
山本耀司
Image by: FASHIONSNAP(Koji Hirano)

山本耀司
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デザイナー山本耀司が、愛について語った。
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今シーズンのメンズファッションウィークは、混沌とした世界にデザイナーらが何を思い、もの作りや表現を通じて何を伝えたいかが浮き彫りになっている。パリで開催された「ヨウジヤマモト プールオム(Yohji Yamamoto POUR HOMME)」2024年秋冬コレクションのショーは、山本と長年の親交がある映画監督ヴィム・ヴェンダースの出演や、男女が服を共有し寄り添って歩く姿など、人間同士の深いつながりを感じさせた。
主役は誰か?
ファッションショーは、もちろんファッション(=服、およびスタイル)が主役なのだが、今回のヨウジヤマモトは人が主役だったのではないかと思わずにはいられない。「着る人を引き立てる服」という常套句が安直に聞こえるほど、人が持つ色や温度、人間性がじわりと服に滲み出るような、そんなコレクションだったように振り返る。終始穏やかなムードに包まれ、友情や愛情といった、様々な形の人間愛が垣間見えるようだった。











ヴィム・ヴェンダースと山本耀司の深い関係
あらゆるルーツやパーソナリティを持つ老若男女のモデルたちの中で、ひときわ味のある姿を見せたのは、やはりヴィム・ヴェンダースだった。彼は1989年に山本のドキュメンタリー映画「都市とモードのビデオノート」を撮影。山本とヴェンダースの2人は、東京とドイツで、それぞれ戦時下に生まれ育ったということで同じ記憶を共有したといい、「会って3秒で兄弟になったよ」と山本は振り返っている。

ヴェンダースと腕を組んで歩いたのは、バレエダンサーのオニール八菜。2人の設定は親子か、それとも恋人か、といった想像が膨らみつつ、寄り添って歩く姿が印象に残った。
なお、ランウェイモデルに女性が起用されること自体が珍しいが、彼女らが着用している服はスカートなども含めてヨウジヤマモト プールオムとして展開されるという。ラストルックを飾った2人の揃いのボトムスには、「Wim Wanted me」や頭文字の「W.W.」といったユニークなワードが踊っていた。


また、大ヒットしたテレビドラマ「ウォーキング・デッド」のダリル・ディクソン役で知られる俳優ノーマン・リーダス(Norman Reedus)もランウェイを歩いた。彼は日本に住んでいたこともあり親日家で、ヨウジヤマモト プールオムと「ネイバーフッド(NEIGHBORHOOD)」によるコラボレーション第2弾(2023年12月発売)のキーヴィジュアルに起用されたことも記憶に新しい。
ショーで着用していたのは、テキストの刺繍が施されたセットアップや、アウトドアテイストのカジュアルなスタイル。シャンブレーシャツの背中の「CHOTTO LOVE」というウィットの効いた刺繍が目を引いた。



客席に目を向けると、数シーズン連続でヨウジヤマモトのショーに出席している「ヴェトモン(Vetements)」のグラム・ヴァザリア(Guram Gvasalia)やネイバーフッドを手掛ける滝沢伸介、そして元サッカー・フランス代表選手のジネディーヌ・ジダン(Zinedine Zidane)らの姿があった。ジダンは、山本がデザインを手掛ける「Y-3」が2006年にニューヨークで開催したショーで、山本とPK合戦を繰り広げるというパフォーマンスを行ったことがある。
近年話題を集めるセレブリティ・マーケティングとは異なり、ヨウジヤマモトの会場には山本やブランドと親交が深い面々が集う。会場はパリに構えているショールームで決して広い空間ではなく、客席は常に鮨詰め状態。毎シーズン「ショーが見たい」というオファーが絶えないと聞く。
バックステージで山本耀司が語ったこと
ショーの終了後にバックステージに駆け込むと、山本は海外メディアによる質問に答えているところだった。その内容は、今回のコレクションのアイデアについて。「ただ、男性のあるべき姿、女性のあるべき姿、それぞれ自由であるということをみなさんに共有したかったのです」「とても人間的ですね」「そうです。もちろん」。
英語での対話が終わり、一息ついて椅子に腰掛けたところで声を掛け、山本が思う愛について日本語で尋ねた。すると、9月に開催されたウィメンズのショーのバックステージで行ったインタビューの続きとも取れる答えが返ってきた。
「今、アートやクリエイション以外に愛を感じます? だから少なくとも、アーティストとしては愛を触らないと、やってられないんです」
ショーの本番直前まで自らの手を動かし服の細部やスタイリングを調整しているという山本ならではの"愛を触る"という表現に胸を打たれて外に出ると、真冬のパリの街が少し暖かく感じるようだった。
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