ADVERTISING

【ソーシャルスポーツを楽しむ人たち #1】 文化服装学院の最大勢力、80人所属のランクラブ

文・五十君花実

Video by: FASHIONSNAP(SHUNYA KUROYANAGI)

 体を動かすことは、ストイックに自分と向き合い、限界まで自分を追い込むこと。そんな価値観ももちろんステキですが、近年盛り上がりを見せているのは、仲間とのコミュニケーションも含めて楽しむ“ソーシャルスポーツ”の潮流です。話題の「HYROX」やピックルボールはその代表格。ランニングでも、仲間と一緒に参加できるリレー形式の大会などが人気を集めています。そこでFASHIONSNAPでは、スポーツの秋に合わせて、“ソーシャルスポーツ”を楽しむ人々とそのファッションをフィーチャー。第1弾では、文化服装学院のランニングクラブを取材しました。

ADVERTISING

Bunka Running Clubのグループラン画像

10月8日に行われたBunka Running Clubのグループランから

Image by: FASHIONSNAP(SHUNYA KUROYANAGI)

「会って話すのが楽しいから走ってる」

 文化服装学院といえば、日本のファッション教育をけん引する名門校。山本耀司やコシノヒロコ&ジュンコ、高橋盾、NIGO®など、世界的デザイナーを数多く輩出してきました。そんな学校で今、美術部や写真部ならぬランニングクラブ「Bunka Running Club(以下、BRU)」が、一大勢力になっていると聞いたら、意外に感じる人も多いのでは? ランニングカルチャーの隆盛にも後押しされ、BRUには現在約80人の学生が所属。学友会(部活)として学内最大規模といいます。月1回のグループランには、毎回20人前後の学生と、ランニング好きのファッション業界人ら計30人ほどが集まります。

 グループランは授業終了後に、近隣の代々木公園を目指して走るのが定番コース。距離は5〜7キロです。「初めて参加する時はちょっとハードルを感じるかもしれないけど、参加しちゃうとすごく楽しい。グループランの後に毎回行く、カレー屋さんでの打ち上げが実は走るのより好き(笑)」と話すのは、ファッション高度専門士科4年のさきさん。BRUでランニングの魅力に目覚めた彼女は、卒業制作でもランニングに着想を得たファッションをテーマにすることを考えているそうです。

 2026年3月に同校を卒業し、現在はゴールドウインの「ザ・ノース・フェイス(THE NORTH FACE)」デザインチームに所属するこうたろうさんも、OBとしてBRUに参加しています。「みんなと会って話すのが楽しいから走ってるっていう感じですね」。現役学生たちの良き兄貴分として、高尾山でのトレイルランニング練習会なども主導しています。実はこうたろうさん、ゴールドウインの担当者がBRUに参加していたことから、就職先との縁にもつながったのだとか。

BRUのグループラン画像
BRUのグループラン画像
BRUのグループラン画像
BRUのグループラン画像

Image by:FASHIONSNAP(SHUNYA KUROYANAGI)

 ほかにも、「学科が違う子と、BRUで一緒に走るうちに仲良くなれた」「ファッション業界で働いている学外の人も参加しているから、就職のこともそれ以外も相談しやすい」といった声が学生たちから聞かれました。走ることをきっかけに、学科や世代、学校の内外を超えて人間関係が広がっています。

 そしてもう一つ注目したいのが、彼らの個性あふれるランニングファッション。さすがは文化生、「走る時はこういう格好をするべき」といった固定観念にとらわれない自由なスタイルとブランドチョイスで、取材班を魅了してくれました。

【さすが文化生!個性あふれるランSNAP】

1 / 13
BRUのランナースナップ
BRUのランナースナップ
BRUのランナースナップ
BRUのランナースナップ
BRUのランナースナップ
BRUのランナースナップ
BRUのランナースナップ
BRUのランナースナップ
BRUのランナースナップ
BRUのランナースナップ
BRUのランナースナップ
BRUのランナースナップ
BRUのランナースナップ

4年生のさきさんは、大ぶりアクセサリーに柄タイツがロードラン時のお気に入りスタイル。アクセは軽いものをチョイス

Image by: FASHIONSNAP(SHUNYA KUROYANAGI)

服飾学生ならではの視点で作るランウェア

 BRUを語る上で欠かせない別の側面が、学生とブランドや企業をつなぐ産学連携プラットフォームとしての役割です。自分たちが考えたデザインを実際の商品として世に送り出せることは、ファッションを学ぶ学生にとって大きな魅力。そこが、BRUが多くの学生を引きつける理由の一つにもなっています。

「タヌキ」とBRUの共同開発商品画像
「タヌキ」とBRUの共同開発商品画像
「タヌキ」とBRUの共同開風景
「タヌキ」とBRUの共同開風景
共同開商品の販売風景
共同開商品の販売風景

2024年に発売した、「タヌキ」とBRUの共同開発商品第2弾

Image by: Bunka Running Club

 そもそもBRUは、2022年にランニングウェアブランド「タヌキ(TANNUKI)」を手掛ける加藤賢ディレクターが、文化服装学院に「学生と商品企画でコラボレーションしたい」と持ちかけ、それに現顧問の德岡慧先生が偶然対応したことが誕生のきっかけでした。2023年にBRUは学生3人+德岡先生で発足し、以来タヌキとは毎年コラボ商品を企画。11月の文化祭で販売しており、今年は第4弾商品を発表します。

 「自分を含め、30代以上でランニングを楽しんでいる人は多いけど、2022年当時は若い世代のランナーがまだ少なかったんです。服飾専門学生という、一見ランニングとは遠い存在の人たちだからこそ、新しい価値を生み出せるのではないかと思ったのが、コラボを申し込んだ理由」と加藤さん。加藤さんが学生にランニング時に必要な機能性やランカルチャーを伝え、学生が自由な発想でデザイン。サンプルができたらグループランで着用し、丈やパターンなどの改善を繰り返して量産につなげています。

BRUのトレラン風景
BRUのトレラン風景
BRUのトレラン風景
BRUのトレランレース風景
BRUのトレランレース風景

BRUはロードランだけでなく、トレイルランも楽しんでいる

Image by: Bunka Running Club

 タヌキは、毎年5月に開催している40〜50のランニングブランドを集めたイベント「春のタヌキ祭り」にもBRUを招待。会場では学生たちが思い思いに製作したランニングウェアを販売し、学生同士競い合う場にもなっています。現在では、タヌキ以外のランニング関連ブランドや企業からもBRUにコラボレーションの依頼が多数寄せられ、複数の商品化プロジェクトが進行中。ランニングを楽しむコミュニティは、学生たちの発想を社会につなぐ場へと発展しています。

【連載:ソーシャルスポーツ 2026】

 FASHIONSNAPでは“スポーツの秋”に合わせて、「ソーシャルスポーツ 2026」と題した連載を掲載します。競技成績や順位を競うのではなく、人とつながる・交流することが主目的になっている令和のスポーツのあり方や、スポーツ×ファッションに関連する話題をお届けします。

第1回:HYROXは現代版の合コン? 仲間と楽しむ"ソーシャルスポーツ"新潮流
第2回:【ソーシャルスポーツを楽しむ人たち #1】Bunka Running Club
第3回:大事なのは「誰とどう楽しむか」 盛り上がるスポーツ観戦市場
第4回:【ソーシャルスポーツを楽しむ人たち #2】URBAN YOGA
第5回:甘いだけじゃない! 選んで楽しいプロテイン
第6回:野田クリスタルがプロデュースするクリスタルジムに行ってみた
第7回:ファッションとしても大注目 大人から始めるバレエレッスン
第8回:【ソーシャルスポーツを楽しむ人たち #3】あつまれテニスラバー
第9回:東京レガシーハーフマラソンでおしゃれランナーをSNAP

※掲載内容やタイトルは変更する可能性があります

最終更新日:

文・五十君花実

Hanami Isogimi

FASHIONSNAP ディレクター

1983年愛知県出身、早稲田大学政治経済学部卒。繊研新聞記者、WWDJAPAN副編集長、編集委員を経て、25年10月から現職。山スキー、登山、ラン、SUPを愛するアウトドア派。ビジネスからクリエイション、ライフスタイルまで、多様な切り口でファッションを取材。音声、動画、コミュニティーなど、活字以外のアウトプットも模索中。

ADVERTISING

現在の人気記事

NEWS LETTERニュースレター

人気のお買いモノ記事

公式SNSアカウント