ミラノ・メンズ・ファッションウィーク公式サイトより
2021-22年秋冬シーズンのメンズ・ファッションウィーク(デジタル)が幕を開ける。新型コロナウイルス感染拡大の影響で、ロンドン・メンズは2月のウィメンズの期間に同時開催となり、ピッティ・イマージネ・ウオモも2月21〜23日のミラノ・ウィメンズの前の期間に延期(デジタルのピッティ・コネクトは1月12日から14日に開催)したため、1月に開催するのはミラノとパリのみとなる。見所をファッションジャーナリストの増田海治郎が解説する。
(文:ファッションジャーナリスト 増田海治郎)
ミラノ・メンズの見所は?
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1月15~19日に開催される2021-22年秋冬ミラノ・メンズ・ファッション・ウイーク。当初は数ブランドがフィジカルのショーを予定していたが、コロナ禍の影響でほとんどのブランドが映像を配信する形でコレクションを発表する。
参加するのは39ブランドで、日本からは前回に引き続き「チルドレン・オブ・ザ・ディスコーダンス(Children of the discordance)」と「ジエダ(JieDa)」が参加する。注目はラフ・シモンズ加入後の初のメンズの発表となる「プラダ(PRADA)」。
ベテランジャーナリストでも未見の新人ブランドが増えたのも今回の特徴で、新しい才能との出会いも期待できそうだ。トップバッターを飾るのは「エルメネジルド・ゼニア(Ermenegildo Zegna)」で、今日1月15日15:00(日本時間23:00)に配信される。
パリ・メンズの見所は?
1月19日〜24日に開催される2021-22年秋冬パリ・メンズ・ファッション・ウイークは、全て映像配信でコレクションを発表する。参加するのは71ブランドで、うち日本勢は10ブランドを占める。
日本勢の注目は、サンディカの公式スケジュールでは初の発表となる「キディル(KIDILL)」と「ターク(TAAKK)」。前回は動画を通して世界に笑顔を届けた「ダブレット(doublet)」、モデルが回転する斬新な映像が高い評価を受けた「カラー(kolor)」の次の手も気になるところだ。
前回はデジタル開催が初めてで手探りだったこともあり、若手がビッグメゾンを凌駕するようなプレゼンテーションを見せることがあった。資金力を超越するフラットな状況で、「ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)」や「ディオール(DIOR)」といったビッグメゾンはどういった見せ方をするのか。個人的には、デジタルでは初参加となる「ヴェトモン(VETEMENTS)」、日本でも人気の高い「ヘド・メイナー(HED MAYNER)」のプレゼンテーションを楽しみにしている。
通常のファッションショーは限られた人しか見られないが、デジタルは誰でも無料で見ることができる。しかし前シーズン気になったのは、視聴する人が想像以上に少ないということだった。初めての試みだったので周知が行き渡っていなかったのかもしれないが、ファッション好きなら見逃す手はない。最新のコレクションを堪能できるのはもちろん、ルック写真では分からないデザイナーの背景やメッセージも感じ取ることができるので、ぜひ時間の許す限りチェックしてみてほしい。
オススメは発表時間に合わせてリアルタイムで見ること。時間帯は日本時間で18:00〜翌4:30の間なので、全てを見るのは難しいかもしれないけれど、スケジュール通りに見るとバイヤーやジャーナリストになった気分でファッションウィークを楽しめるはずだ。コロナ禍でファッションを着て楽しむ機会が減っているので、今はファッションを"見て"楽しもう!
■ミラノ・メンズ・ファッションウィーク:公式サイト
■パリ・メンズ・ファッションウィーク:公式サイト
文・増田海治郎
雑誌編集者、繊維業界紙の記者を経て、フリーランスのファッションジャーナリスト/クリエイティブディレクターとして独立。自他ともに認める"デフィレ中毒"で、年間のファッションショーの取材本数は約250本。初の書籍「渋カジが、わたしを作った。」(講談社)が好評発売中。>>増田海治郎の記事一覧
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