ユニクロ「+J」2021年秋冬コレクション
「ユニクロ(UNIQLO)」とファッションデザイナー ジル・サンダー(Jil Sander)氏のタッグによる「+J(プラスジェイ)」。待望の2021年秋冬コレクションが11月12日に発売決定しました。加えて、ジル・サンダー氏との継続的なコラボを今シーズンをもって一旦終了することが発表されました。ユニクロのクオリティを一段上げたコラボだっただけに残念ですが、今シーズンもFASHIONSNAPでは一足先にメンズ・ウィメンズ計29型を借りて徹底チェック。+Jを長年にわたって見てきた編集者2人が選ぶ、有終の美を飾るメンズアウターは?ちなみにアウター類はかなりの争奪戦が予想されてます(笑)。
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編集A→普段は国内外のデザイナーズを担当する女性編集者。2009年3月のファーストリテイリングとジル・サンダーの契約発表を目の当たりにした。当時の会見を「懐かしい〜」と目を細める。
編集B→ユニクロをフリースブームの時から見続けている男性編集者。専門はもっぱらラグジュアリーとデザイナーズ。昨今のゆったりシルエットには正直食傷気味だが、「やっぱり買ってしまう」らしい。
編集A:「『+J』徹底レビュー」もあっという間に3シーズン目ですね。
編集B:今回をもって両者のタッグは一旦終了だそう。毎シーズン楽しみにしていたコラボだけに少し寂しいです。
編集A:"現代のグローバルユニフォーム"を目指した+Jが、今回フィーチャーしたのは「冬の定番アイテム」とのこと。
編集B:過去2シーズンを振り返ってみると、2020年秋冬は汎用性に富んだアイコニックなアイテム、2021年春夏は余分なものをそぎ落としたシャープなシルエットのアイテムを展開してきました。ジル・サンダー氏が今回、定番アイテムをどのように再解釈したのか、期待が高まります。早速みていきましょう。
ハイブリッドダウンオーバーサイズMA-1ブルゾン
編集A:ブラウンに近いニュアンスのチャコールグレーですかね。珍しい色味。価格は1万2900円です。
編集B:安いですね。
編集A:ボディがダウンで、袖には吸湿発熱中綿を使用しているとのこと。ハイブリッドダウンは最近のユニクロの十八番になってます。
編集B:胸元の太いグログランテープはデザインかなと思ったら、ポケット口なんですね。過去にもグログランが多用されていたけど、やはり今回も。左右に配置した内ポケットはiPhoneが入るサイズ感で、これも便利そう。右利き左利き、両方使えるように付けているのかな。
編集A:腕の部分は2枚袖で、立体感を意識した凝った作りになっています。袖口の曲線のパターンも変わっていますね。
Image by: FASHIONSNAP
編集B:ユニクロの服ってこれまでは平面的なイメージがあったけど、3Dニットはじめ、ここ最近は立体感のある構築的なフォルムのアイテムが増えましたね。
編集A:ジル・サンダー氏にMA-1のようなミリタリーウェアの印象ってあまり無かったんですが、彼女自身は化繊に対してすごく研究熱心な方なので、決して安っぽい感じはない完成度の高さ。
編集B:ジップもオリジナルで、石のような質感が面白い。やっぱり副資材が凝っていると高級感が出ます。
編集A:先月発売された、ユニクロと「ホワイトマウンテニアリング(White Mountaineering)」のコラボアイテムもミリタリー要素が入っていたけど、それとは違うモダンな雰囲気。
編集B:ホワイトマウンテニアリングとのコラボと同様、ユニクロでは珍しいダブルジップが使われていますね。
編集A:今の時代にあった使いやすさや着方という部分が、よく考えられている一着ですね。
Image by: FASHIONSNAP
ダウンオーバーサイズパーカ
編集A:オーバーサイズシルエットのダウンパーカです。価格は1万7900円。
編集B:ちゃんと2万円近くのプライスで安心しました(笑)。下手したら1万以下とかで出してくることもあるのがユニクロなので。
編集B:身頃や袖に2色のカラーを配しているのが特徴的ですね。ネイビーの部分はマットなポリエステル、カーキの部分はコットン調のポリエステルと素材を使い分けてる。凝ってるね。
編集A:裏地に鮮やかなカラーを使うのは+Jならでは。シルキーさを感じさせるブルーですね。肩のパーツをよく見たら、切り替えを利用してスリットポケットが作られています。隠れた部分なのでぱっと見は分かりづらい。
編集B:ホワイトとのコラボコレクションでも、ポケットの付け方が特徴的でした。ホワイトとのコラボは機能性を重視したポケットでしたが、+Jはデザイン的な美しさや遊び心を追求している印象。それぞれ違ったアプローチですが、ポケットの取り入れ方にこだわりを感じます。
Image by: FASHIONSNAP
編集A:フードを取り外すとミニマルな雰囲気になりますね。
編集B:ネック部分がやや曲線的なフォルムになっているので、フードを外して着るとまた違った印象に。気分に合わせて着方が楽しめそう。
編集A:2020年秋冬に登場した「ハイブリッドダウンオーバーサイズパーカ」と同じく、フィルパワーは640以上です。
編集B:640以上か。800以上がいわゆる高級ダウンとは言われていますけど、街中での使用であれば全然十分だと思います。ホワイトのコラボの時にも思ったけど、ユニクロのダウンの完成度がどんどん高くなってますね。
編集A:ちなみに、先ほどの「ハイブリッドダウンオーバーサイズMA-1ブルゾン」はメイドインベトナムでしたが、このアウターはメイドインチャイナ。同じダウンでも、生産国が違うところにユニクロのグローバル性を感じますね。
Image by: FASHIONSNAP
ウールオーバーサイズダッフルコート
編集A:ロング丈のかなりしっかりした作りのダッフルコートですが、お値段は2万9900円。
編集B:このクオリティで2万9900円...!ユニクロの通常ラインの価格帯からすると3万弱は高いけど、この完成度であればむしろ安く感じるかも(笑)。ダッフルコートにローブ感が加わったようなシルエット。これはデザイン的にかなり力入れたんだろうなって感じがしますね。
編集A:ボタン3つが比較的高い位置につけられているので、ウエストの位置が高い印象を受けます。それとポケットの付け方が面白い。
編集B:普通ならパッチポケットだけのところ、その内側にスリットポケットがついていますね。
Image by: FASHIONSNAP
編集B:写真で見た時には分からなかったけど、実際触ってみると滑らかな肌触りですごく良い。裾に深めのサイドスリットが入っていたりと、デザイン性の高さを感じますね。
編集A:ロング丈のダッフルコートは重さが気になりますが、これはどうですか?
編集B:さっきのハイブリッドダウンの後に着ると、そこまで軽いようには感じないけど、そもそもダッフルコートってもっと重いから。上手く軽やかさを出すために、動いた時の揺れ感も計算されたシルエットに仕上げているので、かなり完成度高めだと思いますよ。
編集A:裏地が無いので素材のしなやかさが生かされているけど、裾やフードの縁の裏側にテープが縫い付けられているので、張りは保たれています。
編集B:あとボタンのクオリティが高い。さりげないエッジの効かせ方が上手いんだよなあ。アウターはこれが買いですね。
編集A:ガバっと羽織る感じで女性が着ても似合いそうですね。
Image by: FASHIONSNAP
マストバイなアイテムは?
編集B:完全にダッフルコートですね。デザイン的にもここまでグッとくるダッフルに出会ったのは久しぶりでした。
編集A:デザインをアレンジしたというよりも、リデザインという感じでしたね。ツートーンのダウンもアイコニックでおすすめですが。
編集B:まぁ、どちらも買えば問題ないでしょう。
編集A:そうですね(笑)。
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