【社長インタビュー】谷正人が挑む業界の壁「企業改革、セレクト業態、販売員の地位」

 ステュディオスが会社名を「TOKYO BASE」に変更した。「ビームス」や「ユナイテッドアローズ」などの先駆者が老舗企業の仲間入りを果たしていく中、新星と呼ばれたステュディオスも設立から8年を迎え、企業理念として掲げる「日本発ファッションスタイルを世界へ」に本腰を入れるという。セレクトショップという形態が変化を続けるなか、今年33歳になる社長 谷正人は新世代セレクトショップと企業をどのように舵取るのか。

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日本ではなく「東京」、新社名が示す企業方針は?

ーなぜ今、社名変更するのでしょうか?

創業した時から社名変更については考えていました。僕らの事業のゴールは「STUDIOUS」だけを大型化させるというわけではなく、去年始動した「UNITEDTOKYO」、続く第三、第四、第五の事業をどんどんスタートさせることです。例えば、日本の有力ブランドと友好的なM&Aをして一緒に大きくなっていけるようなことも考えています。そのため社名変更は、その土台づくりでもありますね。

ー新会社の名称「TOKYO BASE」はどうやって選んだのですか?

「STUDIOUS」を始めた2007年はインポートが強く「日本ブランドのみのセレクトショップは成立しない」という風潮がありましたが、時代とともに日本ブランドに特化した業態も正当化されていきました。今はオリンピックに向けてジャパンメイドがブームですが、僕たちはトレンドに左右されず継続して「日本」「東京」を発信してきました。そういった背景を踏まえて、会社のビジョンを社員とともに語りながら、新会社名を公募してその中から相応しいものを選びました。日本の産地を大切にしたいというのは前提として、それ以上に僕がこだわったのは「東京」です。日本発の評価は高まっていますが、ファッションにおける東京はまだちゃんと評価されてないのかなと思っています。なので東京のクリエイションを推していきたいという意味も込めて「TOKYO BASE」にしました。東京を先頭に置くことで、僕達としても東京から発信していく覚悟をいれています。

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新ロゴ

ー社名変更を機に、海外進出に本腰を入れるのでしょうか。

「日本発ファッションスタイルを世界へ」という企業理念で会社をスタートしたので、海外進出はかねてからの目標でした。ただ、海外進出=海外出店が全てではありません。今計画しているのは、越境メディア型ECの立ち上げです。中国や台湾、香港の方が閲覧できたり、英語対応することでアメリカの方が閲覧できる最低限のECを秋を目処に開設します。ただ、翻訳しただけのECでは購買に繋がらないので、どんな商品をどんな量で、どのタイミングでということを、ひとつひとつを海外に向けて考えていかなければならないです。実店舗についても考えていて、香港を中心にリサーチをしています。

ー広いアジアのなかでなぜ香港に?

今、中国から香港への観光客が減少して、香港の景気が下がっています。出店するにはチャンスだと考えています。香港はアジアの発信地ですし、インバウンドで来店するお客さんの割合は香港が最も高いんです。プレス機能を置いてるわけでもありませんが、ハイプビーストやミルクマガジンなどで特集してもらったり、現地タオマガジンの表紙に使ってもらったり、自然なアプローチをしています。

ー海外進出する際にもっていきたいブランドは?

日本のお客さんに支持されているブランドを持っていきたいですね。海外と日本ではマーケットが全然違うので、一般論としては日本で売れるものと海外で売れるものは全然違います。よく海外ではベーシックなものはダメで奇抜なものしか売れないと聞きますが、その理由は圧倒的に価格が高くなってしまうためです。高くなればベーシックは売れず、クリエイションの強いものが売れるのは当然で、逆に内外価格差が日本と比べてなくなったらベーシックなものも売れるかもしれないですよね。成功しているユニクロ(UNIQLO)や無印良品は日用品だけどベーシックなものが売れています。内外価格差をなくして日本と同じクオリティのスタッフが販売できれば僕は全然変わってくると思いますね。

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