Image by: FASHIONSNAP
ZOZOが運営するファッションアプリ「WEAR」。さまざまなSNSがある中でも、ファッションコーディネートの投稿に特化したWEARは多くのユーザーの心を掴んでいます。2020年度には、独自のコーディネートアワードがスタート。受賞をきっかけに多くのWEARISTA(WEAR公認のファッショニスタ)やショップスタッフが活動の場を広げています。
そんなWEARユーザーの中から、WEARでの発信が転機となり、ファッション業界で活躍する道を開いたインフルエンサー2人にフォーカス。コーディネートアワードの初代グランプリとショップスタッフ賞に輝いた経歴を持つ2人に、WEARでファッションを発信する際の極意を聞きました。
WEARとは?
ZOZOが運営する日本最大級のファッションコーディネートアプリ。1300万件以上の投稿の中から、「春コーデ」「オフィスカジュアル」といった条件で好みのコーディネートを探すことができる。掲載アイテムは、ZOZOTOWNをはじめとした世界中のECサイトで購入可能。
目次
WEARで人気の2人にインタビュー
今回は、「ページボーイ(PAGEBOY)」の販売員からPRを経て、今年2月にブランドディレクターに就任したHinechiさんと、大学時代にWEARでの投稿を開始し、現在はSNSの総フォロワー21万人超の人気インフルエンサー 風早ゆうたさんに話を聞きました。
Hinechi
「ページボーイ(PAGEBOY)」ブランドディレクター兼モデル、インフルエンサー。「クール、モード、ストリート」「オンナマエ」というキーワードに基づいたスタイルを発信している。2021年3月にWEAR コーディネートアワードのショップスタッフ部門で優秀賞を受賞。
■WEARアカウント
風早ゆうた
フリーランスで活動するファッションインフルエンサー。複数のSNSを駆使し、ファッションの発信を行っている。WEARを始めたことをきっかけに、「ユナイテッドアローズ グリーンレーベル リラクシング(UNITED ARROWS green label relaxing)」などのブランドとのコラボアイテムを手掛けたことも。2021年3月にWEAR コーディネートアワードの男性部門でグランプリを受賞。
■WEARアカウント
「夕食、お風呂、WEAR」コーディネート投稿が日々のルーティーンに
WEARでファッションの発信を始めたきっかけは?
Hinechi
約10年前、ページボーイで販売員として働き始めた当時、コーディネートやファッションに特化した情報を発信して「ファッションを通して自分を表現したい」「知ってもらいたい」と思い、WEARを見よう見まねで始めたのがきっかけです。
風早
始めた当時は大学生でした。大学に入って私服で通学するようになってからファッションに興味が湧きはじめて、そこから自分のコーディネートを記録として残せる方法はないかと考えたときにWEARに出合いました。
コーディネートの投稿を続けたことでどんな変化がありましたか?
Hinechi
変化しかなかったです(笑)。販売員だった私がブランドのプレスを任されるようになったのは、WEARのフォロワー数がブランド内で全国1位だったことが理由の一つで。当時は地元の北海道の店舗に勤務していて、北海道から出たことがなかったんですけど、挑戦という気持ちで上京して、去年まで6年間プレスを務めました。
ディレクター就任のお話をいただけたのも、ずっと自分のファッションを発信してきた結果だと受け止めています。もしWEARをやっていなかったら、私の人生はどうなっていたんだろう...(笑)。
風早
僕もWEARでの発信が今の仕事に直結しているので、大きな変化があったと言えますね。投稿を始めたばかりの頃は大学生で、卒業後の進路としてファッション系に進もうという考えは全くなかったんですが、WEARの投稿を見てPRやコラボのお話をいただくことが増えて、今のフリーランスとしての活動に至ります。
WEARの投稿頻度は?
Hinechi
SNSは毎日投稿しています。特にWEARは21歳の時に始めて、もうすぐ10年が経ちます。歴史を感じますね(笑)。
風早
2020年にWEARISTAになってからは、毎日欠かさず投稿しています。
毎日投稿を続ける上でのモチベーションは?
Hinechi
趣味みたいなものなので、今でも楽しんでやれています。あと、投稿を待ってくれている人がいるというのもありますし。夜ご飯を食べるとか、お風呂に入るとか、そういう日々のルーティーンの1つになっているので、投稿しないとモヤモヤして1日を終えられないんです(笑)。
WEARに投稿したコーディネート写真
風早
当初は、誰かに発信するというよりも自分のコーディネートの記録用という使い方をしていたので、自然と毎日投稿ができていましたね。今は、撮影日を決めてまとめて5〜10ルックくらい撮影することが多いですが、何よりも「楽しい」という気持ちが強いので、続けられています。
さまざまなSNSがある中でWEARを使い続ける理由とは?
今、主流のSNSといえばInstagramやTikTokだと思いますが、それでもWEARを使い続ける理由は?
Hinechi
WEARは「コーディネート投稿」に特化しているので、ファッションを入口にして個人や個性を知ってもらえることが特長だと思います。また、投稿内の着用アイテムに商品が紐づいていて、直接商品購入ページに飛べる導線の作り方、仕組みが、使い始めた当時から画期的だと感じていました。
コーディネートから自分を知ってもらえることで、私のことを知らない人でも「このスタイリングをしている人」として、ファッションの個性から自分を知ってもらえるという点は、ショップスタッフやブランドのPRを長年続けている私には欠かせないSNSだと思っています。
また、色々な系統のユーザーがいるので、必ず自分のお気に入りのアカウントを見つけることができます。自分のファッションの系統が定まっていない人でも、「素敵だな」と思えるWEARユーザーが1人でも見つかれば、その人を教科書としてコーディネートの勉強ができるところは、他のSNSにはない魅力ですね。
風早
WEARには、使い続けたくなるような便利な機能が沢山あります。例えば、細かいアイテムのコーディネート検索ができるので、トレンドのアイテムをどう着たらいいかわからない時にも、アイテムのキーワードを検索するだけで他の人のリアルな着こなしを沢山見つけることができます。
身長別のコーディネート検索もできるので、自分と同じ身長の人や、似たような体型の人がどういうコーディネートをしているのかを見ることができて面白いです。
「ストライプシャツ」を使用したコーディネート一覧
それぞれのSNSをどのように使い分けていますか?
Hinechi
Instagramは個人的なことだったり、私生活も込みで発信することができるのでファッション以外の自分を発信したい時に利用しています。TikTokやYouTubeでは、アイテムのディテールにフォーカスした動画を投稿しています。
風早
各SNSの強みを活かした発信を心がけています。例えば、TikTokは10代のユーザーが多いので、「ZOZOTOWNで買える服」のように幅を広げて紹介するようにしていますね。
「フォロワー数は関係ない」常にユーザーありきで発信
SNSを通してファッションを発信する上で大切にしていることは?
Hinechi
まずは、ユーザーありきで発信すること。フォロワーが10人だろうが何万人だろうが関係なく、ユーザーの目線に立った発信の仕方を常に意識しています。例えば、コーディネートを投稿する時にも「このアイテムがなぜおすすめなのか」というポイントを入れるようにしたり。見てくれている人が1人でもいるなら、手を抜きたくないですね。
あとは、自分の好きなものや、本当に良いと思っているものだけを発信すること。好きなものだと、投稿にも気持ちが入るので、アイテムやコーディネートの魅力がより伝えられると思います。
風早
自分に似合っているものを提案すること。そうすることで、服の魅力をより引き出せるので、客観視しながらコーディネートを組むようにしています。
WEARで人気を獲得するために努力したことは?
Hinechi
とにかく、穴が開くほどWEARを見て、研究していました(笑)。どうしたらフォロワーを伸ばせるのか、ハッシュタグやピックアップタグはどう使うのか、その時々のトレンドのカラーは何なのか、など色々な要素を取り入れながら撮影するようにしていましたね。今でも、他のWEARISTAの投稿を見て、撮影方法やポージング、加工の明るさを参考にしています。
風早
ポージングと背景ですね。毎日投稿を続けていくうちに、足を前に一歩だして、足元を大きく見せてスタイルをよく見せることが大事だとわかってきました。背景は、海外っぽい雰囲気で見せた方が自分のコンセプトに合った見せ方ができるので、こだわって撮影しています。あとは、後ろが壁一面などの平面にならないよう、奥行きのある場所での撮影も意識していますね。
ポージングを意識したコーディネート
WEARで得たノウハウを次世代へ
最近、注目しているWEARユーザーはいますか?
Hinechi
今年のコーディネートアワードで受賞したhasuneさんとかとまりさんの2人は、よくチェックしています。かとまりさんは、私がショップスタッフだった時からずっとチェックしていて、投稿の参考にしていますね。
hasuneさんは、動画作りがすごく上手で。InstagramのリールとTikTokの動画を参考にさせてもらったり、淡色系で個性のある着こなしが上手なので、社内のスタッフにも参考になるWEARISTAとして共有しています。
■かとまり:WEARアカウント
WEARコーディネートアワード2022-2023 ショップスタッフ賞受賞
■hasune:WEARアカウント
WEARコーディネートアワード2022-2023 グランプリ受賞
風早
最近チェックしているのは、Takeru.さんと、かやさん。2人ともコーディネートに加えて色使いや小物使いが上手で、参考になると思います。
■Takeru.:WEARアカウント
WEARコーディネートアワード2022-2023 グランプリ受賞
■かや:WEARアカウント
WEARコーディネートアワード2022-2023 U25賞受賞
今後の目標を教えてください。
Hinechi
今、ページボーイのディレクター業に加えて、SNSに強いスタッフの育成として、週に一回「Hinechiゼミ」というゼミを社内全体で開講していて。個々のスタッフにコーディネートの撮影方法や加工方法をレクチャーしているんですが、今後はその活動をもっと活性化させて、これまで自分がWEARでの投稿を通して得た知見をどんどん次の世代にも繋いでいきたいと思っています。
風早
自分のブランドを立ち上げたいです。これまでにも、「ユナイテッドアローズ グリーンレーベルリラクシング」とのコラボなどでアイテムの製作はしてきたんですが、今後は自分の好きな雰囲気を詰め込んだブランドができたらいいなと考えています。
「(ユナイテッドアローズ グリーンレーベルリラクシングと)Tシャツやセットアップ、トレンチコート、開襟シャツ、カーゴパンツなどを作りました。その中でも特に生地にこだわって製作したトレンチコートが気に入っていて、今でもWEARでコーディネートを提案しています。」(風早ゆうた)
「WEAR コーディネートアワード」とは?
WEAR主催の「WEAR コーディネートアワード(WEAR Coordinate Awards)」は、2020年度にスタート。その年を象徴する活躍をしたWEARユーザーを対象に、グランプリのほか、「キッズ賞」や「ショップスタッフ賞」「ファッションラバー賞」といったカテゴリー別で表彰をおこなっています。
PAST ARTICLES
【インタビュー・対談】の過去記事
RANKING TOP 10
アクセスランキング
sacai Men's 2025 SS & Women's 2025 Spring Collection