ルイ・ヴィトン 2020年秋冬ウィメンズコレクション フィナーレ
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200人のコーラスと500年の歴史を背に――「ルイ・ヴィトン」20AW "時間の衝突"

ルイ・ヴィトン 2020年秋冬ウィメンズコレクション
ルイ・ヴィトン 2020年秋冬ウィメンズコレクション
Image by: ©Louis Vuitton Malletier

 ステージの幕が上がると、木製のひな壇に歴史ある絵画から飛び出してきたかのような装いの男女200人が立っていた。「ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)」2020年秋冬コレクションのテーマは「タイムクラッシュ」。ニコラ・ジェスキエール(Nicolas Ghesquière)は、"時間の衝突"に美を求めた。

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絵画のような200人の歌声

もしもファッションを育んできた数え切れない時代のすべてが、現在のこの場所に集結したら? そしてこの瞬間に、ファッションの純粋な喜びを表現した舞台で、歴史が現代の自由と対峙したら?

――ルイ・ヴィトンのショーノートより

 ステージに立つ200人のキャストは、今回のコレクションのモデルたちではなく壮大な演出の一部。1400年代から1950年まで、ヴィクトリア朝やロココ、アールヌーボーや近代といった、あらゆる時代や地域の衣装をまとって個性を持ち、まるで会場を設置したルーヴル美術館が所蔵する肖像画のよう。彼らは指揮者に合わせて歌ったり、腕を宙に泳がせるなどの仕草を見せたり、作り物の飾りではないことを示しているようだった。その美しい歌声は、神聖で荘厳なムードを引き立てる。

©Louis Vuitton Malletier

 ウッドキッドとブライス・デスナーが作曲した楽曲も、時間を示すタイトル「Three Hundred and Twenty」。17世紀の作曲家ニコラ・ド・グリニーの作品を、当時は演奏することが叶わなかったルーヴル美術館の地で蘇らせたという。

©Louis Vuitton Malletier

 

予想外の"タイムクラッシュ"

 ニコラが探求した"時間の衝突"は、コレクションルックの随所に見られた。前半で目立ったのは、パニエのようなボリュームのスカート。パニエは本来、バロック〜ロココ時代にスカートを膨らませていた下着の一種だが、それを透けるシフォンと張りのあるレザーライクな素材でティアードスカートやレイヤードドレスに仕立て、レーシングスーツやスノージャケットを連想させるトップスと組み合わせた。時代性やジャンルをミックスした予想外のスタイリングが、今シーズンのルイ・ヴィトンを象徴している。

 後半で目立ったのは、総刺繍のレザーブルゾンなど、伝統的で繊細なハンドクラフトが施されたクチュールピース。かなり手が込んでいて、ヴィンテージ調のパターンと相まって時の流れを感じさせる。コーディネートするのは、テクニカルな素材のギャザーパンツやミニマルなパイピングドレスといった、機能性があり現代的なアイテム。

 時代の層が重なり相反する要素が衝突する様は、まさに"Anachronism(アナクロニズム、時代錯誤、もしくは演劇などで異なる時代の物や人を登場させる表現)"と言えるが、新たな可能性を秘めていることを感じさせる。「ファッションにおいて時間の概念は原始的です。異なる時代が、私たち自身の時代と向き合うことを望んでいました」と考えるニコラならではの、ネオ・モダンなスタイルにまとめていた。

 

バッグやアクセサリーがアンティーク調に

 今シーズンも豊富に発表されたアクセサリー類を、ショーの翌日に開催された展示会でチェック。バッグは「1854」の創業年がモノグラムと融合した新たなシリーズをはじめ、アンティーク調やチェーン使いが目を引く。新型ではミニサイズのショルダーバッグがバリエーション豊かに揃った。

 シューズは、ウエスタン調や近未来的なパテントのショートブーツ、金属製のキャップトゥやチェーン使いなどが特徴。その他、珍しいアクセサリーはブレスレットとして身に着けるウォッチで、アンティークショップに並んでいるような年月を感じさせる風合いが表現されている。

 なお、ルイ・ヴィトンは今年5月からニューヨークのメトロポリタン美術館コスチューム・インスティチュートで開催が予定されている特別展「About Time:Fashion and Duration」のメインスポンサーを務める。1870年代から現在まで1世紀半の衣装を展示するという内容で、今回のコレクションと連動するものになりそうだ。

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