
Image by: FASHIONSNAP
「東京をアジアを代表するファッションハブへ」というヴィジョンのもと、2024年にスタートした半期に1度の国際ファッショントレードショー「トラノイ・トーキョー(TRANOÏ TOKYO)」。先月、その第5回が国立代々木競技場 第一体育館で2日間にわたって行われた。世界25ヶ国から約200ブランドが集結した今回は、デニムに特化した国際的な素材・イノベーション展「デニム・プルミエール・ヴィジョン(Denim Première Vision)」のプレビューを日本初開催。さらに、初のランウェイショーや、国内外から豪華ゲストを迎えた「ファッションの今」を考えるトークショーなど、毎回新たなコンテンツを提供し続けている。
ADVERTISING
「トラノイ(TRANOÏ)」は、世界を目指すデザイナーとバイヤーを繋ぐことを目的に1998年にパリで創設された、パリファッションウィークが公式に認める唯一の合同展示会。そんな歴史ある展示会のアジア地域初進出にあたり、立ち上げ当初からディレクションを手掛けてきたのが、トラノイ・トーキョー ディレクターの小倉遊亀氏だ。約3500人が来場した初回以降、着実に規模を拡大しつつあるトラノイ・トーキョーの会場で、“ファッショントレードショーの今”を小倉氏に聞いた。

小倉遊亀 | Yuuki Ogura:米・パーソンズ美術大学ファッション科卒業後、デザイナーとしての経験を経て独立。バイヤーや通訳、セールスアシスタントなど多様な経験を積んだ後、ファッションの合同展示会「PROJECT TOKYO」の立ち上げなどに携わる。現在はトラノイ・トーキョー ディレクターとして、「TRANOÏ TOKYO」の企画・運営を手掛けている。
── トラノイは歴史のある合同展示会ですが、そもそも他のファッション展示会と比較してどのような特徴があるのでしょうか。
トラノイがスタートした当時は、ただブランドが並んでいるだけでなく、主催者がブランディングを徹底していた点が特徴的だったそうです。主催者は当時のトレンドを作る人々で、その人たちのお眼鏡に適った「このブランドが次に来る」というブランドだけがキュレートされていました。その当時、そうしたショールームやセレクトショップのような展示会は、唯一無二の存在だったと思います。
── そんなトラノイを、2024年に東京で初開催することになった経緯や目的とは?
グローバル展開を視野に入れていたからです。本格的な開催は東京がアジア初で、私たちが掲げている目標は、「トラノイ・トーキョーがアジアのファッションハブになる」のではなく、「東京をアジアのファッションハブにする」ということ。トラノイがそのきっかけになることを目指し、皆さんの力をお借りしながらその実現に向けて今も尽力しています。

トラノイ・トーキョーならではの「らしさ」とは
── 本国のトラノイを踏襲している部分と、東京独自の取り組みについて教えてください。
本国が大事にしている「すべてをファッションとして捉える」という精神は、私たちも非常に大切にしています。「ライフスタイル系のブランドやレストラン、カフェなども含めてすべてファッションである」という考え方です。「ただのファッションの展示会ではない」というところは意識していますね。
一方で、フランスとは違う日本独自のカルチャーを色濃く出すことも心掛けています。「Beyond Fashion, Beyond Trade show」をテーマに、本国よりもさらにライフスタイルブランドを広げています。例えば、「ビームス(BEAMS)」とパリ発のブックショップギャラリー「0fr.Paris」とのコラボレーションによるポップアップや、世界的なキャラクターなどのフィギュアや彫刻などを手掛けるフランスのデザインスタジオ「ルブロン デリエンヌ(LEBLON DELIENNE)」など、かつてはファッションとはみなされていなかったものも独自に取り入れています。

「ビームス」と「0fr.Paris」によるコラボレーションブース
また、単にファッションのブースを並べるだけでなく、SNSで話題になっているものなど、来場者が「知っているけど、実物を見てみたい」と感じるようなコンテンツを意識しています。日本にはアニメのように独自のカルチャーを築いてきた歴史があり、それをアジアの方々が面白いと感じてくれています。フランスではアートと捉えられるものが、日本ではファッションでもあり、アートでもあり、カルチャーでもある。そうしたひとつの枠に決めない考え方こそが東京らしさであり、今後も取り入れていきたいと考えています。


「ルブロン デリエンヌ」のフィギュア
Image by: LEBLON DELIENNE
── 本国のトラノイとは、毎回どのような形で連携していますか?
本国の担当者と毎週ミーティングを行い、ブランドのセレクションやパリでの新しい取り組み、東京に出展したいブランドの情報などを共有しています。日本の私たちと本国とではファッションに対するヴィジョンが異なるため、そのすり合わせは重要です。
例えば、初回の開催時にフランスの靴下ブランドから応募があった際、靴を脱ぐ文化のある日本人にとって靴下はファッションの一部なので、私たちは「すごく可愛いし良いじゃないか」と思ったのですが、本国の担当者からは「靴下はファッションではない」と言われたんです。そうした文化の違いを互いに説明し合うことはよくあります。ただ、彼女たちも日本に来てアジアのマーケットを理解してくれているので、連携はスムーズになってきています。本国の意向を聞くというよりは、私たちがやりたい方向性を伝えて「どう思うか」と相談する形ですね。本国からは「イノベーティブで楽しいことをやってほしい」と言われています。
「いかに出展者に成功してもらえるか」
── トラノイ・トーキョーの出展ブランドは、どのような基準でセレクトされていますか。
ものづくりの背景にある思いやこだわり、素材と価格のバランスなど、ブランドとしてすべてがきちんと成り立っているかを見ています。私たちはお金をいただいて出展してもらっているので、結果が出なければ意味がありません。時には「今はまだ少し早いかもしれない」とお伝えすることもありますが、お断りする前には必ず、「日本ではこういう色使いが好まれる」「このデザインは少しボディコンシャスすぎるかもしれない」といった具体的なアドバイスをするようにしています。いかに出展者に成功してもらえるか、という視点を最も大切にしています。

── 今回は25ヶ国から約200ブランドが参加しましたが、どのような国やブランドが集まっているのでしょうか。また、参加数はどのように変遷していますか?
フランスやイタリアといった王道はもちろん、ルーマニア、インドネシア、コロンビアなど世界中の多様な国や地域からの参加がありました。今回はブータンからも出展があり、例えばパーソンズ美術大学(Parsons School of Design)出身のデザイナーによるブランド「シェイチャ・デム(SHEYCHA DEM)」は、ブータンの伝統的な素材を使ったテーラリングを提案しています。参加国数やブランド数は回によって増減がありますが、第3回のときは過去最多の約250ブランドに出展いただいたところ、来場者から「狭くて話しづらい」といったご意見をいただきました。その反省も活かし、今回はちょうど良い数に落ち着いたと感じています。
── 今回、初めてランウェイショーやデニム・プルミエール・ヴィジョンを導入されましたが、その背景や意図を教えてください。
ランウェイショーは本国のトラノイでも実施しており、東京でも以前から開催の構想はありました。今回で4度目の出展となるルーマニアの団体から「東京でランウェイをやりたい」という強い希望があり、彼らの日本での認知度も上がってきたこのタイミングが最適だと判断したのがきっかけでした。今回は、バングラデシュを拠点とするデニムメーカー「パイオニア デニム(Pioneer Denim)」からもやりたいという声をいただいたので、トラノイ・トーキョーが主催となり、この2者をフィーチャーする形で実現しました。

ルーマニアのデザイナーによるランウェイショー。「Arah」「Bol Fashion of Nature」「Lenca Stories」「CuAnna」など9組が参加。

「パイオニア デニム」によるランウェイショー
プルミエール・ヴィジョンは、私たちと同じグループ企業が運営しており、「デニム大国である日本なら世界のデニムの価値を理解してもらえるのでは」という考えからデニムに特化して開催することになりました。単なる素材展ではなく、トラノイ・トーキョーの会場内で開催することで、デザイナーと素材メーカーが出会う場を提供し、出展者同士が刺激し合えるような相乗効果を生み出したいという意図もあります。





「デニム・プルミエール・ヴィジョン」のブース
「東京をアジアのファッションハブにする」ことを目指して
── 5回目の開催ですが、これまでどのような成果や変化を実感していますか?
この2年半で、トレードショーに求められるものが変わってきたと強く感じています。象徴的だったのが、前回3月に開催した際の服飾専門学校の学生さんによる展示です。私たちは彼らを「学生」としてではなく一人の「プロ」として扱っているので、「卒業制作展」のようなものではなく、本気でブランドを立ち上げて商談ができるレベルの方に参加してもらったのですが、来場したバイヤーの方たちから「一番面白かった」という声が上がったんです。開催後、他の来場者からのフィードバックでも同じような意見があり、今の学生たちはプロ顔負けの面白さを持っているということに、回を重ねるごとに気づかされています。
── 昨今の合同展示会の運営の難しさや、トラノイ・トーキョーが抱えている課題はありますか。
常に課題なのは、ブランド集めと来場者集めです。特に、バイヤーやメディアの方々が「これは知らなかった、面白い」と感じてくれるような環境をどう表現していくか、という点は毎回模索しています。
また、出展者の方々と一緒に展示会を作り上げていくプロセスも、大変ですがやりがいのある部分です。特に今回は25ヶ国から出展者が集まっているので、国による考え方や価値観の違いを埋めていくコミュニケーションは非常に重要です。例えば、商品をたくさん並べることがバイヤーへのアピールだと考える海外ブランドに対し、きちんとマーチャンダイジングして見せることの重要性を伝えるなど、成功してもらうための対話には毎回苦心しています。

── 次回は来年2月の開催が予定されていますが、トラノイ・トーキョーの今後の展望を教えてください。
私たちが当初から掲げている「東京をアジアを代表するファッションハブにする」という目標を実現していきたいです。アジアだけでなく、欧米のバイヤーも「トラノイ・トーキョーに来れば面白いブランドが見つかる」と思えるような場所に育てていきたいと思っています。
現在もバイヤーやメディアの方をはじめ、デザイナーや生産関連業者、大使館関係者など多様な方にご来場いただいていますが、将来的にはスタイリストや美容師など、ファッションが好きで、ファッションに携わっている方なら誰でも来られるようなイベントにしたいです。BtoBやBtoCといった枠組みを超えた、いろいろな体験ができる「ファッションの祭典」のような場所になることが一番の理想ですね。

最終更新日:
■TRANOÏ TOKYO:公式サイト/公式Instagram

PIONEER DENIM

PIONEER DENIM

PIONEER DENIM

PIONEER DENIM

PIONEER DENIM

PIONEER DENIM

PIONEER DENIM

PIONEER DENIM

PIONEER DENIM

PIONEER DENIM

PIONEER DENIM

PIONEER DENIM

PIONEER DENIM

PIONEER DENIM

PIONEER DENIM

PIONEER DENIM

PIONEER DENIM

PIONEER DENIM

PIONEER DENIM

PIONEER DENIM

PIONEER DENIM

PIONEER DENIM

PIONEER DENIM

PIONEER DENIM

PIONEER DENIM

PIONEER DENIM

PIONEER DENIM

PIONEER DENIM

PIONEER DENIM

PIONEER DENIM

PIONEER DENIM

PIONEER DENIM

PIONEER DENIM

PIONEER DENIM

PIONEER DENIM

PIONEER DENIM

PIONEER DENIM

PIONEER DENIM

PIONEER DENIM

PIONEER DENIM

PIONEER DENIM

PIONEER DENIM

PIONEER DENIM

PIONEER DENIM

PIONEER DENIM

PIONEER DENIM

PIONEER DENIM

PIONEER DENIM

PIONEER DENIM

PIONEER DENIM

PIONEER DENIM

PIONEER DENIM

PIONEER DENIM

PIONEER DENIM

PIONEER DENIM

PIONEER DENIM

PIONEER DENIM

PIONEER DENIM

PIONEER DENIM

PIONEER DENIM

PIONEER DENIM

PIONEER DENIM

PIONEER DENIM

PIONEER DENIM

ROMANIAN DESIGNERS

ROMANIAN DESIGNERS

ROMANIAN DESIGNERS

ROMANIAN DESIGNERS

ROMANIAN DESIGNERS

ROMANIAN DESIGNERS

ROMANIAN DESIGNERS

ROMANIAN DESIGNERS

ROMANIAN DESIGNERS

ROMANIAN DESIGNERS

ROMANIAN DESIGNERS

ROMANIAN DESIGNERS

ROMANIAN DESIGNERS

ROMANIAN DESIGNERS

ROMANIAN DESIGNERS

ROMANIAN DESIGNERS

ROMANIAN DESIGNERS

ROMANIAN DESIGNERS

ROMANIAN DESIGNERS

ROMANIAN DESIGNERS

ROMANIAN DESIGNERS

ROMANIAN DESIGNERS

ROMANIAN DESIGNERS

ROMANIAN DESIGNERS

ROMANIAN DESIGNERS

ROMANIAN DESIGNERS

ROMANIAN DESIGNERS

ROMANIAN DESIGNERS

ROMANIAN DESIGNERS

ROMANIAN DESIGNERS

ROMANIAN DESIGNERS

ROMANIAN DESIGNERS

ROMANIAN DESIGNERS

ROMANIAN DESIGNERS

ROMANIAN DESIGNERS

ROMANIAN DESIGNERS

ROMANIAN DESIGNERS

ROMANIAN DESIGNERS

ROMANIAN DESIGNERS

ROMANIAN DESIGNERS

ROMANIAN DESIGNERS

ROMANIAN DESIGNERS

ROMANIAN DESIGNERS

ROMANIAN DESIGNERS

ROMANIAN DESIGNERS

ROMANIAN DESIGNERS

ROMANIAN DESIGNERS

ROMANIAN DESIGNERS

ROMANIAN DESIGNERS

ROMANIAN DESIGNERS

ROMANIAN DESIGNERS

ROMANIAN DESIGNERS

ROMANIAN DESIGNERS

ROMANIAN DESIGNERS

ROMANIAN DESIGNERS

ROMANIAN DESIGNERS

ROMANIAN DESIGNERS

ROMANIAN DESIGNERS

ROMANIAN DESIGNERS

ROMANIAN DESIGNERS

ROMANIAN DESIGNERS

ROMANIAN DESIGNERS

ROMANIAN DESIGNERS

ROMANIAN DESIGNERS

ROMANIAN DESIGNERS

ROMANIAN DESIGNERS

ROMANIAN DESIGNERS

ROMANIAN DESIGNERS

ROMANIAN DESIGNERS

ROMANIAN DESIGNERS

ROMANIAN DESIGNERS

ROMANIAN DESIGNERS

ROMANIAN DESIGNERS

ROMANIAN DESIGNERS

ROMANIAN DESIGNERS

ROMANIAN DESIGNERS

ROMANIAN DESIGNERS

ROMANIAN DESIGNERS

ROMANIAN DESIGNERS

ROMANIAN DESIGNERS

ROMANIAN DESIGNERS

ROMANIAN DESIGNERS

ROMANIAN DESIGNERS

ROMANIAN DESIGNERS

ROMANIAN DESIGNERS

ROMANIAN DESIGNERS
ADVERTISING
RELATED ARTICLE
















