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「暮らしの中の小さな革命」にeriが込めた、楽しいも地球環境も諦めないモノとの向き合い方

Image by: (左)光文社、(右)FASHIONSNAP

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 デザイナー兼アクティビストのeriが発売した初のフォトエッセイ「暮らしの中の小さな革命」が、書店イベントでは即日完売、3月18日の発売から1ヶ月足らずで重版となるなど好評だ。同書の発売を記念した関係者向けイベントを東京・中目黒のショップ「デプト(DEPT)」で開催したeriに、書籍出版の背景にある思いやこれまでの取り組み、今後の展望について訊ねた。

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 イベント当日、店内では同書の販売や内容ページの展示に加え、書籍内でも紹介されているeriが実際に愛用しているプロダクトの一部を披露。同氏がこれまで自作、コラボレーション制作したアイテムや買い付けたアイテムも展示・販売し、実際にプロダクトを間近で見て手に取りながら、その背景にある思いや生活における選択と実践の歩みを体感できる場として展開した。

イベントでの展示の様子

 eriは、2004年に自身のブランド「マザー(mother)」、2012年にアクセサリーブランド「ユートピア(VTOPIA)」を始動。当初は一般的なファッションブランドのサイクルを踏襲したシーズンごとのコレクション製作・発表を行っていたが、次第に毎シーズン大量のアイテムを生み出し続けるものづくりの在り方やファッション産業の構造に疑問を感じ、2015年にコレクション発表を休止した。以降、本格的に古着の買い付けをスタートするとともに、作りたいものが出来たタイミングでアイテムを発表し、受注生産を中心とした無駄な在庫を作らないスタイルへと切り替えた。

 その後、2019年にIPCC(気候変動に関する政府間パネル*)の報告書を読んで気候変動の深刻さを知ったことを機に、勉強や取り組みを本格的に始めたというeri。SNSやメディアでの発信に加え、2021年には日本の気候変動対策の改善を求めるハンガーストライキの実施や、英・グラスゴーで開催されたCOP26(国連気候変動枠組条約第26回締約国会議)への参加など、これまで約6年間、アクティビストとして精力的に活動を行ってきた側面もある。しかし、今回出版した「暮らしの中の小さな革命」では、あえて“ファッションやライフスタイルといった身近なものの変革”をテーマにした内容で構成している。

* 世界気象機関(WMO)及び国連環境計画(UNEP)により1988年に設立された政府間組織。現在は195ヶ国が加盟している。

 「本を書くとなったとき、気候変動に特化したものや、サステナビリティやエシカルを打ち出したものではなく、自分の経験に基づいたものにしたいと思いました。私はモノが好きだから、モノを通して『かわいい』や『楽しい』を諦めずに、地球になるべく負荷をかけずに生きていく方法をもっと探りたいし、皆さんとシェアしたいなと思ってこの本を作りました」(eri)。

 同書の好調な売れ行きからも、日常の暮らしの中で心地よく楽しみながら実践できるサステナビリティに、人々の関心や共感が集まっていることが伺える。出版元の光文社担当者・エディターは、この反響について「書誌情報が出てすぐに六本木 蔦屋書店をはじめ各地の書店からイベントの打診があり、多方向で手に取るきっかけを提供できたことが重版を後押しした」と分析。代官山 蔦屋書店でのサイン本完売や、Amazonでの予約特典制作など、実店舗とオンラインの両軸で多方向にアプローチを仕掛けたことが、初速の勢いに繋がった。また、「目まぐるしく変化する社会情勢の中で、eriさんが発信し続けてきた社会問題への向き合い方やそのスタンスに共感や救いを感じる読者が増えていること」も、同書の売り上げに貢献しているようだ。

 環境問題に取り組む団体やアクティビストの中には、新品の服を作り、買うこと自体を批判する声もある。しかしeriは「モノを買うこと自体は、本来悪いことではなかったはず。ただ、作り方が多様化してしまったことで、無作為に選べるものではなくなり、背景をきちんと知って買う必要が出てきたと感じています。だからこそ、もっと楽しく、かわいく、問題を含まずにモノを作ったり使ったりすることを、今からみんなで練習していったらいいのではないかと思っています」と話す。

 また5月2日、eriは自身のインスタグラム上で、約1年後に中目黒の店舗のクローズと会社の移転を予定していることを発表した。その理由について「25年この仕事を続けてきて、この後の25年を考えるようになりました。より自分の持つものや、できることを社会に還元できるような体制づくりをしたいという気持ちがありますし、個人として、もっと手を動かしてものづくりに集中したいという目標もあります」とコメントした。

中目黒の店舗「DEPT」外観

 デザイナー、アクティビスト、一人の生活者として、日常の小さな選択と行動を積み重ねてきた約6年間の歩みを振り返り、eriは「簡単に言うと、すごく楽しかったんです」と心境を語る。「本の中でも書いていますが、これ(環境への配慮や選択の重要性)を知る前と知った後では、絶対に知った後のほうがいい。以前は深く考えずに消費行動をしていましたが、それはある種、自分を大切にしていなかった行為だったと気づきました。地球環境と向き合っているつもりが、結果的に自分自身と向き合うことになっていた。それは本当に良い変化でしたし、悪いことは何一つなかったです」。

 自身の体験や変化についてそう話す彼女の言葉からは、ストイックな義務感ではなく“セルフラブ”に近い、健やかでポジティブなエネルギーが漂う。その純粋な思いと無理のない実践の共有が、読者の共感にも繋がっているのだろう。

 なお、5月31日までの期間、中目黒の書店「カウブックス(COW BOOKS)」では、「暮らしの中の小さな革命」の刊行を記念した書店内書店「暮らしの中の小さな革命書店」を開催中。eriの私物古書やカウブックスの書棚からセレクトした愛読書、同店からeriへのリコメンド本などをラインナップしている。

最終更新日:

■暮らしの中の小さな革命書店
期間:2026年4月28日(火)〜5月31日(日)
場所:COW BOOKS
所在地:東京都目黒区青葉台1-14-11 コーポ青葉台103
営業時間:12:00〜19:00
定休日:月曜

■eri:公式インスタグラム

■DEPT:公式インスタグラム

FASHIONSNAP 編集記者

佐々木エリカ

Erika Sasaki

埼玉県出身。早稲田大学国際教養学部卒業後、国内大手アパレルメーカー、ケリング傘下ブランドのMDなどを経験した後、2023年にレコオーランドに入社。現在はウィメンズファッションをメインに担当。ファッションやカルチャーへの熱量と同様にジェンダーや社会問題にまつわるトピックにも関心があるため、その接点を見出し、思考や議論のきっかけとなるような発信をしていけたらと願っている。

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