「ユニクロ(UNIQLO)」とファッションデザイナー ジル・サンダー(Jil Sander)氏のタッグによる「+J(プラスジェイ)」から2021年春夏コレクションが発売されます。一部アイテムのヴィジュアルが公開されると大きな話題となり、日を増すごとに期待感が高まっています。FASHIONSNAPでは一足先にメンズ・ウィメンズ計26型を借りることができたので、先シーズンに引き続き+Jをファーストコレクションから見てきた編集者2人がアイテムを徹底レビュー。まずはメンズのアウターをチェック。
目次
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編集A→普段は国内外のデザイナーズを担当する女性編集者。2009年3月のファーストリテイリングとジル・サンダーの契約発表を目の当たりにした。当時の会見を「懐かしい〜」と目を細める。
編集B→ユニクロをフリースブームの時から見続けている男性編集者。専門はもっぱらラグジュアリーとデザイナーズ。昨今のゆったりシルエットには正直食傷気味だが、「やっぱり買ってしまう」らしい。
編集A:昨シーズン約9年ぶりに新作を発売したことで大きな話題を集めた「+J」が、2021年春夏シーズンも継続されることが決まりました。
編集B:前回は各地で行列ができて、オンラインはアクセス制限。ちょっとしたお祭りみたいな状態でしたね。
編集A:そして前回と同じく発売に先駆けて一部アイテムを拝借したので、また2人でレビューしていきましょう。
編集B:よろしくです。
1.オーバーサイズフーデッドロングコート
編集A:まずはオーバーサイズフーデッドロングコート。素材がポリエステル100%です。ジル・サンダーデザインのナイロンコートは定番ですよね?
編集B:定番ですね。これは柔らかめなハリ感が特徴ですね。表面に撥水加工がされているので、レインコート的な位置付けとして着るのが正解なのかな。
編集A:カラーはグレーとライトグレーの中間のような春らしいグレー。少しマットな印象があります。ヴィジュアルではホワイトが使われていましたが、そちらもインパクトがありましたね。
編集B:先シーズンもホワイトはダウンをはじめ、色々なアイテムで採用されていましたけど、結構人気だったみたいですよ。これまで白いアウターは売れにくいイメージでしたが「+J」は違うようですね。
編集A:細かいポイントだとジップに「+J」のロゴ。あとはフードが取り外し可能になっていますね。
編集B:取り外し可能なデザインってミニマルの概念から考えてどうなんでしょう。ミニマルになるほどアタッチメントが削ぎ落とされるイメージなので、ミニマルと利便性のバランスって難しいんですよね。
編集A:着てみるとどうでしょう?
編集B:ポケットが絶妙に高めの位置。Lサイズを170cmの僕が着て奥まで手が届くサイズ感。こういった細かいディテールの使いやすさは日本のユニクロならではですね。
編集A:副資材も含めて全体として価格を調整しながらバランスを取っているのが窺えます。あと前回から言えるのは仕立てがすごく綺麗なところ。
編集B:これで価格は税込1万4900円。手に取りやすい価格で、使いやすそうなアイテムですね。
2.オーバーサイズマウンテンパーカ
編集A:続いて先ほどと同じ素材、同じカラーのオーバーサイズマウンテンパーカ。これもレインウェアとして使えそうですね。
編集B:ジルは、ドイツの強い光のもとでもハッキリとわかる色味であることを条件にしているとインタビューで語っていましたが、他ではあまり見ない独特なカラーになっていますね。
編集A:サイズ感としてはネーミングの通りオーバーサイズで、シルエットはボックス。先ほどのロングコートより今っぽいシルエットに仕上がっています。
編集B:フロントはジップとスナップボタン。グログランテープは+Jコレクションではよく見ますね。
編集A:前回の秋冬コレクションでも多かったですね。グログラン推しなのかも。
編集B:マチを取って容量を大きくしたポケットの底にもスナップボタンが付けられていて、何も入れてないときは膨らまないように調整されていたり、細かいデザインはやはり流石の一言。
編集A:このポケットはサイドからも手が入れられるようになっているんですね。軽く羽織れるアイテムとして旅先とかでも重宝しそうです。
3.オーバーサイズステンカラーコート
編集B:出オチですが、これがマストバイのアイテムですね。素晴らしいです。
編集A:こちらのカラーはネイビーですが、少し明るめのネイビーですね。
編集B:すごく良い。素材はナイロンに特殊加工を施したナイロンタフタ。ポリエステルタフタが多いなかナイロンタフタの質感はとても良いです。すごくジルらしさを感じるアイテムですね。
編集A:内ポケットがあったり、使いやすさもあります。1万4900円で、最初に紹介したコートと同じ価格です。
編集B:個人的にはこちらを激オススメしたいですね。着た感じだと少し大きめを買っても良さそう。
編集A:着た時の落ち感も良さそうです。
編集B:春夏のアウターとしてはすごく良いですね。生地もかなり薄いのでさらっと羽織れますし。今の気分にとても合ってると思います。
編集A:カラーはネイビーと、ダークグレー、ブラックの3色です。ダークグレーは先ほどのコートやマウンテンパーカよりも少し暗い色ですね。
編集B:こちらも独特な深みのネイビーです。素材感と相まって素晴らしい。
編集A:袖幅が太いのも印象的です。この幅によってストンと落ちるのでシルエットが綺麗に出ていて。
編集B:かなり力を入れて作ったんだろうなというのが感じ取れる。今回のマストバイですね。
編集A:裏がメッシュになっていて、裏にもポケットが二つ付いているんですね。機能性も考慮されていて、これはまず店頭で手に取ってほしいですね。
4.ウールテーラードジャケット&ウールスリムフィットパンツ
編集A:定番のテーラードジャケットとパンツのセットアップ。
編集B:昔、ロドルフォ・パリアルンガがクリエイティブディレクターを務めていた「ジル サンダー(JIL SANDER)」のスーツを買ったことがあるんですけど、どこかその頃の雰囲気を感じさせますね。
編集A:織りが特殊ですね。深いネイビーの中にストライプのような薄い青が見えます。
編集B:ジャケットの裏地は背抜き仕様。クラシックなスーツを踏襲している感じですね。シルエット的にはボックスに近い。春夏ということで軽さもポイントです。
編集A:青みが割と明るいので、大学の入学式とかで着ても映えそうですね。
編集B:良いと思う。あとはラペルの太さがちょうど良い。モードのジャケットってすごく細くて、そうなるとネクタイも細くして、シャツの襟も小さくして....といった感じで全体的にミニマルな印象に調整しないといけないけど、これはどんなスタイルでもいける太さですね。
編集A:ジャケットが1万7900円、パンツが9990円なんですが、改めて価格への企業努力を感じます。縫製のクオリティもかなり高いですし。ちなみにカラー展開はこのネイビーのほかに、ダークグレーとブラックの3色。素材はネイビーはメリノSuper100sで、ダークグレーとブラックはメリノウールにニッケ社の特殊加工を加えているらしいです。他の色の素材感も気になります。
編集B:3万円以下と考えるとコスパがヤバいですね。着てみるとパンツのシルエットがたしかにジルっぽい。スニーカーを想定していなさそうというか。安易にセットアップにスニーカーという現代のスタイルに寄らなかったのは評価ポイントですね。
メンズアウター、1点だけ買うならコレ!
編集B:以上でメンズ アウター編のレビューは終了ですが、今シーズンの印象はいかがでしたか?
編集A:全体的にアウターはディテールで明確に着るシチュエーションの提案が見えた気がしますね。AWのコスパ感がやばすぎたので、SSは心配でしたけど杞憂でした。Bさんは、アウターの中から1点だけ買えるとしたら何を買いますか?
編集B:完全にオーバーサイズステンカラーコートですね。ネイビーの色味も素材感も本当に良かったので、個人的に買います。問題は何着買うかですね(笑)。店舗に行ったらマストでチェックしてみて欲しいです。
■ユニクロ「+J」:公式サイト
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