(左から)谷田浩、川辺恭造、河村慶太
Image by: FASHIONSNAP.COM

Fashion インタビュー・対談

【鼎談】踊っているお店にーー3人のデザイナーが作った"シェアショップ"「サンバ」が目指すもの

(左から)谷田浩、川辺恭造、河村慶太
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 代官山に新たなショップ「サンバ(SAMVA)」がオープンした。ガラス張りの外装と白い内装はシンプルながら、店内には様々なテイストの商品がずらりと並び、BGMにサンバミュージックが流れている。ディレクターを務めるのは、「ストフ(STOF)」の谷田浩、「アクビ(Aquvii)」の川辺恭造、「イェーライト(YEAH RIGHT!!)」を手掛ける河村慶太の3人。15年近く東京のファッションシーンで活躍している3人が、新たに提案する"シェアショップ"とは?

谷田浩:2005年にストフを立ち上げ、シーズンごとのテーマを基にしたグラフィックワークを活かしたオリジナルテキスタイルを使用したコレクションを制作している。「ベッドサイドドラマ(bedsidedrama)」や「ストラマ(STORAMA)」など様々なブランドを手掛けている。
 

河村慶太:2005年に井村美智子とともにイェーライトをスタート。ヴィンテージアイテムを使ったリメイクといった一点物や、古着からインスパイアされたコレクションを発表している。
 

川辺恭造:2005年に代官山でアクビをオープン。アンティークとアートを融合させた店舗が特徴で、ひねりの効いたセレクトアイテムとオリジナル商品が人気を集めている。現在はショップとともにオリジナルのウェアやグッズを販売。

出店構想は居酒屋のトイレで

ー今回3人でお店を出すということですが、皆さんお付き合いは以前から?

河村慶太(以下、河村):合同展を一緒に開催したり、同じイベントに出たりと会う機会が多かったんです。飲みに行くこともよくあります。

ー店舗出店は誰のアイデアなんですか?

川辺恭造(以下、川辺):それこそ3人で飲んでいた時に、アクビのところでやらないかと僕が言い出しました。

河村:トイレから戻ってきた瞬間言った気がする(笑)。

谷田浩(以下、谷田):トイレから帰って来てから突然「お店やらない?」と言い出したので、正直びっくりしました。でも即乗っかりましたね。

河村:「いきなり何言ってるんだ」と思いましたが、面白そうだし場所も好立地で良いなと。イェーライトで一回お店を出したことがあって、またいつか実店舗をやりたいと思っていたので、良いタイミングだと思い賛成しました。

谷田:でも声掛けたわりには具体的に話を進めるまで時間かかったよね(笑)。

川辺:想像していたより2人の食い付きが良かったので、僕の方が一旦躊躇してしまって(笑)。いざやるとなったら色々と決めないといけないなと思ったので「1回持ち帰っていい?」って感じで保留にしちゃった。

ーお店の構想は以前からあったんですか?

川辺:アクビを結構長くやってきて、そろそろ別の面白いことをやってみたいなとは考えていたんです。それで谷田君、河村君といる時に、ふと「3人でお店を出す」っていうのが面白いんじゃないかと思ったんですよね。

ー準備にはどれくらいかかったんでしょう。

川辺:話をしたのが半年以上前で、結局3ヶ月くらい寝かせましたね。具体的に動き始めたのは2018年の夏前でした。

コレクションは置かず"踊っているお店"に

ーお店のコンセプトは?

川辺:先にひとつ決めてしまうと後々身動き取り辛くなっちゃいそうだなと思ったので、3人で好きなことができるお店にできたらっていうのが今の所のコンセプト。それぞれが楽しみつつ、混じりあった部分が見つけられたら面白いねって考えです。みんなで考えながら色々やっていこうねって。

河村:レイアウトも結構自由で。

川辺:ブランドごとのエリアがなんとなくあるんですけど、全部可動式の什器になっていて、レイアウトは簡単に変更が出来るんです。毎月来るたびに内装が動いていて、変化のあるお店だと面白いかなって。それで"踊ってるお店"になれば良いなって。

ー商品はここだけのものが多いですね。

谷田:卸先との被りを避けるため、コレクションラインは基本的に置いていません。サンバがストフに別注したという体の「アナザーワールド(ANOTHERWORLD BYSTOF)」、ストフがセレクトした古着「リ:スカバリー(RE:SCOVERLY BYSTOF)」、過去に出したTシャツコレクション「アーカイバーズ(ARCHIVERS BYSTOF)」、そしてクリエイターとのコラボ「スモールサークル(SMALLCIRCLE BYSTOF)」の4ラインで構成しています。

河村:イェーライトも基本そうですね。サンバ限定のリメイク品と、今まで定期的に作ってきた雑貨や小さいブローチだったりをまとめて展開しています。通常でもコレクションラインがリメイクで作っていたりと一点一点違うので、結局同じものが店頭に並ぶことは無いんですが。サンバでやるからにはいつもと違うものをやりたいなと思っていたので、限定のアイテムを展開していきたいという思いは強いです。

川辺:アクビは服の卸先が多く無いので、オリジナルの服は揃えるようにしています。あと思いつきのちょっとくだらない物とかも置いていきたいです。あと、サンバの2階は僕がいる時だけ小物とか古着とかを売る不定期のショップになってます。

ーそれぞれバラバラなんですね。

川辺:それぞれ好きなものを置く感じで、1つのお店に3人ディレクターがいるイメージなんですよね。

河村:でもサンバとして3人で一緒に作るものもあって、初回はTシャツ。それぞれのブランドが1色を提案して作りました。

川辺:Tシャツは谷田君の案で、僕がカチャカチャ付け加えたのを河村君が締めてくれました。

サンバ限定3PTシャツパック(税別8,800円)

ーアイデアはいつも誰から出て来ることが多いのでしょう。

川辺:3人それぞれが出しますね。服のデザインに限らず、お店でやることは全部皆で話し合いながら進めています。ただ僕の考えや発想は結構スルーされていますが(笑)。向き不向きがあると思うので、やっていくうちに担当を作るようになるかもしれません。

谷田:僕は基本的にあまり自己顕示欲がなくて、店の運営自体は出来るけどPRは積極的にできないんです(笑)。その辺を3人で分業できたらなって思っています。

ーインスタグラムでは曜日ごとに内容が分かれていてユニークだなと思いました。

川辺:あれも谷田君のアイデアだったね。Q&Aやブランドのこととか商品の紹介といった感じです。

谷田:普段あまりSNSを使わないので、お店をやるからにはこれくらいはしなきゃなという思いで始めたんですが、結構楽しみながらできています。なんて事ない内容も投稿していて、それでどういうお店かわかってもらえたら嬉しいなって。

河村:ブランドのインスタグラムだとどうしてもかっこ良く見せようとしがちじゃない?それで面白くなくなっちゃったり。

川辺:面白い方がいいよね。インスタグラムの3つの縦のラインがちょうど3ブランドごとに分けた投稿にしてわかりやすくもなっているし。かっこ良さと面白さを両立させる努力ももちろん必要だけど。

ー他のブランド、デザイナーが加わることもあり得る?

河村:そうなったら喧嘩ですね。僕たちのうちの誰かが辞めることになる(笑)。

川辺:怖っ。

ーECサイトは作らないんですか?

川辺:それぞれが既に自社でECを運営しているので、作るとしたら一味違う面白いものにしたいですね。

河村:お店に置いていないものをひたすらアップするとかね。

谷田:謎なものがいいよね。サンバ社員旅行じゃないですけど、3人で旅行した先で買ったものとか。

川辺:僕は3人集まったらなんでも無茶できるんじゃないかと思っているので。ECももしかしたら急に立ち上げるかも。

谷田:うちはECをやっていないんですけど、いまの時代ってお店のことやブランドについて、詳細を見せないとお客さんが来てくれないというか。本当はウェブであまり手の内を明かしたくないんだけどね。面白そうだからお店行ってみようとなってもらうことが理想で、そこに対してどう仕掛けていくかを考える必要がある。

河村:ちゃんとしたものは自社のECでしつつ、遊びの部分をサンバのECでチャレンジするとか、3人でやってるからこそ色々出来そうだね。

次のページは>>3ブランドで出店、新しい店舗のあり方とは?

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