先シーズンのミラノファッションウィークで注目を集めた「グッチ(GUCCI)」のサバト・デ・サルノ(Sabato De Sarno)によるデビューコレクション「ANCORA」から約半年。2024年春夏シーズンのキャンペーンが街中で展開され、アイテムが徐々にブティック並び始めたタイミングで、2024-25年秋冬コレクションのショーが発表された。
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ファーストルックを飾ったのは前シーズン同様、新人モデルの1人としてキャンペーンにも参加したサバトのミューズ的存在のアナ・ロソロヴィッチ(Ana Rossolovich)。シンプルなステンカラーのコートに合わせたのは、同色のショートパンツとニーハイブーツで、GGロゴのついた細ベルトでウエストマークされ、前シーズンのファーストルックに通ずる控えめながらもグッチの方向性を印象付けるピースで幕が開いた。
今シーズンの主役となるアウター類はボクシーなシルエットかつ重厚感のある素材でマスキュリンの要素がベースにありつつも、スタイリングやディテールといったソフト面でセンシュアルでドレッシーなルックとしての見せ方。スパングルでしぶきのような躍動感のあるグラデーションが施されたロングコートにはベルベッドやレースを縫い合わせたランジェリー風ドレスや薄手のニットシャツ、ショートパンツが合わせられ、ピーコートやボンバージャケットといった膝上丈のハーフコートはプラケットや背中の隠しボタンなどで窄まったシルエットを描き、ミニドレスのように羽織られた。乗馬ブーツにインスパイアされたニーハイブーツやホースビットのプラットフォームサンダル、クリスタルがデザインされたスリングバッグシューズなどが足元を彩った。
Image by: GUCCI
ブランドロゴの主張は引き続き控えめで、GGパターンがエンボス加工されたレザージャケットや、ブランドを象徴するグリーンとレッドのウェブストライプはコートのセンターベンツの裏にさりげなくあしらわれている。
さりげないと言えば、アーカイヴから引用したというゴールドメタル仕上げのチェーンの表面にも縦長に入ったGUCCIの文字を見つけることができる。ブレスレットのほかに、ウェアと同色カラーのリボンにチェーンがデザインされたチョーカーのアクセサリーが全ルックの首元を飾り、フェティッシュなアクセントと後ろにたなびくリボンが軽やかさを添えた。単体使いのアクセサリーとしても、発売が待たれそうなアイテムだ。
Image by: GUCCI
バッグはクラシックなデザインながらコンテンポラリーな雰囲気を持つハーフムーンシェイプの新作「GG ミラノ」が登場。六角形のマチで立体感のあるボディにハンドルをつけたバンブーバッグのほか、ソフトで軽いパファーバッグはカラーラインナップも豊富で、手に取りやすいバッグとして街で見かける機会も増えそうだ。
Image by: GUCCI
サバトは今シーズン繰り返されるルックの中に「レディトゥ ウェアのルールに対する小さな破壊的行為」を描き出したという。"小さな"とあるように、それは決して急進的な手段や表現ではない。自身も「急ぐことなく、レンガで家を建てるように目に見える形で積み上げ、階層化すること」をクリエイションプロセスとして掲げており、ゆっくりと徐々に適応させている段階なのだろう。サバトが服作りにおいて重要視する「現実との対話」は、グッチの新たなフェーズには欠かせない土台であり、今後そのベースがシーズンごとにどのようにアップデートされ、マーケットに受け入れられるのか、ますます楽しみにさせられるコレクションとなった。
Guest Snap for GUCCI 24-25AW
Image by: Hiroyuki Ozawa
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