ADVERTISING

「アントワープシックスの魂が受け継がれている」 ここのがっこう 2025年度修了展示

Image by: coconogacco

Image by: coconogacco

Image by: coconogacco

 「ソウシオオツキ(SOSHIOTSUKI)」の大月壮士や、 「ピリングス(pillings)」の村上亮太、 「ケイスケヨシダ(KEISUKEYOSHIDA)」の吉田圭佑、 「トモ コイズミ(TOMO KOIZUMI)」の小泉智貴、 「フェティコ(FETICO)」舟山瑛美など、 数々のデザイナーを輩出してきた「リトゥンアフターワーズ(writtenafterwards)」のデザイナー 山縣良和による私塾「ここのがっこう(coconogacco)」。 その2025年度修了生・受講生による展示「coconogacco exhibition 2026 in Fujiyoshida」が4月に開催された。

ADVERTISING

 ユナイテッドアローズ上級顧問の栗野宏文氏が「アントワープシックスの魂は、 例えば現在の日本においては次々とワールドクラスの新人デザイナーを輩出するcoconogaccoにも受け継がれている」と評するように、 会場には次世代を担うクリエイターたちの熱量あふれる作品が集結。 その展示の様子を写真で振り返る。 (※アドバンスド、 マテリアル&マターコース修了生のみ掲載)

ここのがっこう コースについて
ファッション表現の基礎や歴史を学びながら、自身のルーツを掘り下げる「プライマリーコース」、書くことを通して自分らしいファッション表現を探る「ファッションドローイングコース」のほか、ゲストとの対話から創作のヒントを得る「レクチャーコース」、毎回異なるチューターを迎えながら制作を深める「プレアドバンスコース」といったクラスを用意。加えて、プライマリーコース修了生を対象に、チューター形式で制作指導を行う1年制の「アドバンスドコース」「マテリアル&マターコース」も開講。両コースでは、年度末の4月に富士吉田を舞台としたインスタレーション形式の作品展示を実施する。

FUJIHIMURO、福源寺

 富士吉田駅から徒歩5分ほどの場所にあるアートギャラリーFUJIHIMURO、福源寺には6つのインスタレーションが揃う。

アーカイヴとしての“靴”(高橋耀)

テーマは、「アジト(Agitpunkt)」。幼少期の記憶にある「秘密基地」のような、社会の中で自分をつなぎ止めるための居場所を靴を通して表現した。

Image by: coconogacco

アッパー部分に私的な記憶の中にある日常の風景をあしらうことで、靴を単なる履物ではなく、時間を蓄積する「アーカイヴ」として再解釈した。

Image by: coconogacco

つま先を開放した構造や編み上げのディテールは、草鞋のようなシンプルかつ即物的な感覚から着想。日本の「脱ぎ履き」という所作を靴に落とし込んだ。

Image by: coconogacco

米袋を加工したものを素材として使用。「誰かがそこに居たことを示す靴の皺」や、「無造作に脱ぎ捨てられた形」などを家族の営みを記録する最も身近なアーカイヴとして捉え、「生活から滲み出る美しさ」や「生きた痕跡」を靴という形で留めておきたかったと言う。

Image by: coconogacco

“ゲロ”がモチーフ(田岡理沙)

嘔吐を意味する「VOMIT」を主題にした作品。思春期に見た嘔吐の夢を着想源に制作した。Creative Direction(risa taoka)、Candy Artist(MAIKO YAMAMOTO(Amai Candy Works))

Image by: YUTA ITAGAKI (KIENGI)

嘔吐をテーマにしながらも、飴を素材とすることで“消化できうる”作品にした。Creative Direction(risa taoka)、Candy Artist(MAIKO YAMAMOTO(Amai Candy Works))

Image by: YUTA ITAGAKI (KIENGI)

飴職人山本妹子が飴細工を手掛けた。Creative Direction(risa taoka)、Candy Artist(MAIKO YAMAMOTO(Amai Candy Works))

Image by: YUTA ITAGAKI (KIENGI)

「社会に相対する時に、自分の心のことばかりを考え、今生きることを可能にしている身体の声や反応に耳を傾けないちぐはぐさに違和感を覚えた。この作品は、自分と社会の関係性を" 身体" に立ち返ってひとつずつ確かめる行為でもある」。(田岡)

Image by: YUTA ITAGAKI (KIENGI)

「路上生活者に着目」(相原民生)

「旅人」を軸にメンズコレクションを制作。リサーチを進める中で路上生活者に着目。レジャーシートを第一にマテリアルとして想起したという。

Image by: coconogacco

伸ばしながら縫うことや、複数の服を重ねることで、服を歪ませたり、縮ませたり、たゆませて、まるで重ね着をしているかのようなシルエットに仕上げた。

Image by: coconogacco

レジャーシートを布の中に入れ、熱で歪めることによりシワやギャザーのような見た目に。

Image by: coconogacco

少し“ずらした”スーツ(成枝 真由菜)

少し“ずらした”スーツをテーマに5つの作品を展示した。「スーツは個人の感情が見えにくい服だが、少しずらすことでそれぞれが持つ内側が滲み出るのではないかと考えた。身体感覚がそのまま服になっている」(成枝)。

Image by: coconogacco

接着芯や肩パッドといった本来服の内側に使うものをあえて表地に採用。接着芯に毛糸や残布を挟んでキルティングのようにしたほか、上から色を重ねて綿を詰めたりしている。

Image by: coconogacco

全5体中3体にスーツの要素を取り入れた。

Image by: coconogacco

祖父と私をつなぐ“逆お下がり”(小林大介)

育ての親である祖父と自身との繋がりをテーマにした作品。

Image by: coconogacco

授業参観の時に、自分の服のお下がりを着ている祖父の姿を目にした原体験から着想。祖父と自分とが混ざるような不思議な感覚があったという。

Image by: coconogacco

小林は「祖父と私の輪郭を、そこに確かにあったはずの時間と記憶を留めておくため。そしてまだ眠ってるかもしれない大切なものを手繰り寄せるために衣服を通じた表現を続けたい」と語る。

Image by: coconogacco

心の中にいる“とくさん”を助けたい(徳永貴雄)

上京して6年、連絡を取り合う相手もいないという徳永。日々の寂しさや怖さで病んでいく、自身の心にいるもう1人の自分「とくさん」を助けることが作品のテーマ。

Image by: coconogacco

「怖くて寂しくこころが落ち込んでしまっている中、服や生活の中で色を取り入れることで寂しさが埋まる」(徳永)。

Image by: coconogacco

全て手作業で制作。手編みで編むことで自分だけのシェイプを作り上げることができたという。日々のスタイリングを考えるように布を合わせることで、独特な柄を形成している。

Image by: coconogacco

旧山叶工場

 展示会場で最大規模である山叶工場では、18ものインスタレーション作品が並ぶ。

「G e3.1 Pro(非恋愛的親密さ)」(嵯峨南)

「G e3.1 Pro(非恋愛的親密さ)」は、好きな人への想いをテーマにした作品。

Image by: coconogacco

かつて自身が勤めていた銀行の事務室を模した空間には、鑑賞者の姿が気づかないうちにパソコンのモニターへ映し出される仕組みが組み込まれている。

Image by: coconogacco


Image by: coconogacco

「人を好きになることは尊くあってほしい」(嵯峨)。

Image by: coconogacco

“バイブス屋”が手掛けるポップアップ(白浜麗)

「シーユー イエスタデイ(SEE YOU YESTERDAY)」を手掛ける白浜麗によるポップアップ展示。共感覚ながらも自分では見えない自分の色をイメージしながら描いた自画像や、ブランドのアイコンバッグなどを展示。

Image by: coconogacco

看板の文字は前日に他の受講生らと制作。

Image by: coconogacco

自称”バイブス屋”と語る白浜は「シーユー イエスタデイ」を手掛けている。

Image by: coconogacco

ぬいぐるみにまみれた「方舟」(本間蒼生)

「方舟」をテーマにした作品。古着で出来た大量のぬいぐるみを集積した。

Image by: coconogacco

本間にとって車内は、「身体や感情を解放できる場所」であり、「安心や保護の感覚を伴う空間」。なお、車は展示のために新しく納車したという。

Image by: coconogacco

刺繍は直線ミシンであしらった。画数が多い漢字は大敵だったという。

Image by: coconogacco

「曖昧」「中途半端」「境界線にいる人」(樫山マサヒロ)

曖昧な人、中途半端、境界線にいる人、ないまぜな人。そういう人物像をイメージして制作した作品。

Image by: coconogacco

「日本、ブラジル、ペルーの3ヶ国を行き来しながら育ち、どこにいても外国人であり、深く入り込むことはできず、常に境界線の上に立ち尽くす経験があった。感じていた境界線は何かを同士を隔てる物理的な壁として形に落とし込んだ」(樫山)。

Image by: coconogacco

生まれた育った団地はいろんな国の文化や価値観が溶け合い、摩擦し、混ざり合っている場所だったという。

Image by: coconogacco

“誠実な適当さ”(ジュガール)

“誠実な適当さ”がテーマ。祖父やパキスタン人のパートナーが、欲しいものや必要なものを身の回りの素材で即興的に形にしていく姿勢から影響を受けたという。

Image by: coconogacco

見せかけのボタンや、ポケット、マグネットを使用した留め具など身の回りのアイテムを柔軟に転用している。

Image by: coconogacco

オリジナルのZINEも販売。

Image by: coconogacco


椅子に着せる服(伊藤愛希)

幼少期の頃に椅子に靴下を履かせた経験から着想「椅子に着せる服」がテーマの作品。

Image by: coconogacco

「日本空間デザイン賞」や世界3大デザイン賞「Reddot Designaward」グランプリの経歴をもつ、ディレクター伊藤愛希が手掛けた。

Image by: coconogacco

「椅子はプロポーションが人体と近いことに加え、人の体を預けるものという意味で人間に近いと思った」(伊藤)。

Image by: coconogacco

Image by: coconogacco

服を“建てる”(吉野達也)

幾何学への偏愛をドレスに落とし込んだ作品で「服を建てる」がテーマ。

Image by: coconogacco

モデリングソフトでデータを設計。

Image by: coconogacco

幼少期からディアゴスティーニなど組み立てる玩具に熱中していた。お城など大きな建築に惹かれることが多いという。

Image by: coconogacco

当初は建築の道を志していたが、アレキサンダー・マックイーンのショーを見てファッションの道へ。

Image by: coconogacco

最終更新日:

ADVERTISING

現在の人気記事

NEWS LETTERニュースレター

人気のお買いモノ記事

公式SNSアカウント