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バロック、新中計でアズール修正・40〜50代向け新ブランド立ち上げへ 再建目指す2年

「アズール バイ マウジー」店舗画像

Image by: バロックジャパンリミテッド

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 バロックジャパンリミテッドの村井博之社長は、このほど発表した2028年2月期を最終年度とする新中期経営計画について、「筋肉質な収益構造のために、まずは強い“足腰”が必要。大技を披露するのではなく基礎体力をつける身につける期間」と語る。ファッションビル向けの「マウジー(MOUSSY)」はリブランディングに成功し、回復路線にある一方で、同社の最大ブランドである「アズール バイ マウジー(AZUL BY MOUSSY)」(以下、アズール)は不調が続く。コロナ禍前は実店舗約330店を出店していた中国事業で成長したが、コロナが明けて中国事業は赤字転落、2025年4月に中国のベル・インターナショナルとの合弁を解消し中国事業からは撤退している。次なる勝ち筋の模索が急務だ。

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バロックジャパンリミテッド社長の村井博之

村井博之 バロックジャパンリミテッド社長兼CEO

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26年2月期は減収、大幅な営業減益

 足元の業績は、売上高は前期比11.5%減の514億円、営業利益は同60.5%減の3億2100万円と減収かつ大幅な営業減益で着地。中国の合弁事業を解消したため、関連費用によって経常利益は3億8300万円の黒字(前期は16億円の赤字)、純利益は3億6600万円の黒字(前期は25億円の赤字)を計上した。

 現状打破のための新たな中期経営計画の3つの軸は、「アパレル事業の業績回復」「異業種への進出」「安定的な経営基盤の整備」を掲げる。堅実な実行のため、2027年2月期、2028年2月期の2年間で策定した。業績の回復と新規事業の創出期間と位置付ける。最終年度の経営指標は売上高570億円、営業利益26億円、純利益15億円を掲げる。

アズールを20代向けに再訴求 

 アパレル事業は国内売上高の約30%を占めるアズールの立て直しが急務。これまでの課題について村井社長は「アズールの主戦場であるショッピングセンターの中心顧客である30代向けに適応しようとしたことが裏目に出た。このカテゴリーは需要は大きいが既にレッドオーシャン。我々の強みを生かしきれなかった」と振り返る。そこで、従来のアズールの強みだった若年層向けの企画力に改めて目を向け、コアターゲット層を10〜20代に軌道修正。「他社が苦戦している10〜20代は元は我々が得意としていた部分。目先のトレンドを追いすぎずにブランド基盤を固め、着実に収益を上げる」とした。

 復活戦略として、“飛び道具”ではなく成功事例の横展開で堅実に売上高を確保する考え。同じくショッピングセンター向けの「ロデオクラウンズワイドボウル(RODEO CROWNS WIDE BOWL)」は、店頭からリアルなニーズを吸い上げ、商品企画や店頭ラインナップを改良したことが奏功し、既存店売上高が2026年2月期通期で同12.3%増と好調。一方でアズールの多くの店舗がフランチャイズ運営であるが故に、店頭と本社で情報共有が不足し、連動しきれなかったため商品企画の精度を欠いたという。よりスピーディに需要に対応する策として、今期からフランチャイズ店舗にもエリアマネージャーやスーパーバイザーといった管理職を配置。フレキシブルな情報共有でファン層を見据えたラインナップを強化する。そのほか、マウジーやロデオクラウンズワイドボウルでキャラクターIPコラボが好評だったことから、アズールでも積極的に実施していく。

ロデオクラウンズワイドボウルとサンリオのコラボコレクション

 競争力向上のため、商品開発では素材の機能性やクオリティで付加価値も高める。独自開発やオリジナルの素材を急激に増やすわけではないものの、繊維メーカーとの協力体制を整え、付加価値が高い商品企画へと繋げる。村井社長は「当社は遅れをとってしまったが、もはや機能性素材は当たり前の時代。とはいえ、他社との差別化が必要。闇雲に高機能素材を採用するのではなく、適切な素材選びの精度を上げていく」とした。なお、多機能素材の使用はアズールだけでなく全社的に進める。

 商品開発と並行して、マーケティングの戦略を再構築。「前期から商品軸の改良は適宜進めていたが、メディアプランとの連携が取れずに無駄打ちのようになっていた」と村井社長。SNSなど多角的なプラットフォームでの発信について目下戦略を練っているという。並行して店舗リニューアルを順次進め、新たな世界観を訴求していく。

 全盛期のアズールの売上高は240億円を突破していたが、現在は100億円程度に落ち込んでいる。200億円台への早期復活を目標としながら、これらの施策を遂行する。

マウジーはさらなる成長へ 100億円規模の新ブランドも

 アズールの軌道修正と並行して、新規ブランドを秋頃に立ち上げる予定。「マウジー第1世代」の40〜50代をターゲットに、「マウジーと百貨店ブランドの隙間を埋める」ブランドを構築する。駅ビルやファッションビルなどに出店するほか、ECでも販売予定。新たな柱として、売上高100億円規模に育てる。

 マウジーは注力ブランドとして持続的な成長を目標とする。リブランディングでブランドの原点であるジーンズに再び支持が集まっているのをフックに、トレンドをミックスした商品とのスタイリング提案を強化。3月に韓国・ソウルの百貨店大手「現代百貨店(The Hyundai Seoul)」で行ったポップアップでも「美脚デニム」として手応えがあったといい、今後も韓国ブランドとのコラボやポップアップなどで認知拡大を図る。加えて、東南アジアなどの諸外国、ヨーロッパでの販売も視野に入れている。

中国市場はアパレル以外で再進出

 経営構造改革を背景にした異業種への進出は、中国EC大手JD.comと昨年9月に立ち上げた合弁会社DB capital Limited(以下、DBキャピタル)を通じて実行。新規事業の一つでもあるDBキャピタルでは、「中国で成長可能性のある日本企業・ブランド」に対する投資および海外販売支援を行う。

 投資対象の基準は「日本が誇る技術と文化の世界への発信」とし、「技術はあるが後継者問題を抱えている企業」や「伝統技術や職人技を駆使したビジネスで、グローバル進出を目指す企業」に金融投資するほか、JD.comが持つECアセットを活用した販売支援を提供。「中国でのアパレル小売りは厳しい側面もあった、メイド・イン・ジャパンの伝統工芸品や食品などに対する中国の方々の需要は現在も体感としてある。一朝一夕とはいかない事業だが、優秀なもの作りを世界に広めることで将来的に業績に反映されるだろう」と見通しを立てる。なお、投資企業の商材をバロックグループの店舗で販売する予定は今のところないという。

2030年までに、売上高1000億円突破を目指す

 経営基盤の整備として、データドリブンな人事の推進や、社員のエンゲージメント強化のための従業員株式報酬制度を導入予定。加えて、働き方の柔軟性と効率性を両立させ、生産性の向上を図る。従来はブランドごとの事業運営だったが、仕入れ先を一元集約化し、仕入原価を統制するなどサプライチェーンの最適化にも着手。こうした組織編成の整備により、コストコントロールの精度を上げ、値上がりを最小限に抑える。昨今の中東地域の情勢変化によって、原材料や輸送費の高騰が懸念されているが、村井社長は「現状、直接的な影響はないものの、危機感は持ち続ける」とした。

 村井社長は「新たな中計は、実際はもっと早くに実行すべきだったもの」と説明。続けて、「2030年に目指す姿として売上高1000億を目標としている。まずはこの2年でアズール立て直しに注力し、地盤を固める。以降は、アパレル事業をより筋肉質にするとともに、新規事業やM&Aを積極的に行うことで事業規模拡大を加速させる」と展望を述べた。

最終更新日:

FASHIONSNAP 編集記者

平原麻菜実

Manami Hirahara

埼玉県出身。横浜国立大学教育人間科学部人間文化課程卒業後、レコオーランドに入社。国内若手ブランド、国内メーカー、百貨店などの担当を経て、2020年にビューティチームの立ち上げに携わる。ポッドキャストやシューティング、海外コスメレビュー、フレグランス、トップ取材など幅広い観点でファッションとビューティの親和性を探る企画を進行。2025年9月より再びファッションチームに所属。映画、お笑い、ドラマ、K-POP......エンタメ中毒で万年寝不足気味。ラジオはANN派。

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