
Image by: PAÑPURI
フレグランスの魅力とは、単に“匂い”だけじゃない。どんな思いがどのような香料やボトルに託されているのか…そんな奥深さを解き明かすフレグランス連載。
今回は「パンピューリ(PAÑPURI)」の創業者でCEOのヴォラヴィット・シリパーク(Vorravit Siripark)にインタビュー。ブランドの創業からコーセーホールディングス傘下の現在に至る思いを聞いた。
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8月28日にオープンした日本初の路面シグネチャーブティック「PAÑPURI 青山」は表参道駅から徒歩1分
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パンピューリの躍進が目覚ましい。2024年にコーセー(現コーセーホールディングス)の傘下に入ったというニュースには驚かされたが、今年に入って3月に伊勢丹新宿本店ビューティーアポセカリーに出店、8月には東京・青山に日本初の路面シグネチャーブティックをオープン、さらに9月にはNEWoMan横浜にも出店。それぞれに表情が異なる洗練された空間、ゆったりとした造りが“ラグジュアリー・ホリスティックウェルネスブランド”の名にふさわしい雰囲気を醸し出している。

ヴォラヴィット・シリパーク:タイ・バンコク出身。カナダの高校で経済学とアートを学んだのち、ミラノのSDAボッコーニ経営大学院でラグジュアリーグッズマネジメントの修士号を取得。2003年より現職
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パンピューリは2003年創業。「ウェルネス」「ウェルビーイング」といった言葉が、まだ今ほど身近ではなく、タイコスメ自体がまだブランディングされていなかった時代だ。
「自分のパーソナルな体験、タイの日常のリチュアルにルーツがあります。特に幼い頃、祖母が素焼きの水瓶に溜まった雨水にジャスミンの花びらを浮かべてお客さまを迎えていたことをよく覚えています。その後約10年間、アメリカ、カナダ、イタリアで暮らしましたが、タイに戻り、伝統的な暮らしのリチュアルを現代的に再解釈することに価値があると思ったのです。ウェルビーイングというDNAは誰にでも理解されるものだから、それをいかに翻訳し、多くの人に体験してもらうかということを考えつつ、ブランドを立ち上げました」

ブランドのアイコン「エクストラクト パフュームオイル」(50mL 8910円〜)。賦香率25〜30%の高濃度だが、植物オイルベースで穏やかに香る
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ブランド名はタイ語の源流である古代パーリ語とサンスクリット語に由来。“PAÑÑA”は叡智、“PURI”はインドの都市名で「清らかさ」を意味する言葉。心身が穏やかに調和し、ウェルビーイングを得られる場所を意味している。そこでキーとなるアイテムが「パフュームオイル」だ。
「古代エジプトでは香油を体や髪に塗って、香りを楽しみながらケアする習慣がありました。パンピューリのコンセプトは、自分を慈しむこと。なので他人を惹きつけるためではなく、自分のための香りであるので、アルコールのように揮発することなく、肌に留まって穏やかに香るオイルは、香りとウェルネスをつなげるベストな剤型として選択しています。そしてまとった時にどんな気持ちになれるか、どうありたいか、どんな記憶を呼び覚ますかといったことを考えながら、クリエイションしています」

ブランド初、アルコールフリー処方でセカンドスキンのように香る「オードパルファム」(全10種、各50mL 2万5300円、各10mL 1万1770円)は、香りごとにデザインの異なる巾着ポーチ付き。そのほか「リファイニングコーム」(全3種、各3960円)、10mLサイズ用「トラベルケース」(全3種、1万3640円・10月1日発売)も展開
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そう、ヴォラヴィット・シリパークは、創業者でCEOであると同時にクリエイターでもあり、商品デザインや香りの構築、店舗設計などのクリエイティブ面も自ら行う二刀流なのだ。
「実はカナダの高校では、経済学と同時にファインアートも学んでいたんです。ビジネスもある意味クリエイティブなものですから、両方に携わることで逆にインスパイアされる面が多いですね。このスタイルは、コーセーホールディングスの傘下になっても変わっていません。小林一俊会長とはホスピタリティやクリエイティビティ、イノベーション、パッションなどにおいて、根本的な価値観が近く、パンピューリのアイデンティティをとてもリスペクトしていただいています」

「プライベート エディション」(要予約)では、最大40種の素材の中から好みのものを選んでオリジナルの香りを創ることができる。エッセンシャルオイル、ルームミスト、ディフューザーとして持ち帰ることができ、完成したレシピは店舗に保管される
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パンピューリのアイデンティティ、そして世界観がグッと凝縮されているのが、東京・青山のシグネチャーブティックだ。
「日本で展開する直営店は“THE HIDDEEN SANCTUARY OF TALES(隠された物語が眠る場所)”を共通コンセプトとしながら、各店のデザインを変えています。1号店である青山はまさに“THE SANCTUARY OF BEGINNING(物語が始まる場所)”として、光と素材の質感を生かした静謐の空間に仕上げています」

10月下旬オープン予定のウェルネススパのエントランス
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店内に入るとまず香りを発見するゾーンがあり、リチュアルを体験するためのシンクがあり、さらに奥に、日本では青山店でのみ展開するパーソナル調香体験エリア「プライベート エディション」を設置。青山店限定アイテムや刻印サービス、タイの美意識があふれるギフトラッピングも用意し、さらに10月下旬には、オイルトリートメントを提供するスパ「ウェルネス スイート」を2階にオープン予定。パンピューリ的ラグジュアリーウェルネスを、ぜひ体感してみて。
最終更新日:
◾️パンピューリ:公式サイト
ビューティ・ジャーナリスト
大学卒業後、航空会社、化粧品会社AD/PR勤務を経て編集者に転身。VOGUE、marie claire、Harper’s BAZAARにてビューティを担当し、2023年独立。早稲田大学大学院商学研究科ビジネス専攻修了、経営管理修士(MBA)。専門職学位論文のテーマは「化粧品ビジネスにおけるラグジュアリーブランド戦略の考察—プロダクトにみるラグジュアリー構成因子—」。
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