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【2022年ベストバイ】スタイリスト TEPPEIが今年買って良かったモノ

 今年のお買い物を振り返る「2022年ベストバイ」。12人目は、東京のストリートカルチャーをバックグラウンドに独自のファッション哲学と世界観でデザイナーやミュージシャンからも熱い信頼を受けるスタイリストのTEPPEIさん。ストイックに服と向き合うTEPPEIさんが一つの"夢"を叶えたという2022年に買って良かったモノ10点。

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Bernhard Willhelmのダイナソースウェット


FASHIONSNAP(以下、F):今日は仕事場兼ご自宅にお邪魔しています。衣装部屋にある膨大な数の服の中から今年のベストバイを選んでいただきました。まず1点目は、カラフルなダイナソープリントのスウェットですね。

TEPPEI:2002年フォールシーズンの「ベルンハルト・ウィルヘルム(Bernhard Willhelm)」のスウェットです。ちょうど高校を卒業してファッションの勉強を始めるために上京した年に、究極的にリラックスしたコレクションブランドとして突如として出てきたのが印象的で。

F:TEPPEIさんにとってベルンハルト・ウィルヘルムはどんなブランドだったんですか?

TEPPEI:ファッションに没入し始めた日々の中でも最も印象的で熱狂した、大切なブランドです。1990年代後半〜2000年代初頭の東京って時代の移り変わりで混沌としていた気がするんです。当時は気づいていなかったんだけど、言葉では細分化できないほど色々なものが表現されていたのが90年代で、ファッションが元気な時代だった。裏原だったり日本のコレクションブランドが世界に進出して、先輩方が作り上げたカルチャーが確立しきった時代だったなと。

 2000年はそれが淘汰された時代でもあって、圧倒的なものは残りつつも新しいものも出てきた。その中で自分にとっても、それまでの時代を築き上げた大人たちにとっても新鮮だったんだろうな、というブランドの一つがベルンハルト・ウィルヘルムな気がしています。当時はただ可愛いから着ていて、そこまでは考えてなかったんですけどね。

F:TEPPEIさんは2000年代の東京のカルチャーとして注目されていたストリートスナップの世界でカリスマ的な人気を得たというバックグラウンドをお持ちですよね。

TEPPEI:専門学校卒業後、古着屋で働き出してから原宿のストリートスナップの文化に出会い、自分がその世界でフィーチャーされるようになりました。当時の東京のストリートカルチャーは欧米のファッションデザイナーにとって面白いインスピレーション源の一つだったんです。その当時の東京の"今"を切り取る書籍としてスナップ誌が重宝された時代に、ベルンハルト本人やジェレミー・スコット(Jeremy Scott)が見ていてくれて。特にその2人はお店にも会いにきてくれて、僕のことを好意的に捉えてくれました。

F:ファッション好きな若者としては衝撃的な出会いですね。

TEPPEI:
よりベルンハルトのファンになりました。知ってる人もいるんですが、僕のスタイリングをインスピレーションにして作ったコレクションもあったりして。そういったクリエイティブなキャッチボールがあって親近感を感じていたこともあり、このスウェットは当時から持って着ていたんです。

 ところがある日、洗濯時に新品の赤モノと一緒に洗ってしまうというありえない初歩的なミスをしてしまって。ひどく落ち込みましたね。しばらくは持ってなかったんですが、メルカリで良い状態のものを見つけてすぐ買いました。

F:大切な一枚とのことですが、今年はどんな時に着たんですか?

TEPPEI:仕事のハイライトとして今年の9月、「アンリアレイジ(ANREALAGE)」のショーのスタイリングでパリに渡航したんです。仕事でパリコレに行くことは、スタイリストを目指した当時の僕にとっては夢が形になった瞬間で。高校で進路を決める際に、「パリコレでスタイリストとして仕事をしたい」って両親に言葉として伝えたことを今も覚えていて。今年の夏に仕事が決まりパリに行くことを親に報告した時は、泣いて喜んでくれました。ファッションの仕事を色々やってきたけど、有言実行できたのは初めてだったかもしれません。

 実際に渡航する前のパッキングの際に、「何着ていこう?」と悩んで、このスウェットを着ていくことに決めました。インスタでタグ付けしたら、ベルンハルトからもリアクションがきましたよ(笑)。

F:自分の夢が叶った晴れ舞台で着たんですね。

TEPPEI:もちろん、ショー本番のバックステージではスタッフクルーTシャツ着てましたけど。一連のストーリーも含め、今年一番のベストバイかな。まあずっと持っていたものではあったんですけどね。

DREAM BABY!のショート丈ダウンジャケット

F:続いては、これまたポップなプリントのダウンジャケットですね。

TEPPEI:アンリアレイジのパリでのショー会場が「ドーバー ストリート リトル マーケット(DOVER STREET LITTLE MARKET)」と同じ敷地だったので、テンションが上がってショー終わりに買ったのがこのジャケットです。ドーバー独占で扱っている「DREAM BABY!」っていうブランドで。どんなブランドかはよくわからなかったんですけど、ただ単純に「なんか買ってやる!」という思いで購入を決めました(笑)。

F:ちょうどパリコレ期間中に展示会を同じ施設でやっていたので、デザイナーとお話しました。「リベラル ユース ミニストリー(LIBERAL YOUTH MINISTRY)」というブランドのウィメンズラインということで、とてもキュートなご夫婦がやられているんです。おそらくグラフィックはアーティストとのコラボレーションだと思います。(※アーティストのuou___cuteによるグラフィックとのこと)

TEPPEI:そうなんですね。その時の自分の出立ちとしてはダイナソースウェットを着て、耳付きの帽子を被ってこのジャケットを着ていたので、一緒にいた友人から「浮かれすぎてません?」と言われて(笑)。なかなか日本では買うマインドまで至らないアイテムかもしれないんだけど、海外でショーが終わった解放感と、気持ちのパッケージングをしたくて買ったものです。いい気分で東京でも着られるな、と思って。

F:まさしく「夢」をコンセプトに掲げているブランドなのでぴったりですね。その土地で買ったものは、その時の旅の思い出ともリンクしますしね。

TEPPEI:普段の東京での買い物だと仕事関連で「こういうの持っとくか」とか、温度感が一緒のまま買うことが多くて。こんなにキャピキャピした気持ちで買い物することもないので楽しかったですね。しかも、その時対応してくれた店員さんがこの時期のベルンハルトのファンで、「どこで手に入れたの?」と気持ちのいい会話もありつつ、普段とは違ったテンションでの買い物でした。

F:今回のセレクトの中でもかなりぶっ飛んでるアイテムですよね(笑)。

TEPPEI:フィーリングで可愛らしいし、冬でも着られますしね。着丈短いから暖かいのか寒いのかちょっとわからない…(笑)。

TTTMSWのジャージーパンツ

F:続いては「ティー(TTTMSW)」のジャージーパンツです。

TEPPEI:これは単純に今年多い時には週5くらいたくさん着たっていう点でベストバイに選びました。ジャージーって自分の中ではなかなかハマらないアイテムだったんですが、このパンツはスラックスのように履けて。良さを挙げるとすれば、ベルトループとチャックがあって、シルエットが細すぎず太すぎないところ。サイドのテープもいわゆるラインとかではなく、花柄でブランドの世界観が出ていますし。

F:ティーの服は元々着られていた?

TEPPEI:そうですね。初期から応援しているブランドです。僕が若手ブランドを買う時って、まだ売れてない時や服作りをもっと頑張って欲しいと思った時に結構なボリュームをつけることが多くて。「こうなんじゃない」「ああなんじゃない」というセッションを交わしながら見て回るんです。一見、厳しめにフィードバックしたアイテムを激励の意味を込めて買って、軌道にのってきたら買わなくなる(笑)。ティーもそういったブランドの一つなんですけど、このパンツは久しぶりに買った一本ですね。

F:デザイナーにとっては有難いでしょうね。

TEPPEI:展示会にアポなしで乗り込んでいってデザイナーの玉田くんが緊張しながらも応対してくれて。ちょっとピリッとした時間が流れるんですけど、それはそれで楽しんでくれているみたいです。

 コレクションを発表している限り、服として問われる部分をブランドはしっかり持っていないといけないと思っていて。若者のカルチャーを背景にしている最近のブランドって卸もそこそこに受注会で成り立っていたりもするじゃないですか。プロパーで買うより安く買えるし、応援の気持ちを込めて買ってSNSを中心に独時な広がり方をしているんだけど、内輪を中心にした盛り上がりだけで半年ブランドが生き永らえちゃうのもどうなの?って。誰にでもそうではないけど、アドバイスを求めてくる関係値のあるデザイナーに対しては、しっかり意見を言うことが自分の役目でもあるのかなとも思っています。

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