ボッテガ・ヴェネタ 2023年ウィンターコレクション
Image by: BOTTEGA VENETA
マチュー・ブレイジー(Matthieu Blazy)が手掛ける「ボッテガ・ヴェネタ(BOTTEGA VENETA)」が2月25日、ミラノで2023年ウィンターコレクションを発表した。「イタリア」三部作の締めくくりとされた今回のショーでは、「クラフト・イン・モーション(動きの中のクラフト)」を通じてイタリアの過去、現在、未来を融合させた。
「未来派」の彫刻家のシルエット
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会場には古代ローマの「走る人」のブロンズ像(紀元前1年)、そしてボッチョーニ(Umberto Boccioni)による未来派の作品「空間における連続性の唯一の形態」(1913年)が置かれており、まるで美術館の中のような雰囲気。“ボッチョーニ”シルエットを生み出すカッティングはブレイジーのデビューコレクション(2022年ウィンター)から継続し、今回さらに発展させたもの。変幻自在に動き回り、日常から非日常へと旅する、変身中の登場人物の原型を表しているという。
日常から非日常のパレードへ転換
「着替える、変身する」というアイデアを探求した今回のコレクション。ショーは、朝の支度をイメージさせるシュミーズとベッドソックスを組み合わせたルックでスタート。ピンストライプのナイトシャツをまとった女性や、グレーフランネルに見せかけたナッパレザー製のパジャマをまとった「おしゃれにこだわる実業家」も登場し、現代の日常風景を思わせる。
後半はより幻想的に、絵画の登場人物やクリーチャーたちがランウェイを闊歩。司祭やプレイボーイ、夢遊病者、街角の娼婦、銀幕の美女、古代の海のセイレーンなどが行き来し、ドレスアップの楽しさをアピールする。ボッティチェリ(Sandro Botticelli)の名画「プリマヴェーラ」(1482年)に描かれた春の女神フローラと大地の女神クロリスのルックなども登場し、イタリアの芸術文化とクラフトマンシップを称えた。
個性あふれるキャラクターたちが集う
ブレイジーは「誰に出会うだろう? 角を曲がったところには何がある? あなたを驚かせるのは誰だろう? その出会いの驚きこそが重要」と語り、「イタリアのパレードというアイデアがとても気に入った。行列や摩訶不思議なカーニバル。どこからともなくたくさんの人たちがやって来て、どういうわけか皆その場に収まり、同じ方向へと向かっていく。階級に関係なく、誰もが参加できる場所に人々が集まるのはなぜなのか、見つめたいと思った」とその意図を説明する。
巧みなレザーワークと新作バッグ
また、ボッテガ・ヴェネタならではのラグジュアリーなレザーグッズも存在感を放つ。彫刻的なハンドルを持つ「サーディン バッグ」は、半透明のムラーノガラスを採用した新作がラインナップに加わった。また、造形的なフォルムのバッグや、鮮やかな色合いのサイハイブーツも装いにモダンなアクセントをプラスする。「イタリア」三部作を完結させ、新たなチャプターの始まりをも予感させるコレクションとなった。
会場にはBTSのRM、女優のサルマ・ハエック(Salma Hayek)など、豪華な顔ぶれが来場。セレブリティを一目見ようと、会場周辺には多くのファンたちが集まった。
BTSのRM
Image by: Stephane FEUGER
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