
資生堂研究所が、笑顔を作ることで眉間のシワが抑制されるメカニズムを解明した。
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同研究は、「生活者に豊かな表情を提供するために何ができるか」という課題から出発。豊かな表情を妨げる要因として、「表情筋の活動が十分に起こらない状態」と「筋肉が緊張したまま元に戻らない状態」という2つの仮説を設定。顔のさまざまな表情筋の活動を計測する過程で、眉間にシワを寄せる表情筋(皺眉筋)に過度な緊張が生じやすいことが判明した。さらに、笑顔を作る表情筋を活動させると、その眉間の過緊張が抑制されることを確認したという。
ポイントは2つとし、1つがシワの性質。今回対象としたのは、主に「動的なシワ(表情ジワ)」。シワには皮膚に定着した「静的なシワ」と表情を作る際に生じる「動的なシワ」があり、実験室に到着したばかりの参加者の表情筋を分析した結果、わずかな緊張状態においてもすでに皺眉筋が活動し、わずかなシワが生じている可能性を示した。
また眉間にシワを寄せることを繰り返すと、眉間の表情筋の活動がリラックスできずに蓄積されていくことも判明。「悩んだり怒ったりを繰り返しているうちにシワは元に戻りにくくなる。作り笑いであっても笑顔の表情筋を活動させることで眉間の筋活動を抑制し、シワを浅くできる。普段から笑顔を心掛けることが大切」と、みらい開発研究所 主任研究員の岡﨑俊太郎氏は語る。
2つ目が、脳の神経メカニズム。その中で、「眉間のシワが減る現象には、2つのメカニズムが考えられる」(岡﨑氏)とし、1つが相反性神経支配。ポジティブな表情とネガティブな表情を使い分けるための神経メカニズムで、笑顔に関わる大頬骨筋が活動する際、眉間に関わる皺眉筋を事前に抑制するような神経メカニズムが存在すると考えられているという。2つ目が顔面フィードバック仮説。「楽しいから笑うのではなく、笑うから楽しいのだ」という仮説に基づくもので、笑顔を作ることでポジティブな感情が喚起され、結果としてネガティブな感情が減り、眉間のシワも低減するという考え方。
さらに詳細な分析の結果、笑顔を作り始める前から眉間の活動抑制が始まっていることを確認。これにより、「ポジティブな表情筋を動かす脳からの運動指令が、ネガティブな表情筋の活動を抑制するメカニズムは確実に存在する」と岡﨑氏。
今回の知見について、「(笑顔を作ることで)一時的ではあるが、眉間のシワに対してボトックス施術を行ったような抑制効果をもたらすことを示している」と指摘。さらに「一時的な効果であることは、本当にネガティブな表情を作る必要がある場面ではそれを妨げないというメリットにもなる」と説明する。
今後、笑顔による一時的なシワ抑制の反復が、定着した静的なシワに対しても補助的な改善効果をもたらすかどうかの検証が重要とし、また、外部からの刺激で笑顔を作る筋肉を活動させ、眉間のシワを抑制する新たなケアメソッドや多角的なアプローチへの応用も期待できる、とした。
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