
トレンドに左右されるファッション業界の中で定番と称され、多くの人に愛されているアイテムには底知れない魅力が詰まっています。そんなマイスタンダードに相応しい名品をF/STOREの中から厳選して紹介します。
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“釣り用”がタウンユースの定番に、「ハトラ」のスタディグローブ
2010年にデザイナーの長見佳祐によって設立された「ハトラ(HATRA)」。文化人類学の領域で境界性を意味する「リミナリティ(Liminality)」に由来する"リミナル・ウェア"をコンセプトに掲げ、3Dクロスシミュレーションや生成AIをはじめとするデジタルテクノロジーを活用した独創的なコレクションを展開しているブランドです。今回は20AWコレクションから継続的に展開され、ブランドの定番として人気を集めるスタディグローブにフォーカス。その魅力を紐解きます。
釣り用の手袋をモチーフにしたデザイン

最大の特徴は、釣り用の手袋をブランド流に再構築したデザイン。モチーフに則ったディテールを踏襲しながら「ハトラ」らしいフィルターを通して、タウンユースに馴染むアイテムへと仕上げています。このようなモチーフを採用した理由についてデザイナーは「釣り用のグローブには、指先の細かな作業を円滑にし、必要な部分だけを保護することなど、“手を覆う”という防寒具としての役割とは少し異なる道具としての合理性があり、その点に着目した」と説明します。手袋としての機能性を残しながら、素材やデザイン、配色により、ファッションアイテムとして昇華させているのが特徴です。

釣り用のグローブとして定番である3本カットのデザインを採用しています。本来はルアー交換や釣り糸の結束など細かい作業に対応するためのものでしたが、このデザインが現代のスマートフォンに依存した生活スタイルにもフィット。親指・人差し指・中指の指先が出ているため、着用したままでもスマートフォンを操作することができ、さりげなくも便利なポイントです。


サイド部分にはブランドのロゴが入ったタグと、手袋同士を繋ぐ紛失防止用のワンタッチバックルを配置。また、手首部分にはベルクロとドローコードを配し、着用感を自在に調整することも可能です。先述の通り指先が開いているので着用したまま、ドローコードをスムーズに引っ張ることができます。

そのほか注目したいのが、2つの手袋を重ねたレイヤードデザイン。表側はキメの細かいスエードを用いており、内側はストレッチ性が高く吸水速乾性のある生地を使用。この2層構造により着脱のしやすさを担保し、さらに内側の手袋は取り外して洗濯できるなど、使い勝手の良さも追求しています。
産地との協業による本格的な作り
スタディグローブは、手袋の産地である香川県のブランドとの協業によって製作されています。1888年から続く一大産地として知られている香川県東かがわ市ですが、産業構造の変化により、手袋製造の中核である縫製業のほとんどが海外で行われるようになりました。そんな状況を打破すべく、手と手袋の未来を切り開くクリエイティブな商品を届けることを目的に「香川手袋」という実験的なブランドが誕生し、このブランドとの協業によってスタディグローブは製作されています。協業に至るまでの経緯について「ブランドとして手袋を展開したかったのですが、専門的な技術が必要なため踏み出せずにいたところ、ファッションディレクターの山口壮大さんが香川手袋とクリエイターを繋げる取り組みをしており、相談したのがきっかけ」と説明し、高いデザイン性だけではなく、産地の工場が手掛ける本格的な作りも魅力的なポイントです。
26AWに初登場したレザータイプ


26AWコレクションからは、本革で仕立てられたグローブも登場しました。過去シーズンは人工的な質感を求めて東レのウルトラスエードを使用していたのに対し、「現象的を意味する「Pheno」をシーズンのテーマに掲げた今季は、その時その場所に立ち上がる唯一性を追求し、よりナチュラルで揺らぎのあるテクスチャーを表現するために本革を採用した」と解説します。象徴的なデザインはそのままに、手に馴染むレザーの質感を活かすようにインナーの手袋は無くし、よりソリッドで無骨な印象に仕上げているのが特徴です。
物足りないスタイリングのワンポイントに



防寒としてはもちろん、アクセサリー感覚で使うのもおすすめです。物足りない装いのアクセントとして手元に添えれば、スタイリングのワンポイントとして機能してくれます。指先が開いたデザインは、スマートフォンを操作するだけではなく、ボタンやジップの開閉などの細かい動作にもスムーズに対応してくれるのが何気ないながら便利。都度着脱する必要がないというだけで、手袋をつける億劫さを一気に解消してくれます。
スエードタイプはグレーとホワイトの2色を揃え、レザータイプはブラックを用意しているので、自身のスタイルに合わせて好みのものを選べます。レザーグローブはジャケットを合わせてモードに、スエードは起毛した素材感を際立たせるように淡い色味のトップスと合わせればカジュアルに取り入れられます。ベルクロやドローコードなどフィット感を調整できるディテールが搭載されているので、サイズ選びに関しては比較的柔軟性が高く、性別を問わず着用することが可能です。これからの季節に向けて自分用に揃えるのはもちろん、ギフトにもぴったり。機能とデザイン性を両立させたブランドのシグネチャーをチェックしてみてください。
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