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皮膚科医が解説! 20代から始めるエイジングケアの基本

【アーリーエイジングケア特集】かつては40〜50代から始めるものというイメージが強かったエイジングケア。しかし近年、その関心は20〜30代へと広がっている。SNSを開けば、若いうちから肌の老化を意識した情報や最新の美容法が次々と紹介され、美容クリニックの広告を目にする機会も増えた。一方で、情報が多すぎるために、「結局、何が正しいのかわからない」と感じる人も少なくない。

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 今回は、自由診療・保険診療を問わず皮膚医療に向き合い、肌の正しい知識を発信している、「銀座ケイスキンクリニック」院長 慶田朋子先生に取材。流行に左右されないエイジングケアの基本から、今から始めたいケアのポイントまで聞いた。

慶田 朋子

Tomoko Keida

銀座ケイスキンクリニック院長

1999年に東京女子医科大学医学部卒業、同大で皮膚科助手、美容クリニック勤務などを経て、2011年に銀座ケイスキンクリニックを開設。最新の医療機器と注入治療をオーダーメイドで組み合わせ、「切らないハッピーリバースエイジング」を叶える美容皮膚科医として信頼を得ている。皮膚の働きや美肌に役立つスキンケア、生活習慣などの解説に定評があり、TV、雑誌、ウェブなど多方面で活躍。日本専門医機構認定皮膚科専門医、日本レーザー医学会認定レーザー専門医。
銀座ケイスキンクリニック 公式サイト

エイジングケアの基本は3本柱

 SNSが普及する前は、必要な情報を本や雑誌などから集めることが必要だった。しかし今は、SNSを含めたあふれる情報の中から、正しいものを選び取る力が求められている。例えば毛穴について検索すると、毛穴ケアの化粧品や、施術を勧めるクリニックの動画などが次々と表示される。何度も目にするうちに、「自分も何かしなければ」と焦りを感じてしまうこともあるだろう。

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慶田先生

エイジングケアについて考えるなら、まずは肌の仕組みを知ることが大切です。肌がどのように老化していくのか、スキンケアで何をすべきなのか。その大筋を理解していないと、表面的な情報に振り回され、間違った方向に進んでしまいます。
まずは、肌の老化を防ぐために基本の3点をおさえてください。

①肌を優しく、適切に洗う

 クレンジングや洗顔において最も避けたいのは、摩擦。肌をこすらずにメイクや皮脂汚れを浮かせ、残留物がないよう洗い流す。肌のバリア機能を損なわず、洗顔は1分以内で終えるのが理想だ

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慶田先生

「洗わなさすぎ」にも注意。酸化した皮脂や残ったメイクは炎症を引き起こし、さらなる酸化ストレスを招く悪循環につながります。若い世代であればキメの乱れ・ニキビ・毛穴の詰まりの原因になり、大人世代では老化を促進する可能性があります。

10~20代の男性や10代の女性なら、皮脂量が多く、多汗なので、1日3〜4回顔を洗ってもいいです。日中も洗顔料で顔を洗い、保湿してから日やけ止めを塗るだけで、ニキビが劇的に改善することもあります。

②肌を十分に保湿する

 保湿の基本となるのは、水分を抱え込む性質を持つ「ヒューメクタント」と呼ばれる成分。代表的なものには、グリセリンなどの多価アルコール、セラミドなど両親媒性油脂、ヒアルロン酸などムコ多糖類、加水分解コラーゲン、ヘパリン類似物質、アミノ酸、その他の多糖類などがある。これらに油分が加わることで、みずみずしいローションからこっくりしたクリームまで、さまざまなテクスチャーが生まれる。

 夏や湿度の高い時期は、ジェルやローションタイプで十分な場合もある。密閉性の高いリッチなクリームを使うと、熱がこもって不快に感じることもあるため、季節や肌状態に合わせて選ぼう。

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慶田先生

保湿のゴールは、洗顔後に時間が経っても肌がつっぱらず、シワっぽくならず、うるおいが持続することです。特別な成分が入っていなくても、保湿をするだけで肌のバリア機能は整います。

 バリアを整えることは、外部刺激から肌を守るだけでなく、経皮感作*の予防にもつながる。アトピー性皮膚炎の人に同世代より早く小ジワが現れることがあるのは、ステロイドの影響だけでなく、炎症そのものが肌の老化を促進するため。目立たない程度の炎症でも、長期的には老化につながることが分かっている。

*皮膚のバリア機能が低下した部分からアレルゲン(アレルギーの原因物質)が侵入し、免疫細胞と反応してアレルギーを起こしやすい状態になること。化粧品かぶれや食物アレルギーの原因になる。

③紫外線を徹底的に防ぐ

 紫外線が肌の老化を加速させることは、数十年にわたって知られている事実。20代前後で薄いシミが現れ始め、30代になるとシミとして認識されるように。30代半ばから40代前後には、メイクで隠しにくい濃さになることもある。

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慶田先生

美容液を買うなら、その前に日やけ止めを買ってほしいと思います。若い世代は、肌を守るだけでも十分です。これから進む老化を予防するという意識を持ちましょう。

 日やけ止めの防御力は、色素(顔料)の有無によっても変わる。ブルーライトや近赤外線は顔料によって防御しやすいため、ファンデーションや色付きの下地を重ねることで、光に対する防御力を高められる

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慶田先生

例えば、「ラ ロッシュ ポゼ(LA ROCHE-POSAY)」の下地なら、色のついたローズやベージュの方が、同シリーズの中でも防御力が高い傾向にあります。

LA ROCHE-POSAY「UVイデアXL プロテクショントーンアップ ローズ+」(SPF50+ PA++++、30mL 4070円)

Image by: LA ROCHE-POSAY

 スキンケアにおいて、「良いものを塗ってプラスにする」こと以上に、「マイナスをゼロに戻す」発想が重要。酸化した皮脂・紫外線・摩擦といった肌への負担を適切に取り除くことこそ、スキンケアの基本といえるだろう。

メンズは男性向け化粧品を活用すべし

 男性は一般的に皮脂の分泌量が多いため、女性向けのクレンジングや洗顔料では洗浄力が足りず、皮脂や汚れが残ってニオイの原因になることがある。

 保湿についても、男女では心地よいと感じる使用量やテクスチャーが異なる。性別による傾向を踏まえつつ、自分の肌質や皮脂量に合った製品を選ぶことが大切だ。

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慶田先生

男性には、まずメンズラインの化粧品を試してみることをおすすめします。男性向け製品は、皮脂量の多さを考慮して、洗浄力や使用感が設計されているものが多いからです。

SHISEIDO MEN「スキンマットセラム」(20mL 5500円)

Image by: SHISEIDO

CLARINS MEN「フェルムテ フリュイド」(50mL 1万120円)

Image by: CLARINS

美容医療は始めてもいい?

 美容医療は、若い世代にとっても身近な選択肢になっている。一方で、「本当に必要なのか」「肌に悪影響はないのか」と不安を感じる人も少なくない。

 慶田先生が、若い世代にも比較的勧めやすい施術として挙げるのは、次の3つ。

  1. ケミカルピーリング:定期的に行うことで毛穴の詰まりを防ぎ、ニキビの改善につながる
  2. レーザー脱毛:剃毛による摩擦ダメージを減らせる。産毛がなくなることで、毛穴が目立ちにくくなることが多い
  3. IPL(フォトフェイシャル):色ムラやニキビの改善や肌質改善、コラーゲン産生の促進が期待できる
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慶田先生

施術を選ぶ際の目安は、最低でも10年ほどの実績があり、大きなトラブルをほとんど聞かないものかどうかです。日本に導入されたばかりの新しい製剤や機器には、慎重になるべきでしょう。

 「安いから」という理由で、海外の美容クリニックを選ぶ人も増えているが、注意が必要。衛生管理やインフォームドコンセントの体制が十分でない施設もあるのでしっかり調べて選ぶことが重要だ。

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慶田先生

信頼できるクリニックを選ぶ際は、日本専門医機構認定の皮膚科専門医、または形成外科専門医の資格を持つ医師が在籍しているかを確認しましょう。皮膚科専門医は、日本皮膚科学会ホームページの「皮膚科専門医MAP」から検索することができます。
迷ったら、保険診療を中心に行いながら、脱毛やIPLも扱っている皮膚科専門医のクリニックを選ぶのが無難です。

エイジングとどう向き合うか

 若い時期は、肌の細かな特徴や顔の形、パーツに意識が向きやすいもの。しかし、加齢による変化を予防することと、生理的な肌の特徴を過度に気にすることは別の問題となる。

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慶田先生

大切なのは、変えられないものに悩み続けるのではなく、「マイナスをゼロに戻す」ことに集中することです。ニキビは治療する。シミは予防する。傷跡は早期に対処する。
勝負は5年後、10年後、20年後に訪れます。50歳になったとき、どれだけ魅力的に見えるかを楽しみに過ごすほうが、今の肌の些細な違いに焦るより、ずっと意味があると思います。自分の個性を生かしたメイクやファッションを楽しみながら、肌のマイナスをゼロに整えることに注力してください。

 エイジングケアは、若さを無理に変えるためのものではない。肌の仕組みを知り、不要なダメージを避け、将来の自分の肌を守る。その積み重ねこそが、流行に左右されないエイジングケアの基本だ。

最終更新日:

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