ジョン・ガリアーノ(John Galliano)が手掛ける「メゾン マルジェラ(Maison Margiela)」が2024年春夏Co-Edコレクションを発表した。会場は、前回に続きメゾン マルジェラの本社。ショーで表現されたのは、メゾンが現在進行形で描いている主人公、カウントとヘンの年代記の中で想像されるフラッシュバックの物語だ。2022年アーティザナルコレクション制作時に構想されたストーリーをさらに深め、服が世代から世代へと受け継がれていく様をエッジを効かせながら表現した。
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2022年アーティザナルコレクションで発表されたパフォーマンス作品やインスタレーションで描かれていたのは、シングルペアレント同士が結婚したことで義理の兄弟となった2人がいつしか愛し合い、不運な運命を辿っていくストーリー。今回は本社のホワイエで、カウントとヘンの両親がアメリカへの航海中に出会った経緯が明かされた。彼らは旅行用トランクを手にしており、この中の服が将来的に彼らの子孫の手へと渡ることを示唆している。エントランスには、船を模った照明や船員たちの姿を思わせるインスタレーションも設置されていた。
船の照明を背景に立つゲストの秋元梢 Video by FASHIONSNAP
船員たちの姿 Video by FASHIONSNAP
ウェアラブルなコートとキュロット
今回のコレクションはカウントのヘンの両親を主人公に、過去をフラッシュバックさせながら進んでいく。モデルたちは前屈みの姿勢で、あるいは挑発的にランウェイをウォーキング。冒頭に登場したのはモノトーンで統一されたルックで、切り取られた白シャツの襟がスカーフのように首に巻かれている。シアトリカルな演出につい目を奪われるが、ブラックのテーラードコートはいずれもウェアラブルなデザインとなっていた。
中盤には、ミッドセンチュリーのドレスを再利用したキュロットが登場。ロールアップされたようなヘムはジャケットのデザインとも相まって、人体の動きをそのまま取り入れたような曲線を描く。
自由にカスタマイズされたドレス
ドレスは、ところどころが削ぎ落とされたアシンメトリなシルエットがポイントに。また、ダクトテープや「ワーク・イン・プログレス」のステッチ、ラミネート加工などで斬新なアレンジが加えられた。ミッドセンチュリーのランプシェード風の帽子は、ビニールやダンボールなど意外性のある素材で形成。古いワードローブを先鋭的にカスタマイズしていく、新世代の感覚が随所に反映されている。
ロマンティシズムが滲むのは、チュールのレイヤード。ドレスのペチコートだけでなく、ハンドバッグもチュールで覆われ、前衛的かつファンタジックな世界観を反映する。また、コートやドレスにも2023年秋冬のCo-Edコレクションで登場したテクニック「ロールシャッハカッティング」を進化させた「ロールシャッハドット」を用いた不揃いのドット模様が大胆にあしらわれた。
「タビ」がデッキシューズに変身
メゾンの象徴である「Tabi」は、黒いリボン付きのハイソックスと合わせたブローグシューズやハイヒールなど、新たな解釈で登場。航海中の設定とリンクしたデッキシューズなども登場し、ガリアーノが描く壮大な物語の一端を担った。
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