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元ZOZOクリエイティブ責任者が発信 大人が楽しむラジコン文化【令和カーカルチャー⑥】

五十君花実

渋谷パルコ5階の「ブロックヘッドモータース」 の店頭画像

渋谷パルコ5階の「ブロックヘッドモータース」に並ぶラジコン

Image by: FASHIONSNAP(Atsuya Sano)

渋谷パルコ5階の「ブロックヘッドモータース」 の店頭画像

渋谷パルコ5階の「ブロックヘッドモータース」に並ぶラジコン

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渋谷パルコ5階の「ブロックヘッドモータース」 の店頭画像

渋谷パルコ5階の「ブロックヘッドモータース」に並ぶラジコン

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 ラジコンが、子どものおもちゃから大人のカルチャーへと姿を変えつつある。ラジコンといえば、思い浮かぶのは1980年代の大ブーム。模型メーカーと出版社、テレビ局が組み、メディアミックスで子どもたちを熱狂させたが、彼らが大人になるにつれて忘れ去られていた。しかし近年は、かつてのファンによる出戻り需要に加え、SNSをきっかけに新規層も流入。その熱は海外にも広がり始めている。ラジコン×カルチャーの仕掛け人の第一人者は、渋谷パルコにも出店するラジコンショップ「ブロックヘッドモータース(BLOCKHEAD MOTORS)」代表のJUN WATANABEさん。JUNさんは、ファッションEC企業のZOZOで、長らくクリエイティブの責任者を務めた人物でもある。

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JUN WATANABE/ブロックヘッドモータース代表

1977年生まれ。1990年代後半からグラフィックデザイナーとしてキャリアをスタートし、輸入CDを扱うスタートトゥデイ(現 ZOZO)の通販カタログなどを担当。2003年に正式にスタートトゥデイに入社、ECサイト「ゾゾタウン(ZOZOTOWN)」の立ち上げのデザインを担当。以降、ブランディング、プロモーション、サービス開発に関わるクリエイティブの責任者を務める。同時に、自身の名義でファッション・ホビーを中心に多くの商品デザインも展開。2017年に独立し、デザイン事務所を立ち上げ。ラジコンショップ「ブロックヘッドモータース」も手掛ける。

「ラジコンはカッコよくならない」を覆す

 1977年生まれのJUNさんは、80年代のラジコンブーム直撃世代。中高生以降になると、興味の中心は音楽やデザインの分野に広がっていったが、大人になっても、好きなものの中にラジコンはずっとあった。同時に感じていたのは、歯がゆい思い。「たとえばスケートボードは常にファッションのそばにあって、かっこいいものになっている。ゲームもカルチャーになった。一方で、ラジコンはいつまで経ってもオタクっぽくて、かっこいいカルチャーと交わらない。ラジコンが好きだから、ファッションやカルチャーとつなげたいとファッション業界の人に話すと、『ラジコンは絶対にかっこよくならないよ』とも言われた」。

 ラジコンへの思いを胸に、JUNさんはZOZO在職中だった20年ほど前に、世界有数の模型メーカーであるタミヤにアプローチ。手書きの手紙とコラボレーションの企画書を送ったところ、少しずつ交流が始まった。数年かけて関係を築き、2012年にとうとうコラボモデルのラジコンの発売に至る。黒いドット柄とピンク色の掛け合わせが印象的なデザインは、同時期にZOZOTOWN限定で発売されたJUNさんデザインのリーボックのスニーカー「インスタ ポンプフューリー」とも連動していた。

渋谷パルコ5階の「ブロックヘッドモータース」店頭画像
渋谷パルコ5階の「ブロックヘッドモータース」店頭画像
渋谷パルコ5階の「ブロックヘッドモータース」店頭画像
渋谷パルコ5階の「ブロックヘッドモータース」店頭画像
渋谷パルコ5階の「ブロックヘッドモータース」店頭画像
渋谷パルコ5階の「ブロックヘッドモータース」店頭画像
渋谷パルコ5階の「ブロックヘッドモータース」店頭画像
渋谷パルコ5階の「ブロックヘッドモータース」店頭画像

渋谷パルコ5階の「ブロックヘッドモータース」

Image by: FASHIONSNAP(Atsuya Sano)

キャンプ × ラジコンなど楽しみ方が拡大

 「僕はラジコンそのものではなく、ラジコンの周りを作っているんです」とJUNさん。たとえば気持ちのよい空の下、キャンプ道具の横に置かれたラジコン。ガレージで愛車やバイクと並ぶラジコン。友人たちと集まって遊ぶ週末。ラジコンがライフスタイルの中にどうあったらかっこよくなるか、どうあれば大人の趣味の一つとして魅力的か、そんなイメージを発信し続けてきた。2017年にZOZOから独立し、千葉・習志野に自身のデザイン事務所を構えたが、その上階に2022年にラジコンショップを設けたのも、「発信のために街のラジコン屋のような場があった方が面白い」という考えからだ。

オリジナルデカールの画像

人気商品のオリジナルデカール

Image by: FASHIONSNAP(Atsuya Sano)

 ブロックヘッドモータースで一番よく売れるのが、オリジナルのデカール(1200〜1800円前後)。ラジコンの車体を装飾するためのステッカーで、「ブロックヘッドのデカールを貼るとラジコンがカッコよくなる」と支持が広がった。今となってはさまざまなデザインのデカールが売られるようになったが、JUNさんが販売を始めた当時は、純正品やメーカーがオマケとして製作するデカール以外、あまり選択肢がなかったのだという。「いかにラジコンを速く走らせるか、性能をよくするかにはフォーカスが当たっていたが、いかにおしゃれにするかの提案はほぼ存在しなかった」。

 近年、ラジコンを楽しむ人が増えている実感があるとJUNさんは話す。「昔はラジコン友達を探すだけで一苦労したけど、いまは状況が様変わりした。中心は30代後半〜50代の男性。子どものころにラジコンで遊んでいて、戻ってきた層もいるし、SNSを見て面白そうだと入ってきた人もいる。おしゃれな人が増えた印象がある」。コロナ禍にキャンプなどのアクティビティが盛り上がったことで、キャンプ×ラジコンといった楽しみ方も広がっている。タミヤと組んで、毎年秋に富士山のふもとのキャンプ場で行っているアウトドアフェスも盛況で、今年も11月に開催を予定している。

東南アジアや欧州で“ワールドツアー”

 こうした熱は海外にも拡大中だ。ブロックヘッドモータースは、パルコに請われて2025年に渋谷パルコ5階に常設2号店を出店。同店は客の6〜7割が訪日客だといい、もともとモーターカルチャーが盛んなオーストラリアや米国、経済発展著しい東南アジアなどからの来店が目立つ。「映画の『ワイルド・スピード』などの影響で、日本のカーカルチャーに興味を持つ層が増えている」ことも背景にある。渋谷パルコ店だけでなく、交通アクセスがいいとはいえない習志野の店舗にも、SNSを見た訪日客がふらりと訪ねてくる。

上海で開催した、自転車×ラジコンイベントの様子

 ブロックヘッドモータースとしても、2025年には“ワールドツアー”と称し、各国の販売パートナーのラジコンショップと組んでオーストラリアやドイツ、スペイン、中国の上海などでイベントを開催した。たとえば上海では、現地で流行っている自転車とラジコンを組み合わせて、サイクリングとラジコンのイベントを実施するなどの楽しみ方を提案。2026年春には、「ブロックヘッドモータースのSNSのフォロワーの中でも比率が高い」というインドネシアでもイベントを行った。「経済成長の中で、30代くらいの人たちが趣味にお金を使うようになっている。SNSのフォロワー数が20万人といった、現地で影響力のあるデザイナーや建築家、イラストレーターなどのクリエイティブ職の人が多数集まった」と振り返る。

 渋谷パルコ店は売れ行きも順調だが、「売り上げよりも、渋谷パルコに店があるということが重要」。ファッションやカルチャーとは縁遠い趣味とされてきたラジコンが、クールなジャパンカルチャーの発信地である渋谷パルコに並ぶようになった。「10〜20年前は一部の人だけに閉じられた世界だったラジコンが、今はカルチャーに接続した実感がある」とJUNさん。他の商業施設からの出店依頼も多いが「店の数を増やすことよりも、もっと濃くしていきたい」。

4月にインドネシア・バンドンで行ったラジコンイベントの様子
4月にインドネシア・バンドンで行ったラジコンイベントの様子
4月にインドネシア・バンドンで行ったラジコンイベントの様子

4月にインドネシア・バンドンで行ったラジコンイベント

Image by: BLOCKHEAD MOTORS

平松有吾 渋谷パルコ アソシエイツプロデューサーの話

 ブロックヘッドモータースは2025年4月に、渋谷パルコ5階に習志野に続く常設2号店を出店している。リーシングを進めた平松有吾 渋谷パルコ アソシエイツプロデューサーに聞いた。

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平松プロデューサー

渋谷パルコが掲げるのは「グローバルニッチ」。5階は「CHAOS CULTURE GEEK」というテーマで、領域を超えて、趣味もカルチャーもファッションもIPも交わる売り場です。ブロックヘッドモータースは単純なラジコンストアではなく、ラジコンをカルチャーの1つとして捉えているのが面白い存在。ぜひ出店してほしいと熱心に誘いました。常設出店の前に2年かけて話し込み、ポップアップで検証も重ね、販売面などのオペレーションも支援しています。2026年春は、初めて屋上でラジコンイベントも実施し、テナントとして順調に推移しています。

 渋谷パルコ屋上で2026年3月に開催したイベントの様子

最終更新日:

FASHIONSNAP ディレクター

五十君花実

Hanami Isogimi

1983年愛知県出身、早稲田大学政治経済学部卒。繊研新聞記者、WWDJAPAN副編集長、編集委員を経て、25年10月から現職。山スキー、登山、ラン、SUPを愛するアウトドア派。ビジネスからクリエイション、ライフスタイルまで、多様な切り口でファッションを取材。音声、動画、コミュニティーなど、活字以外のアウトプットも模索中。

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