リアルショーを味わう喜びに満ち溢れた2023年春夏コレクション
コロナ禍の影響を受け、オンラインでコレクションを発表せざるを得なかったブランドが多かったこの2年半だったが、今シーズンはほぼリアルショーも復活し、ファッションウィークの街にはファッション関係者が再び戻ってきた。デザイナー達もパンデミック中は、さまざまな制約がある中で新しい形のプレゼン形態を模索していたし、今後もうリアルショーが出来なくなるのではないかと疑心暗鬼になったりもしたので、今回ランウェイが復活して、作り手も見る側も、コレクションを直に発表できることやショーや展示会を直に見ること、そして久しぶりに会う世界中の友人達とファッションについて語り合う。そんな、コロナ以前にはごく当たり前だったことに、改めて喜びを噛み締めている業界関係者はきっと少なくないだろう。
意識改革が進むファッションの現場やデザイン
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とはいえ、まだ世界が直面している危機的状況は終わったわけではない。戦争や環境問題、人種やジェンダーに関する意識の変化などに伴う、ブランドやデザイナー達の意識や働き方の変化もここ数年非常に大きく、サステナブルな素材選びや、男女の垣根のない「ジェンダーフリー」なデザインにも、今までとは違う工夫やこだわりが見受けられる。
(左から)BALENCIAGA、Koché、Raf Simons
Image by: BALENCIAGA
Image by: Koché
Image by: Raf Simons
定番や既存のスタイル、伝統的な手法をさまざまに進化させるハイブリッド型デザイン
日常のスタンダードなスタイルや定番服に、非日常的な素材や装飾を用いたり、ふたつの異なるデザイン要素を掛け合わせたり、カーゴポケットやバッグのような大きなポケットを腰回りに付けてより機能性を持たせたり、フォルムを変化させたりしながら、新しい服の形を提案するスタイルが目立つ。
(左から)LOUIS VUITTON、sacai、JUNYA WATANABE、Ann Demeulemeester
Image by: LOUIS VUITTON
sacai
Image by: FASHIONSNAP(Koji Hirano)
JUNYA WATANABE
Image by: FASHIONSNAP(Koji Hirano)
Image by: Ann Demeulemeester
ボディを強調、ヘルシーな肌見せY2Kスタイル
背中が大きく開いたアイテムや、クロップド丈、ブラトップ、ローライズパンツや、マイクロミニ、「カットオフ&スリット」アイテムなどで、ヘルシーに「肌見せ」するスタイルや、ストレッチ素材やニット、透け感のある素材でボディを強調するスタイルも多く見受けられた。
(左から)Courrèges、GIVENCHY、STELLA McCARTNEY、noir kei ninomiya
Image by: Courrèges
Image by: GIVENCHY
Image by: STELLA McCARTNEY
noir kei ninomiya
Image by: FASHIONSNAP(Koji Hirano)
白シャツのバリエーションがカッコいい
白いベーシックなシャツの袖や襟をデフォルメしてカッティングするなどディテールの変化を楽しんだり、シアーのニットの下に着ることによってできるプリーツの効果や、ドット柄のタイトなトップの上に合わせて透けた模様で遊んだりなど、スタイリングでいつもの白シャツとは違う着こなし方のバリエーションが増えている。
(左から)Raf Simons、sacai、STELLA McCARTNEY、Ann Demeulemeester
Image by: Raf Simons
sacai
Image by: FASHIONSNAP(Koji Hirano)
Image by: STELLA McCARTNEY
Image by: Ann Demeulemeester
ケープ型ジャケットがクールなモード感を演出
タキシードやメンズジャケットの袖の部分を変化させてできたケープ型のジャケットがいくつかのブランドで発表された。フォーマルだが、程よくクールなモード感があって2023年春夏の注目トレンドのひとつ。
(左から)sacai、JUNYA WATANABE、VALENTINO
sacai
Image by: FASHIONSNAP(Koji Hirano)
JUNYA WATANABE
Image by: FASHIONSNAP(Koji Hirano)
Image by: VALENTINO
ニュートラルカラーからスモーキーなペールカラー、アクセントのブライトカラー、そして花モチーフ
混沌とした不安定な世界情勢を反映してか、ニュートラルなカラーやスモーキーなペールカラーが多く使われた2023年春夏コレクション。その中にも「明るい近未来」と「癒し」を求めて、アクセントになるブライトカラーやフラワープリント、花モチーフも見る側の心を少しほっとさせる差し色だ。
(左から)HERMÈS、Victoria Beckham、Rick Owens、COMME des GARÇONS
Image by: Hermès
Image by: Victoria Beckham
Image by: Rick Owens
COMME des GARÇONS
Image by: FASHIONSNAP(Koji Hirano)
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ポストコロナを予感させる10ブランド
そんな2023年春夏ファッションウィークのコレクションの中から、ベーシックなスタイルの中にも今までの既成概念にとらわれない新しい実験を試みているブランドや、商業ベースに乗せながらもきちんとブランドのDNAを守り続けたり、SDGsに配慮した素材調達をしたり仕事をしているなど、新しいフェーズに向けて独自のモノづくりを模索し続けている「ポストコロナを予感させる10ブランド」をご紹介。
1. ロエベ(LOEWE)
革新性 ★★★★★
Image by: LOEWE
Image by: LOEWE
Image by: LOEWE
「アンスリウムの花」がモチーフとなった2023年春夏コレクション。18世紀の貴婦人のスカートを膨らませていたパニエやドレーピング、Aラインなど、既存のオートクチュールの手法も取り入れながらも、シルエットを徹底的に削ぎ落とし、研ぎ澄まし、それをトレンチコートやハンティングジャケット、シェアリングジャケットやミニドレス、ニットやTシャツなどの現代の日常服の中に落とし込む。そしてピクセル化したりエナメルメタル素材を用いながら、若干の違和感をあえて残しつつ、再設計した未来志向の「リアルな形」を提案。クリエイティブ・ディレクターのジョナサン・アンダーソン(Jonathan Anderson)は、ほんの少しだけ先を行って、私たちを今まで見たことのない、ポストコロナの未知なる世界に連れ出そうとトライしている。これからどこへ向かうのかがとても気になるところ。
Image by: LOEWE
Image by: LOEWE
Image by: LOEWE
バッグはまるで餃子のようなヒダがついていて細長い形の新作「パセオ(Paseo)」と、エレガントなドーナッツチェーンが付いた「パファー ゴヤ(Puffer Goya)」も遊び心があって良い。最近なかなか良いバッグに出会えないと嘆く筆者を、ちょっとショップに行って見てみたいと思わせるバッグだった。
Image by: LOEWE
Image by: LOEWE
2. ミュウミュウ(MIU MIU)
市場性 ★★★★☆
Image by: MIU MIU
Image by: MIU MIU
Image by: MIU MIU
ミウッチャ・プラダ(Miuccia Prada)はシンプルなアイテムを重ねて着ることや、曖昧なグレイッシュカラーで現代社会の二面性や不確実さを表現。クラシックなシェイプの中にも、「ルイ・ヴィトン」や「サカイ」など、他のいくつかのブランドでも見られた、腰回りに大きく立体的なカーゴポケットが付いたボトムやコート、ジャケットは、今シーズンの特徴的な実用的スタイル。ドローストリングされたナイロン素材の軽やかなパーカやドレスは、機能的かつ雰囲気のある着こなしが出来る優秀なアイテムたちだ。
Image by: MIU MIU
Image by: MIU MIU
Image by: MIU MIU
裏地と表地の裾がわざと縫われておらず、表にチラリと断ち切りの裏地が覗いているディテールのボックスシルエットのウールジャケットやコートも、プレッピーな雰囲気の中に小技が効いていてフレッシュ。ストーンウォッシュされたデニムやレザーなどの素材感、そしてクロップド丈アイテムやブラトップ、マイクロミニスカート、スパンコールやビーズで装飾された透け感のあるアイテムなどで肌見せ、スタイリングでモード感を出している。ミウッチャらしい遊び心とこなれ感があって軽快で思わず着てみたくなるコレクション。
3. ピーター・ドゥ(PETER DO)
注目度 ★★★★★
Image by: PETER DO
Image by: PETER DO
Image by: PETER DO
2018年に自身のブランドをニューヨークでスタートさせたピーター・ドゥ(Peter Do)は、2014年ニューヨーク州立ファッション工科大学(FIT)を卒業後、LVMH Graduate Awardを受賞。今シーズンはウィメンズウェアと共に、初のメンズウェアを発表した。とはいえ、ウィメンズウェアのテーラーリングのほとんどがメンズにもフィットする、そしてメンズウェアも女性にフィットするジェンダーレス仕様。彼の優れたテーラリングの技術がユニセックスコレクションを可能にさせている。
Image by: PETER DO
Image by: PETER DO
Image by: PETER DO
ジャケットの背面が大きく切り抜かれ、やはり短くくり抜かれたシャツとのレイヤリングと肌見せ感がとても美しいしカッコいい。パンツのカッティングとシャツのシルエットも綺麗。海老の殻をアップサイクルした素材を使用するなどSDGsに配慮したデザイン満載。K-POPの大スター、NCTのJENOがショーのオープニングを飾り、他にもSMROOKIESのSHOHEIとEUNSEOKがランウェイに登場、豪華キャスティングが実現、ブランドへの注目度もMAX。これからどんな服を作って私たちを驚かせてくれるのか、楽しみな若手デザイナーのひとりだ。
4. ドリス・ヴァン・ノッテン(DRIES VAN NOTEN)
完成度 ★★★★★
Image by: DRIES VAN NOTEN
Image by: DRIES VAN NOTEN
Image by: DRIES VAN NOTEN
「オプティミズム(楽観主義)」をテーマにしたベルギーのベテラン、ドリス・ヴァン・ノッテン(Dries Van Noten)の2年半ぶりのウィメンズのリアルショー。2023年春夏コレクションは大きく3つに分かれており、前半はシュプレマティズム(絶対主義)の画家、ロシアのカジミール・マレーヴィチ(Kazimir Malevich)が1915年に発表した『黒の正方形』をイメージして黒一色で統一。ミニマルなシルエットやプリーツ、ラッフル、ジャガード、マクラメやフリンジなどのテクスチャーで作られたルックは、物体や物質からなる現実の世界に束縛されない絶対的な「無対象性」を表現していた。
Image by: DRIES VAN NOTEN
Image by: DRIES VAN NOTEN
Image by: DRIES VAN NOTEN
中盤はネオ・ミニマリズムなシェイプのテーラリングや、ラッフル、スパンコール、ドレーピングが美しいドレスやスカート、トップなどがさまざまなペールカラーのパレットでバランス良くスタイリングされている。後半はアーカイブモチーフを再構築したというフローラルパターンのオンパレード。見る者と着る人を虜にさせる美しさがそこにはある。
5. ボッター(BOTTER)
サステナブル度 ★★★☆☆
Image by: BOTTER
Image by: BOTTER
Image by: BOTTER
ニナリッチでの3年間のクリエイティブディレションを務め上げ、2022年、フランス国立モード芸術開発協会が主催する、若手デザイナーの登竜門「ANDAM賞」グランプリを受賞した、ルシェミー・ボッター(Rushemy Botter)とリジー・ヘレブラー(Lisi Herrebrugh)による「ボッター(BOTTER)」のコレクションは、カリブ海をイメージした鮮やかなブルーと、そのほかのネイチャーカラーとのコントラストが個性的。スキューバダイビングのウェットスーツからインスパイアされたスポーティなシルエットやディテール、テーラードスーツなどが目を引く。
Image by: BOTTER
Image by: BOTTER
Image by: BOTTER
サステナブルな服作りを目指していて、地球温暖化の要因である二酸化炭素(CO2)を森林よりも効果的に吸収する海洋植物に着目し、海藻を使った素材でチューブドレスを作り上げた。新しい素材をコレクションに組み込むことへの取り組みは次シーズンの2023年秋コレクションにも継続され、さらに多くの新しい素材をフィーチャーする予定だそうだ。
6. JWアンダーソン(JW ANDERSON)
創造性 ★★★★☆
Image by: JW ANDERSON
Image by: JW ANDERSON
Image by: JW ANDERSON
エリザベス女王の服喪期間に伴い、参加を中止したブランドもあった2023年春夏ロンドンファッションウィークJWアンダーソン(JW Anderson)は、旗艦店のすぐ隣のゲームセンターで、コロナ禍以降初めてのランウェイショーを行った。
Image by: JW ANDERSON
Image by: JW ANDERSON
Image by: JW ANDERSON
コンピューターのキーボードを使ったドレスや、スクリーンを通して検索した金魚やイルカ、地球、椰子の木が茂るビーチや夕日の風景が、コンピューター上のいろいろな操作で自由自在に操られたモチーフを使ったコレクション。太い毛糸で編んだタートルネックのセーターが上下逆さになってハンガーに掛けられているようなトップや、拡大されてワンショルダーになったランジェリードレス、オブジェのようなメタリックな球体のドレスなど、コンセプチュアルで違和感だらけなのだが、あまり重くならず、軽やかな印象を持つリアルクローズが印象的。最後にエリザベス女王への感謝のメッセージを込めたプリントを施した黒いTシャツドレスで陛下への追悼の意も忘れてはいない。
7. スキャパレリ(SCHIAPARELLI)
独自性 ★★★★★
Image by: SCHIAPARELLI
Image by: SCHIAPARELLI
Image by: SCHIAPARELLI
パリの装飾美術館(Musée des Arts Décoratifs)で「Shocking! エルザ・スキャパレリのシュールレアリスムな世界展 」が開催中のメゾン・スキャパレリ。アーティスティック・ディレクターにアメリカ人のダニエル・ローズベリー(Daniel Roseberry)が就任して早3年。彼は創業者エルザ・スキャパレリ(Elsa Schiaparelli)のアーカイブを常に分析し、ブランドのDNAと対話しながら、冷静にブランドの立ち位置とビジネス戦略を考えている。
Image by: SCHIAPARELLI
Image by: SCHIAPARELLI
Image by: SCHIAPARELLI
ストリートファッションやカジュアルなファッションがメインストリームな昨今に、好き嫌いは別としてローズベリーのようなクリエイティビティがあっても良いのではないかと思えるくらい、今の時代に芸術的で装飾的で彫刻のような作品を作るブランドが本当に少なくなってきている。2023年春夏コレクションはエルザ・スキャパレリが遺したシグネチャーなモチーフを使いながら、完成度の高い現代の「スキャパレリ」の世界観を見事に作り出していた。
8. ジル・サンダー(JIL SANDER)
バランスの良さ ★★★★☆
Image by: JIL SANDER
Image by: JIL SANDER
Image by: JIL SANDER
ミラノ郊外の、屋根の無い草花が生い茂る会場はあいにくの雨。モデルたちは傘を差しながらランウェイを歩く。クリエイティブ・ディレクターのルーシー&ルーク・メイヤー(Lucie & Luke Meiyer)が手がけるジル・サンダーは2018年春夏、彼らのデビューコレクション以来5年ぶりのメンズ&ウィメンズ合同ランウェイショーを開催した。
Image by: JIL SANDER
Image by: JIL SANDER
Image by: JIL SANDER
グラマラスと機能性、昼と夜、ドレスとワークウェアがひとつになり、エキセントリックなコレクションを作り出す。ミニマルでカッティングがすっきりとしたジャケットやパンツスーツと、手の込んだ刺繍や装飾、フリンジ、フェザーなどを使用したドレスやディテールなどのエレガンスを対比させながら、バランスの良い共存のさせ方にクオリティーの高さと真の強さを感じさせる。ペールカラーやニュートラルカラーがとても軽やかで美しい。
9. コムデギャルソン(COMME DES GARÇONS)
芸術性 ★★★★★
Image by: FASHIONSNAP(Koji Hirano)
Image by: FASHIONSNAP(Koji Hirano)
Image by: FASHIONSNAP(Koji Hirano)
パリで2年半ぶりに行われたランウェイショーは、言葉では表現し難い抽象的なフォルムの服を着たモデルたちがクラシック音楽と共に静かに歩いてくる。頭部を後ろからほぼ覆ってしまって辛うじて前が見えるだけの、モノクロのカットワークが施されたドレスや、たまごや繭のように丸く膨らんだ上半身、あるいは全身を覆ってしまっている有機的な形をしたジャケットやドレス、巨大なエッグスタンドのようなドレスに巨大な頭巾など。不安定さを感じるのだが、決して突き放すような冷たさではなく、その包み込むような丸いシルエットや、よく見ると表面の素材は様々な花のカットワークや刺繍、ジャカードだったりするために、どこか儚げな印象を与える。
Image by: FASHIONSNAP(Koji Hirano)
Image by: FASHIONSNAP(Koji Hirano)
Image by: FASHIONSNAP(Koji Hirano)
中盤に光のような白いドレス、そして最後にピンクや赤の花のモチーフのドレスが登場し、近い将来に広がる希望のようなものを感じた。『今の世界を憂い嘆く そしてそれに寄り添いたい 気持ち』川久保玲のメッセージは、暗い出来事が続いている世界中の人々を慈悲深く大きく包み込んでくれる。
10. ヴァレンティノ(VALENTINO)
洗練性 ★★★★★
Image by: VALENTINO
Image by: VALENTINO
Image by: VALENTINO
ピエールパオロ・ピッチョーリ(Pierpaolo Piccioli)は2023年春夏コレクションを「アンボクシング・ヴァレンティノ(Unboxing Valentino)」と名付け、人種や性別といったジャンルの壁を越えた個人に焦点を当て、開けたボックスの中にあるものを表現した。『意識的な統合から生まれる純粋さ、それは余計なものを意図的に取り去ること。それは引き算であり、不足ではありません』というヴァレンティノの今シーズンのテーマは、デザインは「足すこと」より「引くこと」の方が高度なテクニックだと考える筆者にとって、とても好意的に捉えている。
Image by: VALENTINO
Image by: VALENTINO
Image by: VALENTINO
前回の鮮やかなピンク一色のコレクションとは趣が違う、アイボリーやベージュ、ブラウンなどのさまざまなニュアンスのヌードカラーやニュートラルカラー、赤、黒、そしてブルーやグリーン、イエローなどのブライトカラーのアイテムも登場。ファーストルックはヴァレンティノのアイコンである「V」ロゴの連続模様「トワルイコノグラフ(Toile Iconographe)」を顔から足元まで施したルックや、まるでタイツのようなトップによってボトムのフェザーや刺繍のテクニックを際立たせたり、過去のコレクションに登場したコートやパンツ、シャツ、大きめのテーラードジャケットやドレスなどのシグネチャーアイテムを数多く登場させるなど、無駄な装飾を極力抑えながらも、個人や素材など本来持つ姿をより際立たせた。
文化服装学院アパレルデザイン科卒業後、服飾専門学校で5年間の教員生活を経て2000年に渡仏。ニコラ・ジェスキエールのバレンシアガ(BALENCIAGA)→ アルベール・エルバスのランバン(LANVIN)→ ピーター・コッピングのニナ・リッチ(NINA RICCI)と、ジョブ型雇用で外資系老舗ブランドのデザイナーを歴任。2015年からはニューヨークに移住し、英国人スチュアート・ヴィヴァース率いる米ブランド、コーチ(COACH)では、ウィメンズウェアのシニア・デザインディレクターとして活躍。2019年に拠点を再びパリに戻し、2021年からパーソンズ・パリ(NYにあるパーソンズ美術大学のパリ校)の修士課程(MFA)でアソシエイト ディレクターを務めるほか、学士課程(BFA)では世界各国から集まった学生達にファッションデザインのノウハウを教えながら、インフルエンサーとしてnoteで執筆活動をするなど、自らもじわじわと進化中。
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