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【令和のマストバイヴィンテージ】今買っておくべき名品は? vol.99 リーバイス 506XX編

リーバイス 506XX

Image by: FASHIONSNAP

リーバイス 506XX

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 歴史的な背景を持つ、ヴィンテージ古着。製造された年代が古いものや希少性が高いものが一般的に珍重されていますが、ヴィンテージの楽しみ方はそれだけではありません。この連載では、さまざまな視点でヴィンテージ古着の楽しみ方が味わえるアイテムを、国内最大規模のヴィンテージの祭典を主催するVCM代表 十倍直昭が「令和のマストバイヴィンテージ」として毎週金曜日に紹介。第99回は「リーバイス(Levi’s)」506XX編。

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リーバイスが最初に作った“キング・オブ・デニムジャケット”

 数あるヴィンテージのなかでも特に思い入れの強い、リーバイスのデニムジャケット。連載第99回目に満を持してピックアップするのが、“キング・オブ・デニムジャケット”と呼ばれる「506XX」です。これまで、通称“セカンド”の「507XX」、通称“サード”の「557XX」、通称“フォース”の「70505」を紹介してきましたが、506XXの通称は“ファースト”。つまり、506XXはリーバイスがつくった最初のデニムジャケットということです。その誕生は1905年頃で、1904年のリーバイスのカタログには、「PLEATED FRONT BLOUSE(前部にプリーツのあるブラウス)」と記された、506XXの原型と思われるアイテムのイラストが掲載されています。

リーバイス 506XX

 その頃のデニムジャケットはファッションアイテムでなく、ワークウェアとして着用されていたので、506XXはその後に生まれたデニムジャケットと比べると、かなり無骨な雰囲気が特徴です。特に、ストンと落ちるようなボックスシルエットと、ボディに対して真横に付けられた袖は、時代を超えて愛されるファーストの代表的な魅力と言えるでしょう。ちなみに、今回ピックアップした2着は両方とも通常2枚の生地で構成される袖が1枚の生地で作られている「一枚袖」という仕様。これは全てのファーストに見られるわけではなく、工場の違いなど、何らかの理由でイレギュラーで生産されたレアモデルとされています。

リーバイス 506XX
リーバイス 506XX
リーバイス 506XX
リーバイス 506XX

ディテールで見分ける製造年代

 506XXは、その製造年代によってディティールが異なっていますが、大きな変化点として挙げられるのが、腰部分に付けられたシンチバックというディテールです。1930年代中盤から40年代後半まで製造されたものは針で生地を突き刺す「針刺し」であるのに対し、1940年代後半から52年頃まで製造されたものは金具をスライドさせて固定する「スライドバックル」に変更されています。この変更の理由は、針付きバックルが、椅子など傷つけてしまうという苦情が多かったためと言われており、実際にシンチバックが切られてしまっている個体も数多く存在します。その後生まれたセカンドではこの仕様は廃止され、ウエスト脇のサイドアジャスターへと変更されました。

リーバイス 506XX
リーバイス 506XX

今回ピックアップしたアイテムは両方とも後期型

 フロントボタンの横にあるボックスステッチも、年代判別材料のひとつです。ステッチが互い違いになっていれば針刺しバックルタイプ、ボタンとステッチが平行に並んでいればスライドバックルタイプである可能性が高いとされています。ただし、両者の仕様が混在する過渡期のモデルも存在するため、一概には断定できないのがヴィンテージの面白さでもありますね。

リーバイス 506XX
リーバイス 506XX
リーバイス 506XX
リーバイス 506XX

 リーバイスのデニムジャケットの「スプリットバック(Tバック)」と呼ばれる仕様は、ヴィンテージ市場で高い希少性を誇ります。これは、大きなサイズを作る際に、当時のデニム生地の幅では背中の幅に足りなかったため、2枚の生地を中央で接ぎ合わせたことで生まれたものです。この仕様が存在する主なモデルは506XXと507XXだけ。興味深いのが、スプリットバックになるサイズが年代によって異なる点です。506XXの針刺しバックルタイプはサイズ46以上がTバック仕様でしたが、スライドバックル対応はより大きな48以上がスプリットバック。そのため、スライドバックル期のサイズ46はスプリットバックにならず、一枚の生地で仕立てられた「フルバック」と呼ばれる仕様になっています。ちなみに、507XXはサイズ52以上がスプリットバック仕様になると言われており、国内にあるのは数枚レベルとされています。

リーバイス 506XX
リーバイス 506XX

 ほかにも、ポケットフラップの裏地が、ボディとは異なるライトオンスの生地で作られているのも特徴です。オンスの違う生地は洗濯乾燥による収縮率が異なるため、着込むうちにフラップが自然とめくれ上がってきます。この経年変化による表情は、復刻モデルで再現されるほどのアイデンティティです。

リーバイス 506XX
リーバイス 506XX

 また、ステッチの色も通常はイエローステッチが多いのですが、後期の個体にはオレンジステッチが混じることもあります。

リーバイス 506XX
リーバイス 506XX

 冒頭で触れた通り、“キング・オブ・デニムジャケット”である506XXのヴィンテージ市場での評価は非常に高く、それに比例して価格も相当なもの。リーバイスが公式で復刻したり、多くのブランドが506XXをサンプリングしたアイテムを発売したりしているので、まずはそのあたりからチャレンジしてみるのもアリかもしれません。

編集:山田耕史 語り:十倍直昭

最終更新日:

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