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ペギー・グーのアーティスト写真

【服好き必聴アーティスト】ペギー・グー編 故ヴァージル・アブローの心も掴んだ韓国人女性DJ

CULTURE今月の必聴アーティスト

【服好き必聴アーティスト】ペギー・グー編 故ヴァージル・アブローの心も掴んだ韓国人女性DJ

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 機材や環境の発達により、1日で数百~数千曲がリリースされる昨今の音楽産業。歓迎すべきことではあるものの、その膨大すぎる量がゆえ自ら触手を伸ばすことを躊躇い、真に評価を受けるべきアーティストとの邂逅が消失し、気付けば過去のお気に入りばかりをリピート再生している......という状況に心当たりがある方に向け、月に1回"ファッションシーンとの親和性も高い"アップカミングなアーティストを紹介する連載【服好き必聴アーティスト】がスタート。(文:Internet BoyFriends)

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 早耳な音楽フリークの方々にとっては既に知られた存在が登場するだろうが、復習も兼ねてファッション的新情報を得られるという心持ちで読み進めていただければ幸いだ。第5回は、韓国出身でドイツ・ベルリンを拠点とするDJ/プロデューサーで、もともとはファッション誌「ハーパーズ バザー(Harper's BAZAAR)」のエディターだったという異色の経歴の持ち主ペギー・グー(Peggy Gou)に迫る。

服飾学生時代にロンドンでダンスミュージックと逢着

 まずはじめに、ここ半年の音楽シーンを振り返ると、ロンドンの若き天才トム・ミッシュ(Tom Misch)がダンスミュージックにフォーカスしたスーパーシャイ(Supershy)というプロジェクトを突如スタートしたかと思えば、ジェイミー・xx(Jamie xx)は約2年ぶりに新曲「LET’S DO IT AGAIN」を、スウェディッシュ・ハウス・マフィア(Swedish House Mafia)はデビュー・アルバム「Paradise Again」をリリースし、ドレイク(Drake)ビヨンセ(Beyoncé)が最新アルバムでハウスへの興味を見せるなど、ダンスミュージック・シーンの活況ぶりが見て取れる。さらにその数年前からは、パク・へジン(Park Hye Jin)らK-HOUSE(韓国発祥のハウス)が勢いを見せているのだが、これを牽引しているのが今回ご紹介するペギー・グーだ。

 ペギー・グーことキム・ミンジ(Kim Min-ji)は、1991年7月3日に韓国随一の高級住宅街として知られる仁川で生を受けた。日本の裕福な家庭では、子どもに音楽的教養を身に付けさせ、早くから海外留学も経験させるケースが珍しくないが、これは韓国でも同様でグーは8歳からクラシックピアノを習い、14歳でロンドンに渡英。すると、彼女はたちまちロンドンファッションに魅せられ、デザイナーを夢見るように。そして、18歳の時に韓国へ帰国するも、ファッションの名門大学ロンドン・カレッジ・オブ・ファッション(London College of Fashion)の学生として半年で蜻蛉返り。再びロンドンで4年間を過ごすことになった。

ペギー・グーのアーティスト写真

 グーは、デザイナーだけでなくフォトグラファーやスタイリスト、エディターの道も視野に入れて日々を過ごしていたが、ある日、学校の友人と夜の街に繰り出した中で逢着"してしまった"ものがあるーーダンスミュージックだ。彼女いわく「初めて24時間眠らずに浸っていたいと感じた」そうで、その日以降はロンドンのどのクラブで誰が出演するかを隈なくチェックし、毎日のようにクラブに足を運んでいたという。

 こうした充実のナイトライフと引き換えに単位を落としながらも大学卒業をした後は、持ち前のファッションセンスを買われ、女性誌「ハーパーズ バザー」の韓国版でロンドン特派員のエディターに就任。しかし、ダンスミュージックに魅せられた彼女は思いを忘れ去ることができず、すぐに聖地ベルリンに移住した。

"女性"や"アジア人"というバッシングを才能と実力でねじ伏せた初期

 ベルリンに身を置いたグーは、レコードショップでアルバイトをしながらDJとしての腕を磨き、同時に楽曲制作にも着手。この時、"女性"や"アジア人"という理由でDJの出演を断られたり、"無地の黒Tシャツに黒のスキニーパンツが正装"とさせる中で持ち前のファッションセンスが仇となり、半ば強制的にTシャツにデニムという出立ちでDJブースに立つこともあったという。だが、これらの外野(と内野)からの声を才能と実力で掻き消し、2016年にハウス・テクノシーンのトップレーベルとして知られるレディオ・スレイヴ(Radio Slave)の「レキッズ(Rekids)」から1stEP「Art of War」でデビューを飾った。

 その後もロンドンの人気レコードショップ「フォニカ レコーズ(Phonica Records)」のレーベル「フォニカ ホワイト(Phonica White)」から「"Day Without Yesterday" / "Six O Six"」をリリースするなど精力的に活動。次第に彼女の評判はベルリン市内で無視できない大きさとなり、2017年に世界最高峰に位置付けられるベルリンの名門クラブ「ベルグハイン(Berghain)」に韓国人女性DJとして初めて出演を果たしたのだ。

"過去30年間にダンスミュージックを形作った30曲"を生み出す

 そして、グーの名を世界に轟かせた名曲が2018年に誕生する。ロンドンの老舗レーベル「ニンジャ・チューン(Ninja Tune)」からリリースしたEP「Once」の収録曲「It Makes You Forget(Itgehane)」だ。絶妙な緩さにピッチダウンしたミニマルなアシッドサウンドに、彼女自身のアイシーな歌声で母国語・韓国語を乗せた同楽曲は、ヘッドフォンで聴くにもクラブで踊るにも最適なタイムレスな作品として絶賛。その年の「インデペンデント・ミュージック・アワード(Independent Music Awards)」で"Song of the Year"を受賞したほか、イングランドの著名ラジオ「BBC」が2020年に発表した"過去30年間にダンスミュージックを形作った30曲"に選出され、選曲センスが抜群で新人アーティストをフックアップする役割も果たしている「FIFA19」のサウンドトラックにも収録されることになった。

 その翌年には、待望だった自身のレーベル「クドゥ レコーズ(Gudu Records)」を立ち上げEP「Moment」もリリース。再び自身の歌声を乗せた収録曲「Starry Night」は、「It Makes You Forget(Itgehane)」に負けず劣らずの人気曲となっている。

 なお、「クドゥ レコーズ」の"Gudu"とは韓国語で"靴"を意味するのだが、これはDJ中にテンションの上がったオーディエンスが履いていた靴を脱ぎ、「Peggy Gou, Peggy Shoe!」と叫んだことから愛称として広まった"Peggy Shoe"に由来している。

故ヴァージル・アブローとの出会いからブランド「キリン」を設立

ペギー・グーのアーティスト写真

 実力と共に、その端正なルックスと服装からファッション系のイベントでDJを披露することも増え始めた2017年。とある人物からブランドのパーティーへの出演依頼が届いた。そう、"慧眼持ち"の故ヴァージル・アブロー(Virgil Abloh)である。自身もフラット・ホワイト(Flat White)の名でDJ活動するほどダンスミュージックに造詣が深かったヴァージルは、早くからグーの音楽的才能、そしてファッションセンスに着眼し、「オフ-ホワイト c/o ヴァージル アブロー(OFF-WHITE c/o VIRGIL ABLOH™)」のパーティーに招待したのだ。

 これを機にグーはヴァージルと親交を深めると、2019年には「オフ-ホワイト」や「アンブッシュ(AMBUSH®)」「パーム・エンジェルス(Palm Angels)」などを運営するニューガーズグループ(New Guards Group)からブランド設立の話を持ち掛けられ、自らのウィメンズストリートブランド「キリン(KIRIN)」が誕生。ブランド名は彼女のスピリットアニマルである"キリン"を由来とし、クラブカルチャーや韓国文化をリファレンスしたグラフィックなど、まさにグーらしいアイテムを展開している。さらに同年、「キリン」とは別ブランドの「ペギー グッズ(PEGGY GOODS)」もスタート。こちらはグーのアイコンアイテムの1つであるキャットアイ型サングラスや、EP「Moment」のアートワークをそのまま落とし込んだ開襟シャツなど、普段使いしやすく価格も抑えられたマーチャンダイズに近いアイテムが揃っている。

 また、韓国×ロンドン×ベルリンという折衷的なバックグランドと、エディター出身らしいトレンドをほど良く取り入れたスタイリングからファッションアイコンとしての影響力も強く、「フェンディ(FENDI)」のアイコンバッグ"バゲット(BAGUETTE)"のキャンペーン"Baguette Friends Forever"(2019年)や、「ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)」のシューズ・コレクションのビジュアル(2020年)でモデルに抜擢。彼女のインスタグラムには、これらのハイファッションとストリートブランドを巧みにミックスした絶妙な着こなしが見られるので、一度覗いてみてほしい。

 最後に、「It Makes You Forget (Itgehane)」や「Starry Night」を楽曲単位で聴くのもいいが、グーの良さはDJセットでこそ光る。おすすめの動画を下に並べておくので、作業用BGMとしてでも良いので一度再生していただければ幸いだ。

クリエイティブコレクティブ

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Internet BoyFriends

東京とロンドンを拠点に活動するエディターやライター、スタイリスト、フォトグラファー、グラフィックデザイナーが所属。

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