Image by: ©Nacása & Partners Inc.
「エルメス(HERMÈS)」が、大阪中之島美術館で「エルメスのpetit hープティ アッシュ」展をスタートした。日本では2011年の銀座、2016年の京都に続き、コロナ禍を経て8年ぶり3度目の開催。会期は5月18日まで。
「プティ アッシュ(petit h)」は、エルメスの16あるメチエ(部門)の一部門としてパスカル・ミュサール(Pascale Mussard)により2010年に創設。「すべての素材に価値がある」という理念のもと、バッグやプレタポルテの制作過程で出た端材、セラミックや金属部品など、ほかのメチエで使われなくなった素材を再利用し、新しいモノへと生まれ変わらせるプロジェクトだ。さまざまな分野で活躍するアーティストを招聘し、これまでにも多くの資材を作品として蘇らせ、世に送り出してきた。
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会場となったのは昨年開館した大阪中之島美術館。「petit h」の取り組みや、クリエイションプロセスを体感できる2フロア構成で、空間デザインはこれまでにも同プロジェクトに長く携わってきたアーティストの河原シンスケが手掛けた。12世紀の日本の墨画である「鳥獣戯画」からインスピレーションを得て、自身のアイコンでもあるウサギや猿、蛙、そしてエルメスを象徴する馬といったキャラクターを会場の案内役に、「書割(かきわり)」という歌舞伎などでも使われる舞台芸術の手法を用い、パネルやオブジェなどで、ファンタジックな世界に没入できるような空間に仕上げている。
関係者向けに開催された内覧会では、2018年からpetit hのクリエイティブ・ディレクターを務めるゴドフロワ・ドゥ・ヴィリユーが来日し、河原と共に各ブースを案内。「優れた職人の持つ技に価値を見出している両国。petit hという独自の取り組みを、展覧会を通じて一つの体験として共有してほしい」とコメントし、ゲストを迎えた。
2階の多目的スペースでは、鯉のぼりを模したトンネル空間にpetit hの素材庫を再現。使われなくなったシルクスカーフや、金属パーツ、レザーなどが壁いっぱいに陳列されており、ここから職人やアーティストと対話し、クリエイションのアイデアを膨らませていくという。
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ポーセリン(磁器)や金具、ボタンなどはモザイク画のように並べてコーヒーテーブルに、馬具である鞍骨(くらぼね)はギターへと生まれ変わり、その製造工程が展示や動画で紹介されている。
予約制で入場できる1階の販売エリアでは、petit hで制作されたオブジェやホームウェア、レザー小物、アクセサリーや服などが展示され、実際に購入することが可能。河原の手掛けたプレイフルな空間にディスプレイされた作品は、それぞれ一点もの。表情の異なるアニマルモチーフの小物を見比べたり、素材の原型が何だったか想像を膨らませるなど、petit hのモノづくりの真髄を間近で楽しむことができる。
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同スペースでは、使われなくなったレザーの切れ端などを使ったオリジナルノートブックを制作する子ども向けのワークショップが開催され、家族連れでも楽しめるコンテンツを提供。(いずれも5月1日時点で会期中満席)また、会期中2階の芝生広場では「petit hカフェ」がオープンしている。
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■petit h
会期:〜2023年5月18日(木)
※5月8日(月)、5月15日(月)は定休日
場所:大阪府大阪市北区中之島4-3-1 大阪中之島美術館
会場:
2階多目的スペース:展示エリア(入場無料)10:00~18:00
1階ホール:販売エリア(入場無料 / 要予約)10:00~18:00
2階芝生広場:petit hカフェ 11:00~18:00
※展示エリアは混雑状況により入場制限
※petit hカフェは天候により中止の可能性あり
詳細・予約について:エルメス公式サイト
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