
Image by: Hiroyuki Ozawa

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サッカーを愛する4人のファッション業界人を招き、「サッカー部出身者が多いファッション業界の謎」や日本代表の現在地、そして「FIFA ワールドカップ 2026」の展望について語ってもらった座談会に続き、今回は日本代表の歴代ユニフォームをテーマにした後編をお届け。舞台は同じく東京・恵比寿の老舗ブリティッシュパブ「フットニック(THE FooTNiK)」。2002年日韓大会の“富士山”から2022年カタール大会の“ORIGAMI”まで、それぞれのユニフォームを振り返りながら、刻まれたW杯の記憶や名場面、好きなデザイン、そして理想の日本代表ユニフォームについて語り合ってもらった。
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(右上から時計回りに)ウツミタクト、Genshi Yamasaki、RIKU OSHIMA、ヌマタユウト
▼ヌマタユウト
バーバー。1988年生まれ、兵庫出身。サッカー歴は12年。ヴィッセル神戸とリヴァプールを中心に応援。
Instagram:@yuto__ny
▼RIKU OSHIMA
ファッションスタイリスト。1991年年生まれ、北海道出身。サッカー歴は10年で、現在も週2でフットサルに参加。北海道コンサドーレ札幌とアーセナルのサポーター。
Instagram:@rxixkxux
▼Genshi Yamasaki
リレーショナル キュレーター。1991年年生まれ、大阪出身。サッカー歴は12年で、現在も週2でフットサルに参加。アーセナル一筋のグーナー。
Instagram:@genshi.yamasaki
▼ウツミタクト
MD/バイヤー。1994年生まれ、東京出身。サッカー歴は14年。東京ヴェルディとアーセナルのサポーター。
Instagram:@t_uccchantheman
*“選手”の表記は省略しています。
思い出の日韓大会、“富士山”モデル
⎯⎯前回の座談会に続き、今回は日本代表のユニフォームに焦点を当てた内容で進めさせていただければと思います。そもそも、皆さんはいつからW杯を観始めましたか?
Genshi Yamasaki(以下、Genshi):僕らの世代は、年齢的に2002年日韓大会じゃないですか? 俺は当時小学5年生でしたね。
ヌマタユウト(以下、ユウト):俺は中2やな。
Genshi:チュニジア戦が平日の15時半キックオフで、小学校から「W杯を観なさい」って言われて早く帰らされた記憶があって、どうでした?
ユウト:うちの中学もそうやったわ!
RIKU OSHIMA(以下、RIKU):確か、決勝トーナメントのトルコ戦も平日の同時間帯だったんだよね。
Genshi:それで、オカンが普段マクドナルドとか買うてくれへんのに、「買って観ようか」って言ってくれて、「ええの!?」ってなった思い出(笑)。
ウツミタクト(以下、ウツミ):可愛い思い出だね。
ユウト:でも分かるよ、それくらい特別な日で全員が沸いてたよな。
⎯⎯ありがとうございます!その2002年日韓大会で着用されていたのが、この“富士山”(2002〜2003年)です。

RIKU:俺が歴代で一番好きなモデルだ。アウェイもめちゃくちゃ良いんだよ。
Genshi:このユニフォームが、「世界と戦える」って日本人のサッカーに対する概念を変えたし、モデル名もめっちゃ日本っぽくてええよな。当時のブカブカ感で、半袖が6部袖くらいになるのもいい。
ヌマタ:これはオーセンティックモデル(注:選手が試合で着用する素材・仕様で作られたモノ)だよね? 今と違って生地が分厚いわ。

ウツミ:しかもメッシュを使った二重構造だったんだね。
Genshi:こうやって見てると欲しくなってまうな。JFA(日本サッカー協会)のエンブレムも、今と違うのが懐かしいわ。
ウツミ:この黄色がスタイリッシュな感じで、僕はめっちゃ好き。
背番号「10」のイメージは、やっぱりあの人
⎯⎯お次は、2006年ドイツ大会の“刃文”(2006〜2007年)です。

Genshi:初めて買ったユニフォームで、今見てもデザインが圧倒的にカッコよすぎる。
ユウト:襟のデザインが当時の「アディダス」っぽくて良いわ。
ウツミ:デザインはカッコいいけど、2006年ドイツ大会は惨敗だったね(注:グループステージを3戦1分2敗の最下位で敗退)。
Genshi:サッカー少年たちが、2002年日韓大会で世界ともわたりあえると知るも、2006年ドイツ大会で「あれ、無理かも......?」ってなったよな(笑)。
⎯⎯ちなみに、このユニフォームは中村俊輔の背番号「10」ですが、皆さんが思う“日本の背番号「10」”といえば?

Genshi:やっぱりシュンスケじゃない? 2006年ドイツ大会と2010年南アフリカ大会で背負ってたよね。
ウツミ:2014年ブラジル大会と2018年ロシア大会で背負っていた香川真司は、本当に素晴らしい選手だけど背番号「10」って感じではなくて。世代的にシュンスケの印象が強いよね。
Genshi:せやんな。俺らはシュンスケ以上の「10」が思い浮かびづらいかも。彼のようにプレースキッカーが「10」を背負うイメージがあるから、今とは少し意味合いも変わってくる。
ユウト:2026年北中米大会は堂安律が「10」だけど、「プーマ(PUMA)」契約選手が背負うのは珍しくない?
ウツミ:そうかも。“「アディダス」契約選手じゃないと「10」は背負えない”って都市伝説を聞いたことがあるから、2022年カタール大会に引き続き南野拓実か、もしくは久保建英かと思っていたけど、まさかだったね。


RIKU:俺は、過去を美化するわけじゃないけど、ラモス瑠偉の背番号「10」は衝撃的だったよ。当時のJリーグの看板選手が背番号「10」を背負ってたんだから。まさしくこの時で(写真を指差す)、パンツの短さといい、この時のラモスはマジでカッコいい。
ユウト:確かに、この時のラモスはイケてるわ。
Genshi:そういえば、この頃は同世代の知り合いが代表のアンダーに選出され始めたこともあって、俺はユニフォームを着られんかったわ。
RIKU:それはなんで?
Genshi:俺は大阪府トレセンの最終で落ちるタイプやったから(注:地区<都道府県<地域<ナショナルで選考)、着たい気持ちはあったけど選出外の身で日本代表のユニフォームは背負えなかった......(笑)。

ウツミ:そんなこと気にせず着たっていいのに!
Genshi:まだサポーターになりきれず、プレーヤーだったんやろな。
日の丸はどこに入れるのがベスト?
⎯⎯続いては、2010年南アフリカ大会の“革命に導く羽”(2010〜2011年)です。

ユウト:シルエットが結構タイトだった時のユニフォームやな。
ウツミ:2タイプあったんだよね。長谷部誠と長友佑都が着てたピタッとしてるコンプレッションウェア“テックフィット”と、遠藤保仁が着てた快適さを重視した少しゆとりのある“フォーモーション”。デザイン的にめちゃくちゃカッコいいわけでも突飛でもないけど、僕らの世代で覚えている人は多いんじゃないかな。
ユウト:AFCアジアカップ2011の優勝時もこれ着てたしな。
RIKU:それもあって、国内で日本代表のサッカー熱がグンっと上がったのは、明確にこのユニフォームの時期だと思うね。
Genshi:日の丸が左胸上に付いてるのがいいね。
⎯⎯これ以降、しばらく日の丸が左胸上にデザインされていました。ただ先日、自分がプライベートでチュニジアを訪れた際に最新ユニフォーム“HORIZON”を着ていたのですが、日の丸が分かりやすくデザインされていないこともあって(注:襟後ろにアリ)、話しかけられることは多かったのに誰にも日本代表のユニフォームだと認識されなかったんですよ。なので、個人的には分かりやすい位置に日の丸があった方が、代表感があって良いと思います。
Genshi:間違いないね。いろいろな思想や意見はあると思うけど、俺も日の丸がデザインされている方が好きやわ。
ウツミ:どんな思想であれ、日本人なら日の丸を好きでありたいよね。
⎯⎯次なるは、2014年ブラジル大会の“円陣”(2014〜2015年)です。


ユウト:円陣を組んだ時、上から見ると大きな輪ができるやつやな。ネオンピンクの差し色が俺はいいと思ったわ。
ウツミ:最強メンバーとアルベルト・ザッケローニ(Alberto Zaccheroni)監督で挑んだけど、グループステージで1勝もできずに大会を去った苦い思い出のやつ......。
RIKU:コートジボワール戦でディディエ・ドログバ(Didier Drogba)が登場するや否や、数分で試合をひっくり返した時だね。
ウツミ:コロンビア戦でもハメス・ロドリゲス(James Rodríguez)に散々に攻められたし......。
Genshi:あのループシュートは上手かったな〜。あの時、俺ハメスと同い年やってん。
ユウト:今も同い年やろ!
一同:爆笑
ウツミ:Genshiくんだけ先に年取るとかないから(笑)。
RIKU:覚えてはいるけど、いい思い出がないW杯の時のユニフォームって、びっくりするくらい記憶から消えてるね。
「Y-3」コラボも登場、進化するデザイン&機能性
⎯⎯続きましては、2018年ロシア大会の“勝色”(2018〜2019年)です。

ウツミ:僕は歴代で一番これが好きなんだけど、ベスト16でベルギーにまくられた時のユニフォームなんだよな〜。
Genshi:あの時は見える世界が変わると思ったわ。
ユウト:69分まで2-0リードしてたけど、立て続けに失点してな。
Genshi:アディショナルタイムの3失点目で、戦車のようなロメロ・ルカク(Romelu Lukaku)が華麗にスルーして、そこに飛び込んできたナセル・シャドリ(Nacer Chadli)に対してスライディングするけど追い付かない昌子源をめっちゃ覚えてる。
ウツミ:この大会は乾貴士が活躍してたから(2ゴール1アシスト)、彼のイメージが強いかも。
ユウト:ボディ全体にデザインがあるけど、腕の部分と背面は無地のシンプルで良いんよな。

RIKU:今だったら、刺し子柄の部分をサシコギャルズ(SASHIKO GALS)にハンドメイドしてもらったらおもしろそうだよね。
⎯⎯変わって、こちらはW杯では着用がなかったのですが、東京2020オリンピック・パラリンピックの“日本晴れ”(2020〜2021年)です。

RIKU:これはデザインが強かったから鮮明に覚えてるね。
Genshi:賛否あったみたいだけど、俺はめっちゃ好きやったわ。
RIKU:“スカイコラージュ”柄は、コンセプトも良いし「アディダス」の定番柄として残しても良いと思ったんだけどね。

ユウト:あ、これ襟の内側に“日本晴れ”の漢字がデザインされてたんや。知らんかったわ。
ウツミ:東京2020オリンピックはベスト4まで勝ち進めたんだけどね〜。
RIKU:埼玉スタジアム2002で、115分にマルコ・アセンシオ(Marco Asensio)に決められて決勝を逃したのは悔しすぎたな。
⎯⎯お次は、2022年カタール大会の“ORIGAMI”(2022〜2023年)です。

ユウト:俺が一番好きなユニフォームや!
Genshi:俺も、唯一自分の名前を入れたことがあるユニフォームだわ。ネームと背番号が黄色なのがええんよな。
RIKU:脇とか裾にあしらわれてる赤色のシームテープも良い具合の差し色だよね。
ウツミ:え、このシームテープに“JAPAN”と“日本”の文字が入ってるの初めて知った!



ヌマタ:ほんまや!全然気付かなかったわ。
ウツミ:ベンチレーションも設けられているし、こうやって過去のユニフォームと比べると機能性がどんどん高まっているのが分かっていいね。
Genshi:最近すぎて実感がないけど、ドイツとスペインに勝った伝説のユニフォームだから、時間が経てば後世に語り継がれているんじゃない? 俺らの世代が2002年日韓大会の“富士山”に思い入れがあるように、今の若い子たちにとっては特別な1着やろな。
⎯⎯こちらも“日本晴れ”と同じくW杯でこそ着用はありませんでしたが、ファッション業界でも大きな話題となった「Y-3」とのコラボモデルの“FIRE”(2024〜2025年)です。




Genshi:いや〜やっぱりカッコいいね!
ウツミ:丸首仕様の後ろ側だけリブになっているのは知らなかった。「アディダス」のユニフォームは、いつからか襟の内側に首回りのフィット感や耐久性をアップするパッドみたいなのがあるよね。
ユウト:「Y-3」のロゴに目が行きがちやけど、炎のグラフィックもカッコええんよな。

RIKU:「もう一回『Y-3』とのコラボモデルが出る」って噂を聞いたことがあったけど、日本が誇るブランドとのコラボはもっと進めていいと思うんだよね。「マーティン ローズ(MARTINE ROSE)」はイングランド代表と、「ウェールズ ボナー(Wales Bonner)」はジャマイカ代表とやっていたし、ファッションとスポーツの親和性が高くなっている今、こういった動きはすごく良い。それこそ、スパイクまで作るべきだと思う。
Genshi:選手が試合中に履くスパイクが、もっとファッション的にカッコよくなるのを見てみたいね。
「かっこいいユニフォームは自信になる、いいプレーを生む」
⎯⎯以上、最新の“HORIZON”(2026年〜)を除く「アディダス」が手掛けてきた歴代のW杯モデルを中心に振り返っていただきましたが、ユニフォームといえば半袖か長袖で好みが分かれます。皆さんはいかがですか?
ウツミ:やっぱり長袖だな〜。
Genshi:長袖がおしゃれに見えちゃうんよな。
RIKU:長袖の場合って腕をまくることもできるし、袖を掴んでのプレーに謎のロマンがある。
ヌマタ:そのロマンは確かにあるわ(笑)。
Genshi:なんか長袖は“許された選手”しか着れない感覚ない?
RIKU:分かる分かる!下手な選手の長袖ってダサく見えるよね。
ウツミ:めちゃめちゃ体を張る選手の長袖も、ちょっと違うよね(笑)。
ヌマタ:長袖といえば、デビッド・ベッカム(David Beckham)、アントワーヌ・グリーズマン(Antoine Griezmann)、鎌田大地。モハメド・サラー(Mohamed Salah)も袖を掴みながらプレーしている印象があるわ。力が入るからかな?
Genshi:“うまいやつ、袖掴みながらプレーしがち”。
⎯⎯歴代モデルから少し話が逸れるのですが、カッコいいユニフォームを着ていると勝率アップに繋がると言われており、これは髪型にも通じるとされています。

ユウト:それで言うと、ブラジル代表には専門のヘアスタイリストが帯同しているんですよ。今大会、彼らの髪型に注目してほしいんですけど、常にフェードとかめちゃくちゃ整っているはず。トップの選手は、“見られている意識”がしっかりとあって、自分を良い状態に保つことは必ずプレーにも作用する。だから、僕は高校生のサッカー選手の髪を無料で切ったりしているんですよ。カッコいいユニフォームを着て、整えた髪型でピッチに立てば、自然と自信も生まれるし、その自信はきっとプレーにも表れると思っています。
ウツミ:そんな素敵なことをしているんですね!
Genshi:小野伸二の五厘とか、めっちゃカッコよくないですか? 決め切ってる坊主って、最高なんすよ。
ユウト:五厘の小野はカッコええけど、ちょっと話がややこしくなるわ!(笑)。
⎯⎯最後に、理想の日本代表ユニフォームがあれば教えてください。
RIKU:今回、ノルウェー代表のアウェイユニフォームが真っ黒で、それが本当に超カッコいいんだよね。だから、日本代表でも真っ黒のユニフォームとか見てみたくない?
ウツミ:それは絶対にカッコいい!
RIKU:日本サッカー協会のシンボルも八咫烏(ヤタガラス)だしね。
Genshi:もう、それでええやん!

RIKU:もし実現した場合、「Y-3」じゃなくて「ヨウジヤマモト(Yohji Yamamoto)」とコラボしてほしいな。2014年にレアル・マドリードと「ヨウジヤマモト」がコラボしたとき、伝説上の動物が落とし込まれていたように、八咫烏をコンセプトにするのが良さそう。
Genshi:首回りには絶対に襟を付けてほしいな。
RIKU:襟を羽みたいにデザインしちゃってね。
Genshi:ビジュアル系バンドみたいに襟をフワフワにするってこと!?

ウツミ:なんで一気に台無しにするの? 今までめっちゃいいコンセプトで完璧だったのに(笑)。
RIKU:違う違う!襟のデザインをカラスの羽っぽくするってだけ!(笑)。
Genshi:......でも、中村敬斗とか伊東純也とか似合いそうやな。

ウツミ:いやいや、名前を挙げづらいから言わないけど、他の選手たちのことを考えてみて? 絶対にダメだから(笑)。
最終更新日:
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