Art 若き写真家の肖像

【連載】若き写真家の肖像 -嶌村吉祥丸-

Image by: Kisshomaru Shimamura

 ファッションの世界でも活躍する若き写真家を紹介する連載「若き写真家の肖像」。5人目は写真家・嶌村吉祥丸(しまむら きっしょうまる)。

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−吉祥丸という名前は本名?

本名です。本当は「祥」の字が旧字体なんですけど出てこないでのこの字を使っています。ラグビーの五郎丸さんがブレイクした頃はいじられることもありましたね(笑)。

−どんな子どもでしたか?

5歳からずっとサッカーばかりしていましたね。本気でプロを目指してました。

−写真に目覚めたきっかけについて

祖父がカメラを貸してくれたことが最初ですね。初めは街に出てストリートスナップを撮ることが多かったです。マニュアル操作の方法もよくわからなかったので、とりあえず数を撮ることを最優先して親しい友だちを撮り続けていました。

−カメラの知識はどうやって習得しましたか?

独学です。

−その後ポートランドに留学

ポートランドはとても小さいコンパクトシティですけど、その中にアートギャラリーとかデザイナーズショップとか、そういうものがたくさん集まっています。そこでギャラリーの方や広告代理店、ナイキで働いてる方などと仲良くなり、色々なことを経験することができました。ポートランドにいる方々は常にオープンマインドというか、世界に対して心を開いていて。日本だったらエレベーターの中で皆スマホをいじっていますけど、ポートランドでは「I like your shoes.」といった感じで全然知らない人でも気軽に話しかけてくれるんです。ネットではなく現実世界にしっかり目を向けていて、若い人とか面白い人とか何でも来たものは拒まないみたいな風潮があり、ネームバリューのない僕を1人の作家としてみてくれたんです。そういった縁もあってポートランドで初めて個展を行うことができました。

−写真の魅力は何ですか?

作品としての写真は「何で撮ったの?」と聞かれると、納得できる回答をすることが難しくて。商業的なものは目的がはっきりしているので説明できるんですが、作品となると「こういうものが撮りたかった」としか言えなくなってしまいがちです。ただ僕は言葉で説明できないからこそ、写真は面白いんだと思っています。今の僕の仕事は、写真というツールを用いて、感情や記憶などを炙りだしているという感覚に近いですね。

−哲学者とも交流

言語的な哲学と非言語的な写真の合体というか、上手くつなぎ合わせた新しい試みが何かできないかと考えています。

−具体的に?

まだアウトプットできる段階ではないですが、哲学的な対話を写真に落とし込めればと思っています。例えば「死」は絶対的なことだと思いがちですけど、いつ死ぬかは分かりませんし、死が存在するのかも分からないという不確実性も持っています。その確実且つ不確実な存在というのは何なのか。もしくは愛とか友情といった目には見えないものについて何なのかという問いを写真で表現できないかと考えています。

−「メゾン マルジェラ(Maison Margiela)」が好き

再構築の概念など服だけの表現で終わらない哲学的なアプローチの仕方が好きですね。ルックブックを撮ることが目標です。

−カメラ何を使っていますか?

ニコンF3、ライカM6、コンタックスT2です。

−デジタルからフィルムに移った理由について

ポートランドにいた時に自分の誕生日を迎えるとなり、それで自分へのプレゼントとしてニコンの初代FMを買ったことがきっかけです。当初はコスパに対しての良さがわからなかったんですが、今はフィルムが好きですね。

−具体的にどういったところが好きなんですか?

デジタルは信号化されてるもので、こういう理由でこういう人を撮った写真ということを伝えやすい性質を持っていると思っていて、フィルムはそれ自体が物質化されているもので、解釈の余地を残しているところがあるというか。説明的でないところに惹かれているんだと思います。

−写真を撮るときのインスピレーション源はどこから?

目の前にある情景に対してのイメージ構成をして撮影しています。現場主義ではないですけど、その場でのリアクションを大切にしていますね。

−写真に合わせてStatementも制作

文章があることで写真の見方が変わってくることを実感しているからです。昨年発表した「You are good」でもStatementを作ったのですが、この作品では写真展に来る人に対して「いつかあなたも死ぬんですよ、じゃあどう生きますか」というある意味のポジティブな投げかけをしました。

Statement

"You are good"

毎日は永遠には続かない。人はいつか死ぬ。
それでも僕らは生きていて、僕らが生きているこの世界は
どうしようもなく理不尽だったり、不条理だったり
もちろんそれだけではないけれど
良いこともあれば、悪いこともある。

当たり前のように生きているこの日常には
ちゃんと向き合ってみてみれば
素敵なもので溢れている。
人が人として輝く瞬間は、実は気付いていないだけで
目の前に存在している。

誰だって終わりがあることを知っているから
たまにはちゃんと自分と向き合って
終わりのある毎日を、生きよう。

−将来どういった仕事をしていきたいですか?

社会問題や環境問題などに対して、クリエイティブの目線から自然に解決に向かうような仕組みを作り、実際に活動していきたいです。僕はファッションが好きなので、より美しく素敵なものを作ることにも価値があると思いますが、 その力をもっと社会的な活動に発展させていきたい。そして僕の作品が考え続けるきっかけになって、社会を少しでも良い方向に変えることができれば幸せですね。

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Kisshomaru Shimamura(嶌村吉祥丸)

東京生まれ。ファッション写真を中心に、広告・イベント撮影・ストリートスナップなど幅広く活動。パリ、アントワープ、ニューヨーク、ポートランド、東京など世界各地で撮影を行う。

Exhibition
2014: "Unusual Usual" (Portland)
2015: 「東京男子」(Tokyo)
2015: "You are good" (Tokyo)
2016: "Inside Out" (Warsaw)

オフィシャルサイト

= Self-Portrait For FASHIONSNAP =

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VOL.1 若き写真家の肖像 -草野庸子-
VOL.2 若き写真家の肖像 -小見山峻-
VOL.3 若き写真家の肖像 -小林健太-
VOL.4 若き写真家の肖像 -高木美佑-
VOL.5 若き写真家の肖像 -嶌村吉祥丸-
VOL.6 若き写真家の肖像 -松永つぐみ-
VOL.7 若き写真家の肖像 -トヤマタクロウ-
VOL.8 若き写真家の肖像 -Takako Noel-
VOL.9 若き写真家の肖像 -Yusaku Aoki-
VOL.10 若き写真家の肖像 - Tseng Yen Lan -
VOL.11 若き写真家の肖像 - 八木 咲 -

(聞き手:芳之内史也)

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