来日したジョナサン・アンダーソン
Image by: KENYA SUGAI
ジョナサン・アンダーソン(Jonathan Anderson)が、先月オープンした渋谷パルコの「JW アンダーソン(JW Anderson)」店舗で報道陣の取材に応えた。今月はクリエイティブ・ディレクターを務める「ロエベ(LOEWE)」の表参道フラッグシップストアの拡張オープンや、「ユニクロ(UNIQLO)」とのコラボコレクションの新作発売など、話題が続いている。まさに現代のファッション界を代表するデザイナーの一人だ。
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「JW アンダーソン」の渋谷パルコ店は、ロンドンの旗艦店が位置するソーホー地区のスピリットやナイトライフカルチャーから着想を得たデザインで、ウィメンズからメンズ、バッグ、アクセサリーまでのフルラインナップを展開する日本初のフルカテゴリーストアとなっている。ジョナサンは「CFDA ファッション アワード 2023」授賞式のために滞在したニューヨークから日本へと移動。わずか3〜4日の滞在というハードスケジュールだが、にこやかにインタビューに応えてくれた。
―11月6日にCFDAのインターナショナル・デザイナー・オブ・ザ・イヤーを受賞し、名実共にトップデザイナーとなられましたが、意識の変化は?
ジョナサン:歳を重ねるにつれ、自分のやっていることに自信が持てるようになりましたし、フォーカスしたいところがより明確に見えてきました。ブランドがこれだけ大きくなるとリソースもかなり豊かになるので、自分がかなえたかった夢を実現できるようになってきたと思います。
―具体的にはどんな夢がかなえられましたか?
ジョナサン:今こうして東京のお店に立っていることでしょうか。東京は私の大好きな街の一つなんです。東京のファッションはベストだと思いますし、日本の方はファッションやクリエイティビティへの理解が深いと感じます。ブランドを理解してもらうには長い時間が掛かるものですが、日本では設立当時から人々がJW アンダーソンというブランドを理解し、支持してくれました。
―近年のコレクションでシルエットやフォルムに注力している理由は?
ジョナサン:今、私がこだわっているのがオフ・シルエット(体から離れたゆったりとしたシルエット)、新しいシルエットに対するアイデアなんです。ファッションはこれまでもシルエットによって変化してきました。なのでフォーカスしていきたいのです。
―服の生産背景についてはどういった考えをお持ちですか?
ジョナサン:JW アンダーソンでもロエベでも、クラフトというのは常に私がこだわる大きなポイントです。イングランドでもほかの国々でも、素晴らしい服を作る人材を確保するように努めています。特にJW アンダーソンはハンドニッティングを多く取り入れており、それがブランドの基礎、DNAになっていますね。例えばハリー・スタイルズ(Harry Styles)が着用したニットカーディガンもクラフトマンシップあってのもので、アイコニックなアイテムとなりました。
―ブランドの店舗にはどのような機能や付加価値を求めていますか?
ジョナサン:店舗はとても重要です。パンデミック以降、人々は実際に触って手に取れることの重要性に気付いたと思います。それにストア自体が、ブランドの哲学や私の頭の中にあるアイデアを示す物理的な空間となるんですね。私の最初の仕事はショーウィンドーを作ることでした。だからどんなオブジェやファッションを置いて世界観を作るかというのはとても大事なんです。
―鳩やカエルなど、コレクションの中に動物が数多く登場する理由は?
ジョナサン:分からないです(笑)。特に理由があるわけではないですが、動物はユーモアを感じさせるし、かわいいですからね(笑)。
―日本滞在で楽しみにしていることは?
ジョナサン:いつも決まって訪れているギャラリーやお店があります。最後にはバーにたどりつくと思いますが(笑)。日本に来ると面白くて、あまりにも多くのものを発見するので、1つのバッグが帰りには6つになってたりします。日本の方々のコーディネートを見るのも好きです。服へのアプローチが全然違うので、魅力を感じますね。そういった人たちからアイデアをもらうこともあります。京都にも行きたかったんですが、今年は時間がなかったんですよね。いつか仕事のないタイミングで長く滞在してみたいと思います。
―最後に、日本の若手デザイナーに向けて一言お願いします。世界で活躍するために必要なことは?
ジョナサン:いつも好奇心旺盛でいること。そして絶対に妥協しないこと。
(聞き手:辻 富由子)
■JW ANDERSON 渋谷店
住所:東京都渋谷区宇田川町15-1 渋谷PARCO 3階
営業時間:11:00〜21:00
定休日:なし
電話番号:03-6277-5277(直通)
JW アンダーソン:公式サイト
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