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セーブ・ザ・ダックが貫く環境のための難題なルール、CEOが語る未来への道程

ニコラス・ハルジCEO

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セーブ・ザ・ダックが貫く環境のための難題なルール、CEOが語る未来への道程

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 羽毛をむしり取られずに済んだアヒルは、安堵のあまり冷や汗をかきながら口笛を吹く。こうしたアヒルを増やすため、サステナブルアウターウェアブランド「セーブ・ザ・ダック(SAVE THE DUCK)」は2012年にイタリア・ミラノで立ち上がった。“動物由来の素材は一切使わない”、ブランド設立時から貫いているポリシーは簡単ではないものの、その分共感の声が多く、ヨーロッパや北米を中心にシェアを拡大している。日本での展開をさらに強めていくため、独占販売契約を結んでいる帝人フロンティアとの極秘の作戦会議のために来日したと笑顔を交えながら話すニコラス・ハルジ(Nicolas Bargi)CEOからはポジティブさがあふれていた。

 ニコラス・ハルジCEOは、3世代に渡って引き継がれてきたテキスタイル企業Forest clothingの創業者フォレスト・ハルジ(Foresto Bargi)の孫として生を受けた。幼い頃から父親に連れられ世界中の工場を回り、そこでの体験がセーブ・ザ・ダックの立ち上げに大きく関わっている。

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「子どもの頃から中国、バングラディッシュ、カンボジアといった国の工場を回ることが多かったんですが、労働環境や動物の扱われ方に衝撃を受けたことを今でも覚えています。自分でビジネスをする場合、どうすればこの状況を変えられるだろうか。ずっとそうした考えが頭の中にありました」

 2008年に父親が引退したことを機に会社を継ぎ、2012年にセーブ・ザ・ダックを設立した。当時は今ほど環境問題について語られる状況ではなかったが、環境へ配慮することが当たり前になっていく確信があったという。

「パタゴニアやコロンビア、ザ・ノース・フェイスといったアウトドアブランドは環境へ配慮した取り組みを始めていましたが、ファッションの分野ではステラ マッカートニーぐらいだったと記憶しています。ファッションブランドから環境問題について語られることは本当に少なかった。しかし、外の世界へ目を向けて新聞や本を読むと、気温や海に異変があり地球で何かが起きていると確かに報じられていました。これまでのやり方を続けていれば、被害が大きくなるのは当然なので、対策するためにも社会に貢献できるブランドを立ち上げようと考えました」

セーブ・ザ・ダックのロゴ。羽毛をむしり取られずに済んだアヒルがモチーフになっている。

 サステナブルと謳いながらも、一部に動物由来の素材を用いるブランドも多い中で、セーブ・ザ・ダックはファーもダウンもレザーも含め「動物由来の素材は一切使わない」という振り切ったルールを設けた。繊維会社から「リサイクルされたカシミアを使用しないか」というオファーもあったそうだが、ルールに則り使わない選択を選んだ。

「すでにあるブランドと同じことをしていても、ユニークなものは生まれない。比類ないブランドにするためにも、そして私が望む未来のためにも動物由来のものは一切使わないという思い切った決断が必要でした。そのなかで機能性を担保することはもちろん簡単なことではないですし、適した素材を適した箇所に使うという研究には膨大な時間を要しますが、ルールの中でベストを尽くすことを心がけています。セーブ・ザ・ダックのダウンには、グースダウンの代わりにペットボトルを再生した微粒子をポリエステル繊維に絡めた特許素材プラムテック(PLUMTECH®)を使用していますが、これを着用してヴィーガンクライマーのクンタル・ジョイシャー(Kuntal Joisher)が世界で初めて動物性防寒着以外でエベレストを登頂しました。この事例によって性能の高さを証明することができましたし、私たちの研究に大きな希望を与えてくれました」

 立ち上げからの3年は、1つの生地で8つのカラーからなるメンズ・ウィメンズ各3型のパファージャケットを販売。春夏は軽量に、秋冬は重量にと中綿の量を調整して展開した。早くから環境配慮に目を向けていた人たちからの注目を集め、3年間で77万5000着を販売。手応えを感じ、徐々に型数を増やしていった。

「環境への配慮から始まったブランドなので、私たちにとってサステナブルは最重要事項です。日々の商品開発は、全ての商品がリサイクル可能になるように、そしてリサイクルにおいてもCO2や水など環境への影響が限りなく小さくなるようにする。毎年どのように変えれば、さらに良くなるかを模索して取り組んでいます」

 動物由来の素材を一切使わずにアイテムを展開してきたセーブ・ザ・ダックは、次なる課題として、リサイクルの効率を上げるため一つの繊維でのアイテム製作に取り掛かっているという。

「私が今日着用しているパンツは3年間愛用していますが、80%のポリエステルと20%のスパンデックスで構成しています。これではリサイクルするときに、一度解体しなくてはいけません。この時点でセーブ・ザ・ダックにとっては問題なのです。ただ、単一素材で製作しても、例えばストレッチが効かないものでは納得できません。機能性を高めながら、どう改善していくか。実はまだ秘密だったんですが、来年に単一素材でありながらストレッチ性がある改良版のパンツを発売する予定です」

ニコラス・ハルジCEOが着用していたパンツ。来年に単一素材で作られた改良版を発売予定。

 日本では2019年に帝人フロンティアと独占販売契約を締結し、2020年秋冬シーズンから展開を開始した。百貨店を中心としたポップアップイベントとオンラインストアで販売しており、売上は毎年2倍のペースで成長しているそうだ。

「日本人は文化に向き合う傾向が強いと感じています。バックグラウンドを重視して、経緯や理由を深堀りする。ポップアップストアでブランドの資料を置いていたんですが、熱心に歴史のページを読んでくれる人が多かった。ヨーロッパでは購入者の60〜70%がブランドの考え方を理解してくれていると感じますが、日本では90%くらいの人が共感してくれているのではないでしょうか。立ち上げから貫いてきた動物由来の素材は一切使わないというルールをしっかり理解してくれて、それが成長できている大きな要因の一つだと思っています」

 “極秘の作戦会議”と今回の来日の目的について説明するニコラス・ハルジCEOに、改めて今後の日本での成長戦略について聞いた。

「日本市場でさらにセーブ・ザ・ダックを大きくしていきたい。認知度を高めるために、適した場所でのポップアップストアは今後も積極的に行っていく予定ですが、ゆくゆくは直営店を出したいと思っています。目標としては2024年の冬までには。そして、そのためにもビジネスパートナーが大事だと思っているので、帝人フロンティアと環境問題を改善するための素材の開発はもちろん、日本人の考え方について教えてもらいながら皆さんにより愛してもらえるようなアイテムを作っていく予定です」

 インタビューを終えたニコラス・ハルジCEOは市場調査で商業施設を見て回るため、足早に街へと向かった。未来について考えるときは「ポジティブであること」を重視しているという同氏だが、自らが積極的に足を運び学ぶ姿勢からはセーブ・ザ・ダックが飛躍するポジティブな未来を想像させた。

セーブ・ザ・ダックの2023年秋冬アイテム

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