣織の中でも最も古い歴史を持つ「西陣爪掻本綴織」の工房 奏絲綴苑と協業。工房に置かれた絹糸の束や、職人たちの仕事風景から受けたインスピレーションをジュエリーに落とし込んだという。いずれも受注生産で、日本の職人たちの手によって1点ずつ手作業で制作。素材はシルバー925をベースに、10Kゴールドヴェルメイユとロジウムコーティングのの2仕様を用意。このほか、10K、18K、プラチナのセミオーダーにも対応する。価格は9万5000円〜。

上:巻糸が不揃いに重なり合う情景と、完成した織の繊細なグラデーションから着想を得たリング。下:西陣爪掻本綴織に見られる、表と裏に同じ面が現れる構造から着想を得たリング。4つの異なる質感が螺旋状に重なり合い、光の中で繊細な奥行きを生み出す。

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最終更新日:

◾️アークエルフ:公式サイト

文・橋本知佳子

Chikako Hashimoto

FASHIONSNAP 編集記者

東京都出身。映画「下妻物語」、雑誌「装苑」「Zipper」の影響でファッションやものづくりに関心を持ち、武蔵野美術大学でテキスタイルを専攻。大手印刷会社の企画職を経て、2023年に株式会社レコオーランドに入社。ファッション小物・アクセサリー、繊維企業を中心に取材。

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